オーストラリアの作家チェルシー・フィールドの「お毒見探偵シリーズ」の第1弾!
アラサーのがけっぷち女子イソベルは、別れた夫に押し付けられた借金の返済のため、故郷のオーストラリアを離れてロサンゼルスで新たな仕事に就くことになります。
その仕事とはなんと「毒見役」。
有名なセレブ達の依頼に応じて、彼らの食事をテイスティングし毒がないか確認するという危険な仕事です。
無事に厳しい研修を乗り越え、毒見役(シェイズ)としての第一歩を踏み出したイソベルは、仕事中に同僚が倒れた事件の謎を追いかけることになります。
イケメンの相棒に振り回されたり、ロスの常識にカルチャーショックを受けたり、借金取りに追われたりしながらも、事件の真相を暴いて同僚を救えるのでしょうか?
作家がオーストラリア在住ということで、カルチャーショックやホームシックの描写がリアルでした。
アメリカの銃文化は日本人の私もなかなか受け入れられないと思います。
アメリカ国内の貧富の差や人種差別についてもさりげなく触れられていて、とても考えさせられました。
毒見役という危険な仕事に飛びつかざるを得ない、主人公の状況の世知辛さもリアルに思えました。
そうしたシリアスさを感じさせながらも、全体的には明るくコミカルな物語で楽しく読めます。
毒物に関する知識が身につくのはもちろん、オーストラリアとロサンゼルスの食文化の違いなども感じられて興味深かったです。
イソベルの暮らしぶりもなかなか変わっていておもしろいですし、料理の描写などもばっちりコージー感がありました◎
お仕事系ミステリでありながら、スパイもの感があって、そのあたりのドキドキハラハラもよかった。
イケメンもたくさん出てくるので、主人公の恋の行方も楽しみです。
◇おすすめポイント
・毒物の豆知識や料理の描写
・背景にある社会の世知辛さ
・オーストラリアとロサンゼルスの食文化や常識の違い
◇こんな方におすすめ!
・オーストラリア発のミステリが読みたい
・イケメンに囲まれたい
・人生がなかなか切ない感じになっている