あらすじ
ドル化とは、日々の経済活動において、国内通貨のみならず米ドルなど信用力が高い外国通貨が使われる経済現象である。財政破綻を迎えた新興国においてその動きが顕著だが、いまや先進国最悪の財政を抱える日本でも、人々が資産防衛の為に預金を米ドルに交換し、日々の決済を米ドルで行う日がやってくるかもしれない。本書では歴史的なドル高の裏で世界的に進んだドル化の分析を通じて、日本で行われている経済運営の見直しを提言する。
...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント /
※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者の主張にはほぼ完全に同意。ただ、中央銀行の実質的な財政ファイナンスがここまで常態化し、さらに利上げや増税を単なるアンチ景気的なオペレーションと見做す昨今の近視眼的・ポピュリズム的世界では、本書の懸念に共感する政策立案者の出現など望むべくもないだろうなあ、先進国の経済がこのようなニーシェに落ち込むのはむしろ現在の衆愚的な民主主義制度の必然なのかも、とシニシズムに沈む思いがした。