鈴木忠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1540
鈴木忠
1960年愛知県生まれ。名古屋大学では昆虫変態に関する生理・生化学を学び、1988年同大学院を単位取得退学後、浜松医科大学で糖脂質に関する研究に従事。1991年より慶應義塾大学医学部生物学教室で昆虫の精子形成を研究し、1998年に金沢大学大学院自然科学研究科より学位取得。2000年、クマムシの世界にはまる。2005年より1年間、コペンハーゲン大学動物学博物館で海産クマムシの卵形成を研究
クマムシ?!-小さな怪物 (岩波科学ライブラリー)
by 鈴木 忠
小さいムシである。ただし昆虫ではないし、節足動物でもない。顕微鏡を使って観察しなければ、ほんの小さなケシ粒にしか見えない。 -
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
コペンハーゲン大学動物学博物館で、海産クマムシの卵形成を研究(2005年当時)をしている著者による、日本初の、日本語で書かれた一般向けのクマムシ本。
クマムシといえば、乾燥状態でクリプトビオシス(乾眠)と呼ばれる状態になり、乾燥、凍結、真空、高圧、放射線にも負けない強い子であるという話ばかりが世間に都市伝説のごとく流布しているが、どういうことなのか。
「4 クマムシはすごいのか」の章で、学者さんならではの、必要以上に正確を期した文体でその疑問について答えてくれている。
しかしまあ、クマムシとは不思議な生き物です。
オニクマムシの飼育・観察、産卵の様子などが、顕微鏡写真等で紹介されて -
Posted by ブクログ
ある本によると、絶対0度でも、摂氏80度でも死なず、湿度0%でも平気。宇宙空間に裸で放り出されても地球に帰還できれば、復活するなどと、ほぼ信じられないくらい、クマムシは不死身らしい。信じられないのでこの本を読んでみたが、これらの逸話はどうやら都市伝説のようなもので、この様な現象をおこすためには、かなり強い条件が必要であるらしい。強い条件とは、「ゆっくり乾燥させること」。この条件を潜り抜けたクマムシは、生きたままミイラとなり、かなりの環境負荷でものりこえ、水をかければ復活できる。ただし、この機能はある特定の種類のみ。全種類のクマムシのフィーチャーではありません。ちなみにクマムシは、クマムシのみで
-
Posted by ブクログ
最強生物と言われるクマムシの真実について、現在わかっていることを文献を示しながら解説する。あまりに専門的内容や数式はなく、素人も楽しく読める。
クマムシはよく知らない人でも、高温にも低温にも乾燥にも、放射能にさえ耐えると知っているが、そこを煽ったりはせず、ワムシだってかなりの蘇生力がある、確かに蘇生するが、その後クマムシが健康に長生きできたかが重要で、蘇生してもすぐ死んでしまっては意味がないと書いている。もっともだ。
文章から溢れ出すクマムシに対する愛に、心温まる。岩波科学ライブラリーは、時々とてつもなく面白いものがある。それはもちろん文章の巧さもあるが、なにより学者としての飽くなき探究心と、 -
Posted by ブクログ
クマムシって聞いたことがありますか?私は子供の学校で科学部の生徒が発表しているので知りました。乾燥した環境にも耐え、真空中、放射線、電子レンジでチンしても生き延びるという伝説(?)の怪物です。
実際は大きさ0.2mm程度のシャープペンの芯の先よりも小さな生き物。雨どいや、建物に付着した苔、淡水ばかりではなく、海にも生息している小さな生き物です。乾燥した状態では「乾眠」という体の水分を極力落とし、体内に特殊な糖質を蓄積して、生命としての代謝をおとして活動休止状態(クリプトピオシス)に入ります。
極め詰めは水をかけると元の状態に戻り活動を開始します。小学校のころ、子供たちの間で人気のあった、シ -
Posted by ブクログ
息子の運動会に行った時のこと。
私が生物の研究をしているときいた小学生の息子の友人が
「クマムシってすごいんだぞ」と お弁当をたべている私にいってきた。
「最強のクマムシはブラジルにいるんだ。」
「放射線をあててもしなないんだ。」
「でも攻撃力はないんだ」
まるでポケモン図鑑でもみてきたようにうれしそうに話しかけてくれた。
私のクマムシの知識もホイタッカーの5つの王国から得ただけなので小学生と似たり寄ったりだった。
そこで本書をよんだのだが、しなない 伝説の淵源をたどったり実際に
成長と生残をはかったり 著者が興奮しながら知識を得ていった過程がわかる上にクマムシの生き方が非常に -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
乾燥すると樽型に変身!
真空、高温、高圧、放射線にも耐え、レンジでチンしても平気。
120年間水なしでも生き続ける生物がいる―?
それは体長1mm以下の微小な生物・クマムシ。
不死身伝説の真偽、18世紀からの研究の歴史、試行錯誤で飼育する笑いと苦労の物語など、生物研究のオモシロさ満載。
身近なクマムシの観察方法や、ファン必見の図版も多数掲載。
[ 目次 ]
1 クマムシってなに?(クマムシってムシ?;どんなムシか ほか)
2 オニクマムシの生活史(コケのすき間をのぞく;クマムシを飼いたい! ほか)
3 クマムシ伝説の歴史(研究の幕開け;死と復活 ほか)
4 クマムシはすごいのか