ドメニックスタンズベリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読者を遠くの世界に連れてゆく小説としては、とても成功している。セレブな世界。ローマ。教会という権威。マフィアという組織。アメリカ西海岸のプライベート・ビーチ。華麗な休暇。豪奢なディナー。一流の酒。
そういった世界に這い上がるギャッツビーみたいな世界は、アメリカン・ドリームと言われ、いくつもの物語を生み出してきた。たいていはのし上がって逆転してゆく物語と、そしてなぜか必ず幕を引くときには、破滅。
破滅の物語。ノワール。なぜかどんなに上り調子であろうと、そのままで終わろうはずがない、との予感はある。これは重ねられた罪の物語なのか。それは己の罪なのか? 他人の罪なのか? 不安定極まりない土