三浦みどりのレビュー一覧

  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    ネタバレ

    白ロシア=ベラルーシ

    自分で穴を掘らせ
    その縁に立たせ
    子どもから順に撃つ
    大人が絶望するのを
    見るために

    お腹が空いて空いて
    お母さんという言葉を聞くだけで
    泣き声が止まらなくなる

    戦争
    この記憶がまだ残るのに
    なぜ繰り返す

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    2025年09月16日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ロシアによるウクライナへの侵略戦争が長期化している今だからこそ読んでおきたいと思った。
    タイトルは有名ながら、手に取ったことがなかった。
    内容としては非常に生々しい、従軍女性たちから聞き取った証言集。
    もっと書き手の主張が入ったルポライティングのようなものを想像していたが、インタビューに応じた女性の肉声が聞こえてくるような書きぶりによって戦争のむごさがより際立つ。
    「女たち」の視点ではあるが、前線に出される兵士たちの様子も証言から浮かび上がる。

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    2025年08月24日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ネタバレ

    漫画のほうを先に読んで、旧日本軍よりマシかも…とか感想を持った自分を殴りたい。
    いろんな人がいて、いろんな手段で戦ったり、生き延びたりして。でも戦争がハッピーエンドで終わるなんてことない。これは今まさに繰り返されている悲劇だってことを教えられます。
    腹立つのは、解放された捕虜に「なぜ生きてる?」と問うとこ。せっかく地獄を生き延びても裏切りを疑われながら生きなきゃならないとか。
    著者のインタビュアーとしての姿勢が素晴らしい。「話してください。悪魔には鏡でその姿を見せつけてやらなければ」と。
    しかしウクライナとかベラルーシの人たちのインタビューなんだよね。こんなことされてドイツを許す気になるかとか

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    2025年08月05日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    本書は物語ではなく、第二次世界大戦で従軍した100万のソ連女性の内、500人以上の生の声を集めたインタビュー集。
    膨大な量で、Audibleでひたすら辛い内容を聴き続けたので楽しいものではないけど、語り継ぐべき素晴らしい資料だった。
    特にソ連には世界でも珍しい女性兵がいたので女性ならではの視点や境遇から語られる戦争の話はとても貴重。
    女性の従軍と言っても兵士や狙撃兵の他に、パイロット、通信兵、看護師、調理係、洗濯係など色々。だけど一番驚いたことは多くの女性が自ら前線を強く希望していたこと。
    『同士少女よ、敵を撃て』では孤児が選択の余地がなく狙撃兵になっていたけど、実態は少し異なる印象。
    中には

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    2025年01月20日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ▼(本文より)これは残るようにしなけりゃいけないよ。いけない。伝えなければ。世界のどこかであたしたちの悲鳴が残されなければ。あたしたちの泣き叫ぶ声が。

    ▼1948年、第2次世界大戦が終わって3年後に、当時ソビエトの西部、ベラルーシで、この本の作者アレクシエーヴィチさんが生まれたそうです。親世代は第2次世界大戦に従軍して、親戚も多く亡くなったそう。
     アレクシエーヴィチさんは、20代終盤くらいから、つまり1970年代、冷戦下のソビエトで雑誌記者をされていたそうで、30歳くらいから、
     <第2次世界大戦に従軍した女性たちの経験談を聞き取り集める>
    という作業を始められたそうです。

     この本は、

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    2024年11月28日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    「でもこれは残るようにしなけりゃいけないよ、いけない。伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。あたしたちの泣き叫ぶ声が。」

    帰ってきた彼女たちを苦しめたのは、戦地で優しかった男たちだけじゃない。家族や他の女たちも同じだった。心が痛い。

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    2024年11月02日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    第二次世界大戦中に看護師や軍医としてではなく(そういう人もいたが)、実際に武器を取って敵を殺した女性達の体験を聴き取ったもの。最初の数ページを読んだだけで心が痛み、なかなか読み進められなかった。女性達のほとんどが自ら熱烈に志願して戦場に行ったこと、スターリンを信奉していたことはショック!戦争中は英雄として崇められたのに、戦後は男達の軽蔑の目に遭い、結婚にも差し支えがあったことにやりきれない思いがする。

