土田陽介のレビュー一覧

  • 基軸通貨 ――ドルと円のゆくえを問いなおす

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    展開されるのはオーソドックスな議論だが、「〜なわけがない」「限りなくゼロに近い」などとやたらに断定口調なのが目に付く。あとがきを読むと緩和論者などに対する著者の憤りがうかがえ、その口吻にも納得するわけだが、ドルの覇権も盤石ではないとすると、取って代わるのはどの国なのか。行間に目を凝らしてもなかなか浮かび上がってこなかった。

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    2025年06月20日
  • 基軸通貨 ――ドルと円のゆくえを問いなおす

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    2025/01/22「基軸通貨」土田陽介☆
    「基軸通貨」は単に通貨や金融・経済の問題に留まらず「世界の覇権」と一体のものなので、著者も言うとおり「消化未了」の感はあるが取り組む姿勢は「了」としたい。
    1.当面、「米ドル基軸通貨体制は堅持される」。ただし米国の経済運営が過度な財政拡張を続ける中で、その地位は着実に低下していく。その結果、次に代替される「基軸通貨」は現在、見通せない。
    2.「日本円」の今後は大変厳しい。膨れ上がった「公的債務」は間違いなく将来を縛る。①財政拡張の先は財政破綻、円の暴落、そしてハイパーインフレである。そうならないためには②財政拡張を止めること。強烈な痛みが伴うがやむを

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    2025年01月22日
  • ドル化とは何か ──日本で米ドルが使われる日

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    著者の主張にはほぼ完全に同意。ただ、中央銀行の実質的な財政ファイナンスがここまで常態化し、さらに利上げや増税を単なるアンチ景気的なオペレーションと見做す昨今の近視眼的・ポピュリズム的世界では、本書の懸念に共感する政策立案者の出現など望むべくもないだろうなあ、先進国の経済がこのようなニーシェに落ち込むのはむしろ現在の衆愚的な民主主義制度の必然なのかも、とシニシズムに沈む思いがした。

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    2020年02月01日
  • 基軸通貨 ――ドルと円のゆくえを問いなおす

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    基軸通貨の視点で、過去からつい最近の経済の話が見えてくるので分かりやすく面白かった。
    多分10年後にはこの内容はもう古くなってるんだろうな…
    今の私が当に読みたい本でした♪

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    2025年10月18日
  • 基軸通貨 ――ドルと円のゆくえを問いなおす

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    ネタバレ

    16世紀から17世紀は、スペインのペソ(8レアル銀貨)が基軸通貨だった。銀の生産量が増えて暴落して信用力が低下。
    イギリスのソブリン金貨(1ポンド金貨)が基軸通貨になった。
    平価とは、金銀本位制の下、交換レートのこと。
    米ドルに変わる国際通貨を発行できる国が登場していない。
    金本位制は、管理通貨制度のメリットを失う。

    日本企業は、海外子会社に為替リスクを負わせないためにドル建てで取引する。輸出優先に考えると、相手先通貨で輸出した方が輸出しやすい。日本の加工貿易の名残。
    日本円は、キャリートレードの調達通貨となってしまった。
    ユーロの基になったのは最適通貨圏の理論だが、所得移転の機能を備えるこ

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    2024年12月20日
  • ドル化とは何か ──日本で米ドルが使われる日

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    通貨危機により、自国通貨が事実上、ドルにとって替わられているトルコやアルゼンチン。いずれの国も経済発展が阻まれ国力を衰退させている。日本は現在、先進国で最悪の財政状況となっており、日銀による非常に強力な金融緩和でそれを維持している。ただ、これは、本来なら通貨危機にもつながる財政ファイナンスに限りなく近い性格を持っている。日本の円の信認もかなり危うい状況にあるといってよい。日本でもドル化がその足音を潜め静かに忍び寄ってきている。日本の経済運営の再考が求められている。

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    2020年05月24日