【感想・ネタバレ】ドル化とは何か ──日本で米ドルが使われる日のレビュー

あらすじ

ドル化とは、日々の経済活動において、国内通貨のみならず米ドルなど信用力が高い外国通貨が使われる経済現象である。財政破綻を迎えた新興国においてその動きが顕著だが、いまや先進国最悪の財政を抱える日本でも、人々が資産防衛の為に預金を米ドルに交換し、日々の決済を米ドルで行う日がやってくるかもしれない。本書では歴史的なドル高の裏で世界的に進んだドル化の分析を通じて、日本で行われている経済運営の見直しを提言する。

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Posted by ブクログ

著者の主張にはほぼ完全に同意。ただ、中央銀行の実質的な財政ファイナンスがここまで常態化し、さらに利上げや増税を単なるアンチ景気的なオペレーションと見做す昨今の近視眼的・ポピュリズム的世界では、本書の懸念に共感する政策立案者の出現など望むべくもないだろうなあ、先進国の経済がこのようなニーシェに落ち込むのはむしろ現在の衆愚的な民主主義制度の必然なのかも、とシニシズムに沈む思いがした。

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2020年02月01日

Posted by ブクログ

通貨危機により、自国通貨が事実上、ドルにとって替わられているトルコやアルゼンチン。いずれの国も経済発展が阻まれ国力を衰退させている。日本は現在、先進国で最悪の財政状況となっており、日銀による非常に強力な金融緩和でそれを維持している。ただ、これは、本来なら通貨危機にもつながる財政ファイナンスに限りなく近い性格を持っている。日本の円の信認もかなり危うい状況にあるといってよい。日本でもドル化がその足音を潜め静かに忍び寄ってきている。日本の経済運営の再考が求められている。

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2020年05月24日

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