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    2024年10月08日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    圧倒的。インタビューした一人ひとりの戦争経験で編み上げられた壮大な曼荼羅の織物のような読み物。1000人いれば一千通りの話がある。聞き書きゆえの話のとっ散らかりぶりも、かえって生々しい。
    ソ連が物量的に不足していたことや生きて虜囚の辱めを受けず魂など、日本とも共通する要素はあったこと、しかし特攻隊(海も陸も)ほどの人命の軽視はなかったことを知る。
    愛国心の熱狂は、人をこんなふうに戦場に駆り立てるのだということを体験談の多様さ(あるいは共通する血のにおい)と量でいやというほど知らされる。熱狂の先にある地獄と、生還後の肉体と精神の傷みのすさまじさ、理不尽な扱い。経験した人はとにかくもう二度と戻りた

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    2024年08月16日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    『嘘は言うまい、この道を進んでいけるという自信はなかった。しまいまで行くことができるのか。やめてしまいたい、脇道にはずれてしまいたい、というような迷いや不安の時があったがもうやめられなかった。悪というものにとりつかれてしまっていた。何か理解できるのではと覗き込んでしまったら、それは底なしの淵だったのだ』―『思い出したくない』

    世の中がこれまでになくきな臭くなっている中、読んでおかなければならない一冊と思って手に取る。スヴェトラーナ・アレクシェーヴィナはウクライナ人の母とベラルーシ人の父の下に生まれた作家。そんな出自は旧ソビエト連邦時代であれば恐らく「京都生まれの母親と大阪生まれの父の下に生ま

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    2024年05月08日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    伝えたかったことが沢山あったと思う。伝えられなかったことも沢山あったと思う。
    それでも女たちの声を聞くことができて良かった。

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    2024年04月18日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    これが戦争の、人間のリアル

    憎しみが勝ってしまうと人はどこまでも残虐になれるんだなと思ったし、優しさも併せ持っているのが人間なんだと思った

    いいとか悪いとかじゃなくて
    極限状態ではこうなんだと思う

    だから戦争は嫌だ、どんなに腹がたっても会話で解決したいな

    戦後、心を閉ざした女性たちの心を開いて会話を引き出した著者はすごい人だと思う
    聞くのも辛いと思うし、寄り添い続けるのも難しかったのではないかと思う

    国のために戦い
    戦争から帰った女性は差別されたり

    戦場でも女の子はやっぱり女の子で
    かわいく思われたいとか女性らしくありたいと思う気持ち

    戦争中でも結婚式やほっこりするような一幕もあ

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    2024年04月05日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ネタバレ

    まず女性が戦争に行っていた事、そしてそれは看護士などもいたが狙撃兵もいたという事。読んでいてここら辺のところがえっ?どういう事?女性が?と頭がついていかなかった。タイトルを見て戦争って女性にとっては大変な事であり、そういう大変だ云々と言う事が女性の視点で書いてあるのかと思っていたから。私は何も知らなかったんだなと思う。まあ確かに大変な事ではあるのだけどそんな言葉で表現するのはあまりに軽すぎる。
    映像化したら目をそらしたくなるであろう場面も。行動も精神も何もかも無茶苦茶になるのが戦争なんだなとあらためて思う。
    これを読んで、戦争に行った人が戦争を語らない、固く口を閉ざしてしまって、という理由がや

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    2024年05月29日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    ネタバレ

    気になったいくつかを書いてみる。

    『その人は黙ってしまったわ。顔から微笑みが消えたの。何だか恥ずかしそうなばつが悪いって顔して。もう若くない人だった……その人は分かっていたの、私を送り出す先がどういうところか……』p106
    これはチョコレートをカバンいっぱいに詰め込んだ女性の話。軍事委員の人がカバンに何が入っているかを知って、笑えなくなったという部分。戦争を知らない少女たちが戦争に向かっていく話もこれだけではない。

