國弘正雄のレビュー一覧
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【今日の複雑かつ密接な国際関係下におけるより深刻な問題は、彼らが日本人であることを意識しすぎている点にこそあるので、日本人らしさの不足にあるのではない】(文中より引用)
東京に生まれ、歴史学者、そして駐日アメリカ大使としても日米関係の深化に努めたエドウィン・O・ライシャワー。そんな日本研究の第一人者がライフワークとした日本論にして日本人論です。訳者は、同時通訳者として活躍された國弘正雄。原題は、『The Japanese』。
40年以上前に執筆されたとは思えないほどに現代性・今日性を残した記述となっている点がまず驚き。時の経過に耐える古典としての堂々たる風格を備えた一冊だと思います。日本論 -
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日本人とはいかなる存在か?
おそらく日本人ほどこの問いに熱心な民族はいないでしょうが、そんな問いに対し答えのひとつをくれる一冊でしょう。
本書は元駐日大使であり歴史学者でもあるエドウィン・O・ライシャワー氏のライフワークとしてまとめられた日本論、日本人論です。
初版は1979年であり当時ベストセラーとなったようですが、今読んでも全く色あせない、日本や世界に対する幅広い知識と深い洞察には思わず舌を巻きます。
今日の日本の実相を伝えたいとあるように、主に70年代の社会、経済、政治などについて述べられており、それらの把握のために国土や歴史的背景についても冒頭にまとめられています。元々外国人向け -
Posted by ブクログ
ライシャワーさんは、1961~1966まで、駐日アメリカ合衆国大使だった人。
日本滞在時期は「一枝の桜」のオフチンニコフさんとほぼ重なっている。
ソ連視点との違いを知りたいなら「一枝の桜」と読み比べるのがいいかも知れない。
戦前の日本人論であるベネディクトさんの「菊と刀」から30年以上経ち、戦後の高度成長中の日本を論じているので日本社会の変化も読み取れる。
「菊と刀」が哲学的で抽象的要素が多いのに対し、本書は具体的な事実を基にしたノンフィクションであり理解しやすい。
今は1975年から50年も経っているのに、日本はあまり変わっていないと感じる部分が多かった。
エネルギー政策やコロナ対応など「 -
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Posted by ブクログ
書店に平積みされてた700頁の文庫本。著者はエドウィン・O・ライシャワー博士、訳は國弘正雄さん。令和元年10月25日初版を確認し、即買した。
もともと1979年に外国人を対象にした著書で、アメリカではベストセラーになったとのこと。「歴史的背景」「社会」「政治」「世界の中の日本」の各項で驚くべき分析が明快かつ格調高い文章でなされている。もちろん、発刊後40年経った令和の「日本」が変貌した点はある(「大衆文化」「婦人」「政党」など)。しかしそれ以上に変わらぬ「日本」があり、我々「ジャパニーズ」が忘れてはならない生き方が指摘されている。即買してよかった。