三浦みどりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
苛烈で残酷な独ソ戦に従軍したソ連の女性たちによる、貴重な証言をまとめた作品。
祖国を守るため、軍に志願した10代の女性たち。
長かった髪は切られ、男子のような風貌になっても、待ち時間には刺繍をしたり、時には軍用品をかき集めてワンピースを作ったり、詩を朗読したり。
寒さと飢えが蔓延り、弾丸が飛び交う戦場で血みどろになっても、女は女を捨てられない。
従軍していた女性たちは戦後同性からは侮蔑され、共に戦場で戦った男たちもまた、彼女たちを守ろうとはしなかったという。
従軍の過去を隠し、何十年も沈黙を強いられた女性たちの記憶を書き残した著者の功績を称えたい。
とにかく、戦争は惨い。
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Posted by ブクログ
ネタバレ半分まで読んで、辛くなって抜け出せなくなりそうになりやめてしまった。
もうしわけない。ただ、伝えられるべき資料であることに間違いない。
戦争に出たソ連の女たちは、そこでは英雄と称えられたのに、その過去をひた隠しにしないと戦後の社会で受け入れられず生きていけない。強くあることを求めた国や、男たちは、戦後は、血や戦いなど知らない女らしく可愛く綺麗である清楚であることを望む。理不尽な世界。
内容で印象に残ったのは、手紙を書いてくれる宛もない兵隊たちに毎日何十通も手紙を書いていたという話。「私はあなたの知らない女の子です。兵隊さん、勝利して戻ってきてくれるのはいつですか?」そうやって、私たちは戦ったり辛い思いをする誰かに愛情を注げる生き物なのかもしれない。
ベラルーシ出身の作者は、ベラルーシ自体からこの本を書いたことを非難されながらも、書き残した。残さなければいけないと、500人以上の話を聞き、それをかきとめた。やっと与えられた賞がノーベル文学賞。彼女にとって、これは努力が報われたって思ったことだったのか。国から疎まれ、送った原稿が大幅に消されて戻ってきても、繰り返し生の声を届けようとした彼女は美しい。 -
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ネタバレ・それについて書いたものはさらに多い。しかし、書いていたのは男たちだ。わたしたちが戦争について知っていることは全て「男の言葉」で語られていた。わたしたちは「男の」戦争観、男の感覚にとらわれている。男の言葉の。女たちは黙っている。わたしをのぞいてだれもおばあちゃんやおかあさんたちにあれこれ問いただした者はいなかった。
・戦争の映画で色つきなんてありうる? 戦争はなんでも真っ黒よ。血だけが別の色……血だけが赤いの。
・老人は死を恐れるもの、若者は笑えるんです……若い人って自分は不死身だと思ってる。私は、自分が死ぬなんて信じられなかった……
・せめて一日でいいから戦争のない日を過ごしたい。戦争のことを思い出さない日を。せめて一日でいいから。
・戦争が終わったけれど、私のお父さんは決して戻って来ないんだ。戦争は終わったのに……
・ときどき泣きたくなる……でも、泣けない…… 戦争で全て忘れてしまいました。かつての自分らしい生活を。何もかも。
・死を手なずけることはできません……そう……死には慣れなかった。
・もし、戦争で恋に落ちなかったら、私は生き延びられなかったでしょう。恋の気持ちが救ってくれていました、私を救ってくれたのは恋です。
・一緒に殺してほしい。一発で一度に。死ぬ時はふたり一緒、生き延びるのも一緒と考えていたの。私たちの恋って、明日はない、今があるだけ。
戦争を繰り返してはいけない。
戦争は不幸なことしか生まれないことがさらに分かった。 -
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ソ連で第二次世界大戦を生きた子供達をインタビューした本。
戦争は誰が起こしたのか、と一言で言えるものではないが、少なくとも子供達は完全に巻き込まれた被害者であることは間違いない。
そんな子供達の視点だからこそ、戦争の悲惨さがわかる。
自分は良い大人だが、勇ましくもなんともないので、祖国のために戦った女達より、ただひたすら運命に流された子供達の方が共感し、戦争の恐怖を感じた。
ソ連で第二次世界大戦を生きた女達を書いた「戦争は女の顔をしていない」は、戦後の「戦争に参加した女性に対する社会の扱い」「大祖国戦争という祖国を守った誇らしい戦争であり悲惨さより栄光を伝える社会」など問題点にも焦点があたっていたが、こちらは戦争の悲劇が主な焦点だと思える。 -
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ロシアのウクライナ侵攻を機に、なぜか読みたくなった ※エピソードからのセリフ引用あり
一ヶ月前に、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。
ロシアやソビエトの歴史をまったく知らず、何がどうしてこんなことになってしまったのか。それを知るために何か参考になる本はないものかと色々探した。
この本は私の希望に沿ったものではなかったけれども、どうしても目が話せなかった。読まないといけない気がした。
読んでいて、広島の平和記念公園を訪れた時と同じ気持ちを感じた。目を背けたくなるような戦時の話。狙撃手、機関士、医師、洗濯係など、あらゆるところに女性がいた。戦っている女性がいて、待っている女性がいて、戦争が終わったら隠そうとする女性がいて、まだ戦争は終わってないのだと思った。
「戦争が終わるまで生き延びられたら、戦争のあとの人々はどんなに幸せな人たちだろう!どんなにすばらしい生活が始まるんだろう!」と思っていた方のエピソードを読んで、まだ一つ戦争が始まったことがとても悔しくなった。 -
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第二次世界大戦下のソ連で戦争に行った女性たちのインタビューの記録集。
まず驚いたのは、こんなにも多くの女性たちが前線で戦っていた事。それも、一様に自ら強く志願して。男性陣に断られてもしつこく頼んでいた事。
それから、戦争中の食糧のなさは日本だけではなく、戦勝国のソ連も同じだった事。
そして、ウクライナがずっと悲惨な状況下にあった事。
この本を読むまでは、なぜウクライナは、ロシアを刺激するとわかっているのにわざわざNATOに加盟したいと言ったのか謎だった。この歴史を知りウクライナに対しての見方が変わった。
読み応えのある本。
真実なので仕方ないが、残酷な描写が数多く出てくる。反戦の気持ちは新たになるが、少し覚悟して読んだ方がいいかも。重い気持ちになります。