ロン・リット・ウーンのレビュー一覧
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ノルウェー で文化人類学者をやっているマレーシア人のエッセイ。ノルウェー 人の夫を失った悲しみのケアときのこの喜びへの目覚め。
きのこの匂いセミナー
教科書的に語られるきのこの匂いは実情とことなる。
香水の研究をしている知人にきのこのアロマの嗅ぎ分けについて相談。きのこの匂いもハーモニーのように説明できるか?
ノルウェー ではマツタケは靴下の匂いがする食べられないきのことして扱われている。名前も悪臭きのこ。日本ではマツタケは高級品。
ノルウェー で発見されたのが先だったので、臭いきのこで学名登録されそうになった。これに日本のロビイストが抗議したため、学名もマツタケで登録された、というエ -
Posted by ブクログ
長年連れ添った夫を亡くし失意のどん底にいた著者は、生前の夫と「いつか一緒に参加しよう」と話していたきのこについての講座に申し込む。初めて出会うきのこの深淵な世界は、彼女をノルウェーの森へ、山へと連れだした。喪失感に寄り添う趣味の世界を語り、いつしか優しい光が心に差し込んでくるようなエッセイ。きのこの写真も多数収録。
不思議な読後感だった。夫の急死に対するとまどいと深い悲しみを湛えた段落と、きのこ探しという新しい趣味に出会ったワクワク感を伝える段落がごく自然に並べられている。人は悲しみの淵にいても笑うことができるし、楽しんでいる最中にふと亡くなった愛する人のことを思いだすこともある。喪失を受