奈良美智のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
初版は1990年、福武書店から刊行。2013年に福音館書店で刊行された版を読む。書き下ろしで「忘れたころのあと話(2013年)」が付いてくるがなくても良かったかな。
映画化されたとき(1993年)、ちょっと話題になっていたかもしれない。wiki見るとかなり面白そう。いかにも相米慎二監督にぴったりの作品じゃないか!小学6年生女子の一人称により、親の離婚の経験が語られる。父親が家を出ていくところ、母親と二人の生活を始めるにあたって「契約」を結ぶ場面、姓について検討する場面、旧友と会って酔っぱらって帰ってくる母親の場面、相米監督の映像が目に浮かびます。主人公の蓮子も母のなずなもいかにも現代風の精神性を持っている。(いや現代ではないな、1980年代後半の空気だ。)父親の賢一は昭和をちょっと引きずっている感じがするなぁ。両親の後輩にあたる布引くんとワコさんもすごく相米慎二映画っぽい存在。
感性というよりも知性を感じる、頭でよく考えた小説だなと思った。蓮子自身もいいけど蓮子から見える大人たちがとても魅力的で(蓮子よりずっと子どもっぽかったり)ついそっちに興味を惹かれてしまった。離婚の背景は詳しく書かれないけど、なずなの気持ちとかめっちゃ気になって。本当の子どもたちはどんなふうに読むんでしょうね。