定野司のレビュー一覧
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いかにして関係者との調整を進めるか。おおよそ組織で働く人はいつかはこの課題にぶち当たる。
本書は公務員向けに記述された本ではあるものの、「調整」をいかにして進めるかという点に付いては誰に対しても有用である。
特に、以下の点は民間企業でも同じである。
・交渉に必要なのは説得だが、調整に必要なのは共感
・交渉相手は敵ではなく味方
・調整とは、このラインを下回らないように、利益と譲歩を交換すること
・調整とは、最善策は必ず見るかるという信念をもち、付加価値の高い選択肢をたくさん見つけること
・順番を間違えると、顔をつぶしてしまうことがある。
また、危機管理において「事実を公開して一時的にダメ -
Posted by ブクログ
予算の要求側、査定・編成側(財政課)が抱える予算にまつわる課題や悩みについて、自治体財政のプロの「財オタ」5人が解決に向けた考え方を解説。
予算要求や予算査定に当たっての有益な知見がいろいろ書かれており、第3章の枠配分予算の考え方の解説もわかりやすかった。
ただ、あまり内容が体系だっておらず、つまみ食いのような内容で、タイトルのように「異動1年目」の人が予算要求や予算査定の実務を学ぶというのには適していないように感じた。予算実務を何年か経験した人向きのように思う。また、対象者が曖昧で、予算要求側、予算査定側のどちらに軸足を置いているのかよくわからなかった。 -
Posted by ブクログ
自治体における①組織内(庁内)における調整、②議会との調整、③地域との調整、④国や他自治体などの関係機関との調整という調整をめぐる4つの場面に対処するための「調整術」を解説。
自治体における「調整」は、仕事のスキルとして極めて重要でありながら、それに着眼した指南本はこれまでにあまりなかったと思われるので、本書は貴重な一冊である。「調整の原則」や「調整の基本テクニック」など、調整に当たって参考になる内容だと思われる。
ただ、著者は最初に「調整」と「交渉」は違うと言明しているが、紹介される調整術は、「Win-Winの原則」や「問題分離の原則」をはじめ、交渉術として有名な内容が多いように感じた。また