松平誠のレビュー一覧

  • 東京のヤミ市

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    あるべきところにあるべきものがない敗戦直後の生活の中で、テキ屋のつくったヤミ市は、それ自身が法とはどこかで対決せざるを得ない運命を背負っていた。

    1940年代末、庶民の生活が少し落ち着きを取り戻し、物が市場に出回るようになると、ヤミ市は消えていかなければならない。そして、それが消えていく先には、1950年6月の朝鮮戦争が待っていた。”

    松平 誠 著 「東京のヤミ市」より抜粋。


    不思議なもので、かつて「ヤミ市」だった場所にはいくら時間が経っても拭いきれない泥臭さと胡散臭さが漂う。

    私は天邪鬼のせいか世の中のスマート化とクール化に逆行するように、そうした街に何故か惹かれてしまう。

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    2021年02月26日
  • 東京のヤミ市

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     江戸東京博物館の依頼を受けた著者が、新宿ヤミ市の模型復元に取り組んでからまとめられた著作。「ヤミ市の調査やデータって、不完全ながらもあるもんだな〜」と感心。話の中心は、新宿・池袋・新橋。これに上野・渋谷などが続く。新宿東口でいえば、現在の高野や中村屋の裏、武蔵野館周辺は、全てヤミ市のマーケットだった。また、今日隆盛極める「焼肉料理」の発端は、終戦直後のヤミ市にあるという指摘には、目から鱗が落ちた。(「在日の人びとが、第二次世界大戦後に、自分たちの家庭で食べていたお国ぶりの内臓料理を、そのままヤミ市へ持ち込んだのが、ホルモン料理を広めるもとになった」(172頁)。)服部之総が戦時中同じ獄舎に繋

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    2020年03月19日
  • 東京のヤミ市

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    ヤミ市についてよく情報を集めている。
    時空を超えて闇市の歴史が現在を作ってるところや、食い物がないと人間がどれだけカオスになるかがわかり面白い。
    現代の飽食が当たり前じゃないと謙虚にもなれる。

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    2024年07月26日
  • 東京のヤミ市

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    戦後のヤミ市の状況をデータや写真を使いながら説明。さらっと読んだだけだが、庶民の食べ物や買い物の様子がとてもよくわかる。物価、代替食、ヤミ市の場所など興味深かった。

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    2020年10月13日
  • 東京のヤミ市

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     昭和2年生まれの我が母は、『まあ姉ちゃん』のヤミ市場面見て「あのとおりだった」という。
     我が娘が小学生の頃、マジンガーZ「闇の帝王」なぜ漢字で書くのと問うた、「ヤミと書くと違法商売してるみたいだから」。GHQは「朝鮮人、中国人をできる限り解放国民として処遇」と通達。空襲や疎開移転で「空き地」となった駅前で露天営業を始めた人々がいた。餓死者続出の東京で「カネさえ出せば食える」
    場所。米軍の残飯に米を足した雑炊などもあった。   昭和21年2月「新円切替」3月「物価統制令」はあっても配給に遅配、欠配があり、まして酒は「配給ではビール年間1人1.4本」早く酔うためカストリ(米、芋などと麹を原料の

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    2025年09月28日
  • 東京のヤミ市

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    全く実情を知らなかった闇市について概要をつかむことが出来て良かった。思ったよりも短い期間だったのだと思った

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    2024年12月21日
  • 東京のヤミ市

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    資料・記録があまり残っていないようなので、その中ではかなりよく調査したのだと思うし、ある程度のことは知ることができた。ただ、やはり物足りなさがあるし、説明が曖昧な箇所があったり、構成が素人くさかったりして、講談社学術文庫を読んだあとに感じる充実感はない。

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    2020年05月05日