渡辺丘のレビュー一覧

  • パレスチナを生きる

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    2015〜2019年に朝日新聞のエルサレム支局に赴任していた著者が、パレスチナに生きる(多くは一般市民の)人々の姿を綴った本。半年ほど前から続く、ハマス、イスラエル双方による攻撃を機に、パレスチナのことを知りたくなり手に取ってみた。

    ガザ地区では、一般市民が非暴力の抗議行動を取っただけで(あるいは看護師が救護担当としてその場にいただけで)、イスラエル兵に狙撃され、命を落としたり、大怪我を負う。

    ヨルダン川西岸地区では、イスラエル人の入植が続き、農地を奪われたり、家を壁で囲まれたりする。

    解決策はパレスチナ国家を樹立し二国が共存するしかないものの、イスラエルには現政権含め右派が多く(共存、

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    2024年04月09日
  • ルポ アメリカの核戦力 「核なき世界」はなぜ実現しないのか

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    「核による抑止力」ってどこまで信用できるんだろうか。
    そのために膨大な予算を割き、さまざまな健康被害をおこしてまで。人間の愚かさには歯止めがかからない。
    核廃絶は理想論にしか過ぎないけど、理想を求めるのが理性的な人間の行為として尊ばれる。現実には生まれてしまったものは無かったことにはできない。
    事実として、核保有国が侵略されたり攻撃された例はない。さらに言えば、ウクライナにも核弾頭はあった。それを撤去して今日に至っている。

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    2023年04月16日
  • ルポ アメリカの核戦力 「核なき世界」はなぜ実現しないのか

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    ネタバレ

    アメリカの核兵器の「今」を、人・街レベルの現場である「下流」から、政策決定を行う「上流」まで丹念に取材しつつ、新書ならではのコンパクトさでまとめた一冊。

    冷戦期からの製造でどんどん古くなっており、人が扱う以上は誤りが起こる懸念(いや、ヒヤリハット案件は日本付近も含めて起こってきた)も内包し続けている核兵器。
    一方で、核軍縮の国際交渉は遅々として進まず、「核なき世界」をうたったオバマ政権すら、「数は減らしながら質を更新する」という手法をとった上で、軍縮の理念の本質に踏み込むことはなかった。その背景には、核兵器をめぐる政治経済的利権(軍に依存する地域経済も含む)、そして「同盟国」の懸念も横たわる

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    2023年02月27日
  • パレスチナを生きる

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    渡辺丘(1979年~)氏は、朝日新聞記者で、2015年1月~2019年3月にエルサレム支局長を務め、現在はアメリカ総局勤務。
    本書は、著者の4年余りのエルサレム駐在時の取材をもとに、現代のパレスチナ(及びイスラエル)を生きる人びとの等身大の姿を、ルポルタージュとして記したものである。
    具体的には、2018年3月からガザ地区のイスラエルとの境界付近で続いたパレスチナ難民の帰還を求める大規模な抗議デモの参加者やその家族の様子、ガザ地区に住むパレスチナの将来を担う子どもや若者の姿、聖地エルサレムの現状、イスラエルによる支配が静かに進むヨルダン川西岸地区の様子、パレスチナ人を巡るイスラエル社会の現状、

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    2020年02月15日
  • ルポ アメリカの核戦力 「核なき世界」はなぜ実現しないのか

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    アメリカでは核兵器がどのように運用され、今後どのように管理しようとしているのか、核兵器を運用する現場への取材をまとめた1冊。進まない核軍縮と核兵器運用の問題点を新書サイズでコンパクトにまとめてあります。
    アメリカの核は、ICBM(大陸間弾道弾)、戦略爆撃機、戦略ミサイル潜水艦の3本柱で構成されており、本書前半はそれぞれの現場への取材で構成されています。
    運用の問題点は「老巧化」です。核兵器と言うと最新技術の塊のような印象を受けますが、本書によると実情はまったく異なります。核兵器の多くが米ソ冷戦時代に整備されたものが大半であるため、実践配備から既に40年以上が経過しています。戦略爆撃機の主力機B

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    2023年05月17日
  • パレスチナを生きる

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    空爆下にあるパレスチナの現実。彼らの日々の暮らしがとても鮮明に記録されていて胸が痛む。パレスチナ問題はただの宗教的戦争でも土地の奪い合いでもなく、政治や様々な要素の絡み合った難しい問題だ。だからこそ、遠い国の問題だと後回しにするのではなく、きちんと向き合わなければならない現実でもある。国際社会に生きる者として、目を背けてはいられない問題だと、改めて感じた。

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    2019年12月18日