土居伸彰のレビュー一覧
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個人作家として監督デビュー。一人でPCでアニメを作った。
脚本と編集だけは、今もひとりで行う「巨大な個人製作」。
「彼女と彼女の猫」1999年 猫の視点からの女性の物語 テレビアニメ化
「ほしのこえ」2002年 SFロボットアニメ DVD10万枚以上売り上げ
「雲のむこう、約束の場所」2004年 集団制作長編SF
「秒速5センチメートル」2007年 現実の映像化 傷の治りを早くする絆創膏
「星を追う子ども」2011年 神道的世界観
「言の葉の庭」2013年 多チャンネル展開
「君の名は。」2016年
絵と言葉と音でリアリティ、動きではなく
PCにより、動かすことにコストがかからなくなっ -
Posted by ブクログ
新海誠をタイトルに冠しているが、作者は新海誠その人自身に焦点を当てたいわけではなく彼の作品を順にたどりながら、アニメーションというものの歴史も紐解きたい、という本。
タイトルだけ見て買うと、肩透かしを喰らうかもしれない。
しかし、読んでいくと新海誠の異質さみたいなものが論理的に理解できて面白いし、「君の名は」から「天気の子」への変貌やたくらみもわかって、個人的には満足した。
ちょっと前半が冗長であるのと、個人的なことかもしれないが、よくわからないアニメーターの名前が出て来る割にその人に対する解説的なものが不足していて、あとで「前にも言及したが」と書かれてもどれだかわからない、という事態が発生し -
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ネタバレ新海誠作品を見終わった後、感動とともになんとも言えない胸がワサワサする感じ、作者はこの現象を言葉を尽くして説明しようとします。
本書の具体的内容に入る前に、新海誠を現在の彼足らしめた功労者がいます。川口典孝は伊藤忠商事社員ですが、新海作品に惚れ込んだ彼は個人で億単位の借金をして新海誠の制作を支えました。「君の名は。」でタッグパートナーとなった東宝のプロデューサー川村元気もキーマンです。
以下は、本文中気になった言葉をピックアップした個人的メモです。
【秒速5センチメートル】
《三部作のラスト作品のクライマックスでは、社会人になっても子供の頃からの恋愛を引きずりながら新宿近辺に暮らす貴樹に対し -
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45
マッケイ
50
巨大な個人制作、アレ・アブレウ
53
スタジオジブリの意識=個人ではなく工房
55
スタジオジブリの制作部門の解体
69
言葉と音楽によるマルチメディアな朗読劇
動きのような視覚的なものでリアリティを作らない
84
動きのないアニメの再開発
95
人がいない背景→emotional
104
「従来のアニメーションが、自分自身で運命を切り開いていくような、いわば「世界の中心にいる」人物たちを描いてきたとすれば、新海誠の作品は、世界の変化、時間の経過に対抗すべを持たないような、無力で匿名性の強い、世界の片隅にポツンと佇むにすぎない人物たちを描いている。人間が無に等しいのです。