中公新書編集部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本史の最新事情に基づく論点を網羅した本。
通説ではない見方は、あらためて新鮮。
歴史に関しては、基本書として教科書があるが、むしろ教科書よりもこうした論点解説や読書案内が適当なのではないだろうか、と考え読み始めた。時代ごとの概要が最初に書いてあり、ちょうど良い分量で日本史全体をたどることができるのはかなり重宝することがわかった。
各章は、それぞれの専門家によって書かれている。
ただ、あとからサブタイトルをつけたのか、論点が必ずしも論点になっていなかったりする。専門家がなぜそれを論点とするのかがもっとはっきり書かれているともっとよかった。
古代
邪馬台国はどこにあったのか
大王はどこまで -
Posted by ブクログ
中公新書2500点を記念して出版された一冊。古代、中世から現代まで、5人の専門家が最新の学説を踏まえ論述されています。
いつの間にか鎌倉幕府は1192年ではなく、「戦国大名」は「地域勢力」と呼ばれるなど、知識のアップデートの大切さを再認識しました。
江戸時代に関する指摘は、特に示唆に富みます。
従来の「江戸時代=封建制=農民は搾取される存在」は、マルクス・唯物史観。戦後の農地解放を進めるうえで、農村=封建制というフィクションを作る必要があった。江戸をはじめとする都市研究が進んだ現在では、農民の次男三男は都市にでて町民になるし、町民で豊かなものは侍株を買って侍になるし、逆に侍が嫌で俳諧師や医師 -
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本書は、古代(倉本一宏・国際日本文化研究センター教授)、中世(今谷明・帝京大学特任教授)、近世(大石学・東京学芸大学教授)、近代(清水唯一朗・慶応義塾大学教授)、現代(宮城大蔵・上智大学教授)のそれぞれについて、学会で注目されている最新テーマから歴史ファンが関心をもつ謎まで、29の論点について、それぞれの時代を研究する気鋭の研究者が解説している。
取り上げられているのは、どれも日本史を考える上で興味深い論点ばかりで、日本史好きにはたまらない一冊である。これを読めば、日本史を古代から現代まで、一通り振り返りつつ、最新の学説についても理解を深められる。
一方、こういうコンセプトの本の場合、自説は控 -
Posted by ブクログ
古代、中世、近世、近代、現代と日本史を5つに分け、各時代ごとに第一線の学者が執筆。
各時代5~7の論点で「邪馬台国はどこにあったのか」「元寇勝利の理由は神風なのか」「明治維新は江戸の否定か、江戸の達成か」「戦争は日本に何をもたらしたか」「戦後日本はなぜ高度成長できたのか」などツボを得た興味を引く題目だ。一項目6~10ページ位で最新研究も紹介しつつ自説を述べている。短いのでとても読みやすい。関心のある論点、あるいは時代のみ読んでもいい。
近世は歴史ドラマの時代考証などで名前がでる大石学氏。
「大名や旗本は封建領主か、それとも官僚か」では、大名は江戸生まれ江戸育ちで、国元は国家老がとりしきり -
Posted by ブクログ
日本史の中で、識者によって意見が分かれている点などを、古代から現代までに分類し、それぞれの専門家が章ごとに執筆してい
ます。確かに面白い論点ばかりで興味深く読ませてもらいました。
特に近世以降は、現代につながる日本の特性が徐々に表れてきて、歴史の連続性・継続性を再認識しました。
<目次>
第1章 古代(邪馬台国はどこにあったのか
大王はどこまでたどれるか ほか)
第2章 中世(中世はいつ始まったか
鎌倉幕府はどのように成立したか ほか)
第3章 近世(大名や旗本は封建領主か、それとも官僚か
江戸時代の首都は京都か、江戸か ほか)
第4章 近代(明治維新は革命だったのか
なぜ官僚主導の近代 -
Posted by ブクログ
古代から現代まで、それぞれの時代の専門家によって、その時代の論点を上げて書かれています。論点に絞って歴史を学び直すことで、よりその時代を知ることができると思います。著者の重要と思われる点について書かれているのであって、いわゆる「日本史の謎」というものについて書かれたものではありません。世間や自分で思っていた歴史が、それを学んだときから時間がたって、実は違う発見があり、今はまた違う事実になっているということを知ることは重要だと思います。思い込みというものについて客観的にみる訓練にもなるのではないかと。
長い広大な歴史を1冊にて論じるという無茶なことをするなあと、期待せずに読み始めましたが、ピンポ -
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