竹山博英のレビュー一覧

  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    かれらは人間ではない。

    そこには一日に何万も
    の人間を焼く焼却炉が
    あった。

    三才の少女エミーリア
    が、

    好奇心に溢れ朗らかで
    見えっぱりで頭のよい
    少女が、

    一顧だにされずガス室
    に送られて、

    呆気なく殺されていく。

    活発な少女の姿が幼き
    日の娘の面影と重なり、
    胸が塞がりました。

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  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    アウシュビッツの記録として「夜と霧」という映画があり、それを観た後で呼んだので、内容が勝手に脳内で映像化されて、メンタルにきつかった。気軽が気持ちで読んじゃダメなやつだった。著者の方が自殺されたことを知って、さらに追い打ち…
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    人間の生死を他人が勝手に決めて殺していく状況に心の底からおぞましさを感じた。「選別」によって死を決定された者の描写があまりにも苦しかった。
    ろくに栄養もなく、体力がなく、ものを正常に考えられない状況で、自分の死を宣告される。著者は、あまりにも疲れ切っていて、絶望などという感情も感じなくなったと記述し...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    タイトルの「これが人間か」が疑問の投げかけなのか、納得の言葉なのか。

    アウシュヴィッツ生還者(こういう表現が適切か不明だが)のレーヴィが感情を極力抑えて、一種の記録資料として後世のために書いた作品。思い出すだけで血が凍るという表現が文中にあるように、彼がどれだけの苦しみを味わいながら本書を完成させ...続きを読む
  • キリストはエボリで止まった
    反ファシズムで流刑された寒村から
    国家の憂いを綴ったルポルタージュ小説

    印象深いタイトルは、農民の慰めえない劣等感や救済されない苦痛を揶揄している

    政治のリアリズムと民俗学の偶像的表現のアンバランスが、何とも作品を魅力的にしていた
  • 溺れるものと救われるもの
    「これが人間か」から約40年を経て、改めてアウシュビッツでの体験を描くもの。本書刊行後、著者は一年ほどで自死を選ぶのですが、彼を苦しめたものの内実はいったいなんであったのでしょうか。
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    アウシュビッツを生き延び、イタリアに帰還した後、自らの体験を書き留めた著者による主著。
    完全版として翻訳された本書は、読む者の魂を揺さぶるに違いないです。
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    著者が強制収容所から生還した経験を書いたノンフィクション。過酷すぎる飢えや労働、伝染病の蔓延する劣悪な環境で、名前もアイデンティティも奪われ、人間が人間で無くなっていく様子がよくわかる。強制収容所は世界中にあれど、ナチスが他と違うのは抹殺を目的にしたところだそう。ひとつの民族を根絶やしにするなんて愚...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    ここ数年の世界情勢の変化のなかで、全体主義がわたしのテーマの一つとなっていて、全体主義を考えるときの基本文献の一つともいえるのがプリーモ・レーヴィの「これが人間か」。

    読む必要は感じつつも、アウシュビッツの記録を読むのはつらい。数年前に頑張って、フランクルの「夜と霧」を読んだのだが、なかなかそれ以...続きを読む
  • 溺れるものと救われるもの
    著者がアウシュヴィッツ体験を晩年に再整理。灰色の領域という概念を提唱し、加害者と被害者、迫害者と犠牲者、善人と悪人などと簡単に区別できないことを訴えかける...。
    「大量虐殺は特に西洋世界、日本、そしてソビエト(ママ)では不可能だと思える」と述べているが、一度起こったことは二度三度と起こる可能性があ...続きを読む
  • 溺れるものと救われるもの
    プリーモ・レーヴィ(1919~1987年)は、ユダヤ系イタリア人の化学者・作家。
    レーヴィは、トリノに生まれ、第二次世界大戦中、ナチスに対するレジスタンス活動を行ったが、1943年12月にイタリア・アルプスの山中で捕らえられ、アウシュヴィッツ収容所に送られた。1945年1月にアウシュヴィッツが解放さ...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    プリーモ・レーヴィ(1919~1987年)は、ユダヤ系イタリア人の化学者・作家。
    レーヴィは、トリノに生まれ、第二次世界大戦中、ナチスに対するレジスタンス活動を行ったが、1943年12月にイタリア・アルプスの山中で捕らえられ、アウシュヴィッツ収容所に送られた。1945年1月にアウシュヴィッツが解放さ...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    強制収容所での体験談を読むのはこれが初めてだと思う。一人の体験談として読んでやっと実感が湧いてきたというか、移送の段階を含めて収容されていた人たちが何を思っていたのかとかが今までは自分の想像力を超えていた。
    2011年にアウシュビッツ・ビルケナウ収容所を見てきたけど、あそこからは数キロ離れたところに...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    最初にタイトルから連想したのは、強制収容所に入った人間の外見の変化だった。木の枝みたいに痩せて、目がガラス玉のようになって、まるで人間じゃないみたいだ、という意味かと思っていた。(「物みたいに扱われるうちに人間の尊厳を失う」というのは著者も言っているけど)
    でも、そうではなかった。極限の状況を生き延...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    用語の解説などを読みながらじっくり読みました。収容所には色んな人種がでてきた。ユダヤ人だけでなく政治犯とか捕虜とかもでてきました。
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    私はまだまだ知らない物事が多すぎるな、と痛感した。
    そのあまりの壮絶さに圧倒されながら長い時間をかけて読み終わり、訳者解説で筆者が自死で最期を遂げていることを知って愕然とした。
    いつかまた読み返すと思う。
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    アウシュヴィッツは終らないの 改訂完全版ということですが
    その本は読んだ事がありませんが
    アウシュヴィッツから 生還した 著者が書いた本というので 読んでみました。

    ラーゲルと いう 言葉を 見ると
    シベリア抑留についての内容を思い出しましたが
    かなり似ています。
    劣悪な状況の中 著者はどうして ...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    人間の本性が見える
    アウシュビッツに収容された著者が書いた本。
    会話文も多く、実際のアウシュビッツがどのような場所だったのかを直に感じられる。
    極限状態の人間はどのように行動するのかが少し分かる。
    非常に生々しい描写が多いため、ある程度覚悟して読むと良い。
    ホロコーストを言葉としてしか知らない人がそ...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    アウシュヴィッツ強制収容所から生還した著者が解放後すぐに執筆に取りかかり出版した収容所の記録。淡々とした筆致はそこで起こったことを、それ以上でも以下でもなく、怒りが荒ぶることもなく克明に後に残している。あの場所を生きた人にしか書けない本だった。

    読むのがとても困難だった。次々いろんな人たちが入れ替...続きを読む
  • 改訂完全版 アウシュヴィッツは終わらない これが人間か
    1919年にトリーノに生まれた作者は44年2月アウシュビッツ強制収容所に抑留。45年1月ソ連軍に解放され、同年10月イタリア帰還。

    実話。

    ナチ統治下のドイツ地図があり主要収容所および抹殺収容所の場所が点在していてその数の多さに驚かされる。

    ユダヤ系のイタリア国民だというだけで生きる権利を奪わ...続きを読む