天野泰明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イタリアの警察官ロッコ。口は悪く、捜査のためなら違法なことも平気でする。人を見下しているような感じもありながらどこか憎めず、ユーモアに笑わされる。雪の中を頑なにクラークスのデザートブーツで動き回るのも好き。シリーズの最初ということでまだまだロッコの過去とか妻のこととかが語られていないところもありそうでこの先が気になる。個性が強いけれどそれだけじゃなく事件や謎解きのようなラストと楽しめる警察小説。楽しみなシリーズと主人公で次作もぜひ読みたい。最近は『パードレ』シリーズや『血の郷愁』などのイタリアの小説が増えてきたのも嬉しい。イタリアやフランスの小説にはサッカーの話題が出てくるのも楽しい。
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Posted by ブクログ
また一人、魅せられるキャラクターとの出会いがあった。
もう飽きるくらい見て、目からゲップが出るんだぜ。
おれは屁ともクソとも思わんことにする。
グレード10。正真正銘の◯◯の穴ふさぎの◯◯こじり。しかも花マル付きかもしれない(毒舌全開、、、度々、出てくる言い回し笑)
悪態つきまくり。日にマリファナの一服を欠かさず、タバコはキャメル。好き嫌いにこだわりが強く、女とくると服の上からでも中身が見えるが如く想像を逞しくする。金のために、悪事にも平気で手を染める副警察署長。それでいて、正義感も貫いてみせる。
どうやら、これから語られるであろう物悲しく暗い過去があるらしい、、、
ミステ -
Posted by ブクログ
多分初めて読むイタリアミステリー。
住民のほぼ全員が誰かしらと親戚関係にあるというアルプス山麓にある小さな町アオスタ。
そのスキー場でコース整備中に起きた、圧雪車による轢死事件。だが事故ではなく殺人だと分かり…。
ローマでの不祥事からアオスタへ左遷された副警察長のロッコが主人公であり探偵役なのだが、なかなかの強烈キャラクターだった。
女性を見たら値踏みしアオスタに来て4ヶ月だというのにもう愛人を拵え、始終周囲に皮肉や文句を言い、部下たちや事件関係者たちにも有無を言わせぬ高圧的な物言いをする。
時には平手打ちや法を犯すことも厭わない。
2013年に本国で刊行されたらしいが、日本よりも権利に厳 -
Posted by ブクログ
ネタバレフロスト型というか…クセが強い中年刑事と優秀な者もポンコツな奴もいる部下たちや、個性的な監察医や判事、味方なのか敵なのかまだわからない上司などやりあいながら奮闘していくという、警察小説の王道なのだけれど、特筆すべきはイタリアのミステリだということ。
セリエAやサイクルロードレースを通してイタリア好きになっているので、イタリアっぼさがたまらない。ローマっ子のローマへの思い、舞台となるスイス国境のほとんどの住民が身内という小さな村の噂にまみれた日常、美男美女への反応、イタリア人の死生観など、ミステリとしては平均的でも、イタリアを満喫できる小説としてオススメ。
特に2020年4月上旬に読んだので、