AIを「心の壁打ち相手」にする、新しいセルフケアの教科書
【きっかけ・概要】 登録者70万人超の人気精神科医YouTuber・益田先生の新刊ということで手に取りました。 ChatGPTやGeminiなどの生成AIを、仕事効率化ではなく「メンタルケア」や「自己理解」のためにどう活用するか?というテーマを、精神医学の専門家の視点から解説した一冊です。
【感想】 単なる「AI便利術」の本かと思いきや、中身はかなり本格的な精神療法の入門書でもありました。 認知行動療法や精神分析、オープンダイアローグといった専門的な手法を、AI相手にどう実践するか、具体的なプロンプト(指示文)付きで解説されているのが非常に実用的です。
特に面白かったのは「中級編」の自分史作りとパーソナル哲学のパート。 「AIに質問させて、それに答えることで自分を知る」という逆転の発想は目からウロコでした。人間相手だと話しにくい過去や悩みも、AI相手なら気兼ねなく吐き出せるし、感情的にならずに整理してくれる安心感があります。
一方で、第5章で「AI依存」や「AI誘発性精神病」のリスクについてもしっかりページを割いて警鐘を鳴らしている点に、臨床医としての誠実さを感じました。「AIはあくまでツールであり、決断するのは自分」というスタンスが一貫しています。
【おすすめポイント】
具体的なプロンプトが豊富:コピペしてすぐに試せる形式になっているので、読んですぐ実践できます。
バランス感覚が良い:AIのメリットだけでなく、リスクや限界(「AIは責任を取ってくれない」など)も明記されています。
幅広い層に役立つ:メンタル不調がある人はもちろん、自己分析を深めたい人や、対人関係の練習をしたい人にもおすすめです。
【まとめ】 深夜や休日でも、いつでも話を聞いてくれる「自分専属のセラピスト」をポケットに持てるような心強さを感じました。 AI時代における「心の処方箋」として、手元に置いておきたい一冊です。