三浦みどりのレビュー一覧

  • 戦争は女の顔をしていない
    『嘘は言うまい、この道を進んでいけるという自信はなかった。しまいまで行くことができるのか。やめてしまいたい、脇道にはずれてしまいたい、というような迷いや不安の時があったがもうやめられなかった。悪というものにとりつかれてしまっていた。何か理解できるのではと覗き込んでしまったら、それは底なしの淵だったの...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    伝えたかったことが沢山あったと思う。伝えられなかったことも沢山あったと思う。
    それでも女たちの声を聞くことができて良かった。
  • 戦争は女の顔をしていない
    これが戦争の、人間のリアル

    憎しみが勝ってしまうと人はどこまでも残虐になれるんだなと思ったし、優しさも併せ持っているのが人間なんだと思った

    いいとか悪いとかじゃなくて
    極限状態ではこうなんだと思う

    だから戦争は嫌だ、どんなに腹がたっても会話で解決したいな

    戦後、心を閉ざした女性たちの心を開い...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    まず女性が戦争に行っていた事、そしてそれは看護士などもいたが狙撃兵もいたという事。読んでいてここら辺のところがえっ?どういう事?女性が?と頭がついていかなかった。タイトルを見て戦争って女性にとっては大変な事であり、そういう大変だ云々と言う事が女性の視点で書いてあるのかと思っていたから。まあ確かに大変...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    気になったいくつかを書いてみる。

    『その人は黙ってしまったわ。顔から微笑みが消えたの。何だか恥ずかしそうなばつが悪いって顔して。もう若くない人だった……その人は分かっていたの、私を送り出す先がどういうところか……』p106
    これはチョコレートをカバンいっぱいに詰め込んだ女性の話。軍事委員の人がカバ...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    独ソ戦の戦場で戦ったソ連女性たちの証言集。膨大な証言それぞれが生々しく、死傷者数といった数字だけでは表現できない凄惨さに心が痛む。
    独ソ戦のときはドイツに蹂躙されたウクライナでソ連がナチスと戦っていたというのに、今やロシアがウクライナと戦争してるなんて、憤りすら感じる。
  • 戦争は女の顔をしていない
    とてもではないが、すぐに読み終えることができる本ではないと思った。いったい、この時代に生まれて、(女として)生きるとはどういうことだったのかということが、無数の人たちの語りによって眼前に突きつけられる。戦争、日常への帰還。戦争に行っていた女性への眼差し。捕虜だった兵士への祖国の仕打ち。無数の個人史が...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    第二次世界大戦でソ連軍に従軍した女性たちの生の声が収録されている。
    まず、女性が兵士として戦地に行っていたということに驚いた。彼女たちは、自ら志願して兵役を務めた。
    確かに国を守り立ちという気持ちに男女差はないだろう。
    けれど、戦後の彼らの処遇は男性とは違ったようだ。
    勲章をもらった男性は英雄視され...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    独ソ戦については事前知識もほぼなかったが、あらゆる面で過酷だったことがわかった。飢えや味方内での粛清なんて知らなかったし、少女たちが志願して前線に行ったというのは驚きだった。戦争中の過酷さはもちだし、戦後口を閉ざさざるをえなかったたことも悲しい。
    日本にいると、義務教育以外にあえて自主的に深掘りをし...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    読むまではロシアと言えば恐ロシアのイメージが強かったが、戦争に参加した少女達は、我々以上に普通のいやそれ以上に純粋な人達でした。
    戦争は勝っても負けても辛いことがあり、本当に無くさなければならないと思いました。
  • 戦争は女の顔をしていない
    確かにあまりイメージが無かったが、終始500人を超える戦時中様々な役割を担っていた女性からの生の声が綴られている。最近読んだ夜と霧と比較すると、看護関係の立場や前線に立った者からの証言も多いため、より視覚的・物理的で生々しく、つらい。戦争のリアルを知る上でこの上ない本だと思うが、500人の戦時中の具...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
     第二次世界大戦のソ連の女性兵士や支援部隊に従事した女性たちの戦争体験の聞き書きで構成されている。筆者は戦後の生まれで直接戦争を体験していない。言論統制が厳しかったソ連で地道にインタヴューを続け、書籍としてまとめた努力は素晴らしいものであった。
     このドキュメンタリーは戦争体験をただ羅列しただけでは...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    戦争で従軍した女性達の“生”の声。
    こんな時だからこそ、その声を聴くことが大切だと感じた。
    フィクションではない現実の戦争がこの本には描かれている。
    いつまでも読み継がれてほしい一冊。
  • 戦争は女の顔をしていない
    文庫本としては分厚いかもしれないけれど、中は数多なる経験と記憶の記録で、長短あり、それぞれにその理由があり、何一つ、似たような内容が無い。
    そして、ここに記載されていない事実が、まだ著者の手元にあり、そして著者の手元に届かなかった事実もまた数多なるものがあるのだろうと、想像せざるを得ない。

    権力者...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    久しぶりにアレクシエーヴィッチの本を手に取った。以前読んだ『チェルノブイリの祈り』の時も思ったが、生の声のすさまじさに圧倒され、打ちひしがれ、理解しようとし理解できず、涙し、こんな悲惨なことは二度と起きるべきではないと心の底から思いがわきあがる。
    でも起きている。今、この本で何度も登場するウクライナ...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    「戦争とはすべてが真っ黒」という言葉が印象的。
    男性の兵と兵が戦うだけが戦争ではないというリアル。心にずっと残るであろう一冊です。
    語ってくれてありがとう。記してくれてありがとう。訳してくれてありがとう。みんな女性ですね。
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言
    第二次世界大戦時に子どもだったベラルーシの人々の記録。あの戦争でベラルーシは全人口の四分の一を失った。

    ドイツ軍が金髪碧眼の子どもを誘拐して、血液を採取する話がたくさん出てくる。
    子どもを何かの実験に利用したのかと最初は思ったけど、もしかしたら軍人たちのための献血を強制的にさせていたのかもしれない...続きを読む
  • 戦争は女の顔をしていない
    生の声を書くという形式であり、思想などが乗っかっておらず読みやすかった。
    内容は凄まじく、語られていないもっと凄まじいこともあるのだろうが、並々ならぬ時代と戦争という非日常の期間で人がどうなるのかの一端をみれた。
    立場や思想、居た戦場によって感情は異なるが、過去の自分は常に自分の中にいて、消えること...続きを読む
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言
    独ソ戦争について全く知らなかった自分を恥じた。戦争の犠牲になるのはいつだって子供である、と心のどこかで主張してきたが、何も理解できていなかった、読み終わった今でも理解できていないと思う。
    ユダヤ人の少年と行動を共にしていた子の話が印象に残っている。
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言
    「親子は別れを告げた、銃殺を待つ間に」「きれいだった母の顔が撃たれた」「お粥の行列に並ぶが、前で食べたはずの子どもはなぜか戻って来ない」「母親から子供がひったくられ火の中に放りこまれた」「空が怖くなる、吊られているのをみたから」「犬たちがくわえてきた、3歳の妹をズタズタにして」…ナチスドイツの侵攻を...続きを読む