    『わたしは思いました、おかあさんは私のことを結婚するには若すぎるけど、戦争には若すぎないって思ったのね、と。私の大好きなおかあさん』p202
    結婚に反対されて、早く大人になりた

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    2024年03月09日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    独ソ戦の戦場で戦ったソ連女性たちの証言集。膨大な証言それぞれが生々しく、死傷者数といった数字だけでは表現できない凄惨さに心が痛む。
    独ソ戦のときはドイツに蹂躙されたウクライナでソ連がナチスと戦っていたというのに、今やロシアがウクライナと戦争してるなんて、憤りすら感じる。

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    2024年01月14日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    とてもではないが、すぐに読み終えることができる本ではないと思った。いったい、この時代に生まれて、(女として)生きるとはどういうことだったのかということが、無数の人たちの語りによって眼前に突きつけられる。戦争、日常への帰還。戦争に行っていた女性への眼差し。捕虜だった兵士への祖国の仕打ち。無数の個人史が表すのは、戦争の勝利ではなく、戦争に巻き込まれ生きた(死んだ)人たちがいた、という単なる事実であり、だからこそ、「戦争」「国家」「社会体制」「時代」というものへの内省を迫るような、静かな怒りや悲しみ、威厳が一つ一つの語りから感じられた。
    「夏になると、今にも戦争が始まるような気がするんだよ。太陽が照

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    2025年01月30日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    第二次世界大戦でソ連軍に従軍した女性たちの生の声が収録されている。
    まず、女性が兵士として戦地に行っていたということに驚いた。彼女たちは、自ら志願して兵役を務めた。
    確かに国を守り立ちという気持ちに男女差はないだろう。
    けれど、戦後の彼らの処遇は男性とは違ったようだ。
    勲章をもらった男性は英雄視され、女性は戦争に行った女と非難される。
    読むに堪えない箇所に、何度か読み進めるのを躊躇したが、それは戦争の本来の残酷な姿を真摯に書いているからこそだ。だから多くの人に読まれるべき本だと思う。
    夫を戦争で亡くした女性が、帰ってきたら大切にしたのにと語っていたのを読んで、日々感謝して夫を大切にしなければと

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    2023年10月31日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    第二次世界大戦時に子どもだったベラルーシの人々の記録。あの戦争でベラルーシは全人口の四分の一を失った。

    ドイツ軍が金髪碧眼の子どもを誘拐して、血液を採取する話がたくさん出てくる。
    子どもを何かの実験に利用したのかと最初は思ったけど、もしかしたら軍人たちのための献血を強制的にさせていたのかもしれない。その血液採取のために、大勢の子どもたちが亡くなったようだ。

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    2023年02月08日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    本の存在意義をしみじみ感じています。
    女性なら誰もが手にとって読んでみてほしい。思い知ってほしいです。戦争は女の顔をしていないということを。

    名著だからと手に取りましたが、とても分厚く内容も重く読み進めるのに時間がかかりました。でも1/4も過ぎた頃でしょうか、この本の意義、この本を読む行為の重要性を自分なりに理解し、胸が震え、本の読み始めの時とは変わって、ページをめくる手が止まらずエピソードを自分の中に蓄積していくかのような不思議な感覚になってきます。読んでも読んでも救われることはなく地獄という一言で片付けられることもないような悪夢のようなひどい現実を知り、時にあまりの衝撃で開いた口が塞がら

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    2024年12月25日
  • ボタン穴から見た戦争 白ロシアの子供たちの証言

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    ネタバレ

    独ソ戦争について全く知らなかった自分を恥じた。戦争の犠牲になるのはいつだって子供である、と心のどこかで主張してきたが、何も理解できていなかった、読み終わった今でも理解できていないと思う。
    ユダヤ人の少年と行動を共にしていた子の話が印象に残っている。

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    2021年08月24日
  • 戦争は女の顔をしていない

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    500ページ弱。分厚さを感じますが、事の一端と思うと恐ろしい。書の作成と翻訳、出版に感謝です。
    平和って大事ですね⋯

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    2025年06月27日