藤田健次のレビュー一覧

  • 漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一

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     『なつぞら』は視ていた。ドラマでは奥山玲子のようなアニメーターが高畑勲のような演出家と結ばれている。
     実際の結婚相手 小田部羊一による『龍の子太郎』の談話が興味深い。浦山桐郎監督がご存命の頃、武蔵野美大の講堂で鑑賞した。上映後の監督による講演では、天狗の声を演じたなんて話は出なかったように思う。
     大塚康生『作画汗まみれ』でも思ったこと。当時の東映動画の男女らが実に楽しげで、拡大版トキワ荘のようだ。
     巻末の宮﨑朱美インタビュー。死んだ人はみんないい人になりそうなものを、亡き奥山の銅版画に批判的で、意思的な女性だとお見受けする。

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    2021年10月06日
  • 漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一

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    朝ドラは一切観ないので、本書については奥山さんではなく小田部さんの仕事への興味から。
    ただ、より面白かったは、勝間田さんや池田さんといった関係者のインタビューの方。
    勝間田さんの「オレはマキノの弟子だから"泣き"も上手いんだ」には痺れた(笑)

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    2020年03月06日
  • 漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一

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    ネタバレ

    共にアニメーターであった奥山玲子・小田部羊一夫妻の互いに強い信頼で結ばれつつ精神的に自立し互いに尊重し合う生き方、そしてアニメーションという仕事への思いの強さとが軸になっている一冊。
    印象に残ったのは、小田部さんがスイスに『アルプスの少女ハイジ』のロケハンのため旅立った時、2人で働きながら懸命に育てていた幼い息子さんが入院中であったにもかかわらず奥山さんは黙って送り出し、しかしスイスの話は以後家族でスイス旅行を果たすまでの25年間、家庭内でタブーになったというエピソード。決して綺麗事ではないけれど困難を乗り越えた家族の絆と、そうした状況下で生み出されたからこその、ハイジという美麗な作品のかけが

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    2019年09月19日
  • 漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一

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    再放送されていた連続テレビ小説「なつぞら」を観ていたところ、昔のアニメーションの業界に興味を持って読んでみた。
    テレビアニメーション黎明期における業界の雰囲気がとてもよくわかり、広瀬すず演じる朝ドラの主人公なつとそのモデルとなった奥山玲子さんとの、似ている面、また異なる面がよくわかり、朝ドラを一段と面白くみることができた。
    また、朝ドラ出演のキャラクターの面々が本当はどのような人なのかもしれた。
    また、何よりも自分自身が子供時代に楽しみに見ていたテレビ漫画番組のことが知れて、少年期を思い出して心が弾んだ。

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    2024年12月27日
  • 漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一

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    東映動画から日本アニメ、テレコムへの流れは大塚さんや宮崎さんの絡みで語られることが多いですが、この本は小田部さん、奥山さんからまとめられています。特に、東映動画に残った奥山さんの仕事ぶりが語られているのは珍しいのではないでしょうか?今のところ最後の東映まんが映画といって良い「竜の子太郎」について語られているのも良かったです。ただ最終的に今のアニメ界ではお二人が活躍できる場がなくなっているように感じられて、そこは寂しく思いました。

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    2020年07月25日
  • 漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一

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    夫が、取引先の方から頂いたそうで私も読んでみました。
    朝ドラ「なつぞら」のモデルになった女性(ご夫婦)のことを、業界の重鎮方にインタビューした記録です。

    奥山さんが女性の社会進出の先駆者であったことや、安月給の長期労働で頑張っていたアニメーターの方々の苦労など、時代を切り開いてきたと自負する皆さんの熱量は伝わりましたが、私自身はなつぞらも観ていなかったし、アニメ業界に特別な関心がないせいでレビューを書かれている他の皆さんよりは楽しめなかったかも。。
    私のせいで評価を下げてしまったらごめんなさい・・・

    私の中では宮崎駿監督の奥様のインタビューがよかったです。
    アニメーターを辞めて家庭に入った

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    2020年03月25日