迫田さやかのレビュー一覧
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夫婦格差社会(橘木俊詞・迫田さやか)
『夫の収入が高ければ妻は専業主婦となり、夫の収入が低ければ妻が働き出す。』この効果によって、夫婦間(とこの本では言っているが世帯間のことと思われる。)の格差が平準化されるという『ダグラス・有沢の第二法則』。この法則が、夫の収入と無関係に働くようになった妻の影響(男女間の不平等の是正、女性の社会進出などによる)で崩れつつあることを指摘。コレによって世帯収入の二極化(パワーカップルとウィークカップル)が進み、格差が広まっていることを豊富な事例で紹介する本。
アマレビュでも書いてる人がいたが、そりゃせやろなという内容がほとんどだった。
新鮮だったことも何点か。
学歴と離婚率が我が国では負の相関があるとのこと。(もちろん因果関係ではない。)ノルウエーやイタリアでは正の相関があるらしい。シンプルに考えると学歴が高いほど自立能力が高いので離婚率は上がりそうなものだが。
高学歴の人は計画的に結婚するのと、低学歴だと金銭トラブルが生じやすいことが関係しているのだろうか。ここはまだ、分かっていないらしい。
あと、1960年代くらいまでは『跡継ぎ』思考も相まって、離婚後の親権が夫婦どちらに行くかは半々だったらしい。近年では周知の通り8〜9割母親。
離別した父親から養育費をもらっている割合はなんと19.7%。
日本で母子家庭が貧困層なのは上記の理由とともに、そもそもの離婚率が貧困層に多いという事実が効いている。
意外だが、都市部ほどダグラス・有原のM字カーブ(女性の年齢と就業率の相関)が顕著で地方ほど平坦らしい。これは地方が平均収入低いので共働きじゃないとやってられないからかもしれないと。地域格差はあるものの、全体としては平坦化しているというのがこの本の主張。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」(フランスの劇作家、アルマン・サラクルー)。ロシアでは6~8割、アメリカでは5割、日本でも3組に1組が離婚する。その離婚について、国際的な比較、日本の離婚の歴史、不倫や離婚・養育費・再婚の実態を解説しながら、橘木氏のフィールドである「格差」に問題をひきつけ、ひとり親、とりわけシングルマザーの相対的貧困率・格差の問題状況を抉る。政府が2002年から進めている「福祉から就業へ。経済支援の負担割合を減らし、就業支援を拡充」の施策が、思うような結果を出しておらず、見直しが必要であることを力説。
先日の参院予算委員会の参考人招致で、政府諮問委員の慶応大教授竹森俊平氏が、スコットランドの哲学者トマス・リードの「鎖の強さは一番弱いつなぎ目で決まる。鎖は弱いところから切れる」という言葉を紹介され、新型コロナ対策は、日本の社会全体を維持していくためにも、社会の弱い部分への対応を進めなければならないと主張されていた。諸外国の対策を見ても、「ベーシックインカム」のように、国民に直接支援する流れが強くなってきている。日本も、政府の意図はともかく、その流れが以前にはなく出つつあるように感じる。こういう時だからこそ、この機を契機に、政策転換進め、社会全体を強くしていく視点での施策を期待。
離婚を格差の視点で見つめなおすのに好著。 -
Posted by ブクログ
夫婦をめぐる格差を論じた本
格差を論じる切り口が新鮮でおもしろい。パワーカップルとウィークカップル。
女性が働く環境は、欧米に比べてまだ整っていないといわれるが、日本においても女性の社会進出が加速的に進行している。
その中で、稼ぐ女性が出現している。例えば、女性医師、一昔前では、10%前後にすぎなかった女性医師は、今や20%前後。法曹にしても、女性研究者の割合にしても同様に増えている。
この本で興味を持ったのは、収入の高い女性が、結婚相手に選ぶどのような男性を選ぶのかということ。
例えば、男性医師の配偶者の職業は、
医師22.9%、医療従事者36.5%、その他38.8%
に対し
女性医師の配偶者の職業は
医師67.9%、医療従事者6.4%、その他25.0%
と圧倒的に同じ職業の意思を選ぶ割合が多い。
理由は様々なものがあるが、男性の理解を得られるかどうかが大きく、同じ職業を選ぶのだろう。
1人が稼ぐ収入よりも、2人で稼ぐ収入の方が多いのはあたりまえ。
人それぞれの価値観は違うので、収入の面だけ見ても幸せとは限らないが、
収入に関して言えば、稼ぐ男女のペアが増え、持てる者持たざる者の構図は一層加速してくのではないか。
そんなことを思わせる、格差本でした。
また、結婚とは何か。愛情が芽生えることが結婚のきっかけと信じられているが、学説として「相補説」「類似説」がある。お互いの違う点を補完できるような組み合わせか、資質の似た者同士の夫婦がうまくいくなど。 離婚の調停の種類なども。
普段は手に取って読まない内容が入っていたので新鮮でした。