鳥海修のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「水のような、空気のような」本文書体をつくりたい。という言葉がどんどんしみこんできた。
書体設計士という稀な職業の方のエッセイ集。もっと硬派なデザイン指南書を想定して読み始めたのだけれど、著者の生まれ故郷や書体デザインを志すきっかけとなった出来事、出逢い、別れ、これからのことなどが非常にやわらかい語り口でつづられるエッセイであった。文字に対する専門家の考えを読めることはもちろん有り難いのだが、読み物としても味わい深くおもしろい。著者のキャラクター性もあってか茶目っ気があり飾らない言い様はなんだか「信頼できる」と思う。
これから本を読む目がちょっと変わってしまいそうだ。というか、本を読みなが -
Posted by ブクログ
2024/5/15ラジオ深夜便
鳥海修とりのうみ.おさむ
ヒラギノや游明朝体を手掛けた
藤沢周平のような市井小説につかえるようなイメージ
教科書体は書き順とめはらいを意識して
大河のような書体を作りたいという希望
ひらがなは日本独自の文字 やりがいのある仕事
さて
インタビューがよかったので書籍も読んでみる事にしました
ブックデザインは平野甲賀さん
祖父江慎さんも出てくる!
写植時代は写研フォントメインでお世話になってました
石井 秀英 イワタ ゴナとかね
ぴぴろなんかは游明朝やヒラギノですね
Mac世代だから当然です
時代は違ってもフォントが分かる人には興味深い本です!
スティーブ・ -
Posted by ブクログ
鳥海修「文字を作る仕事」を読む。
「七〇歳になるまで(納得できる)明朝体は書けない」p.234
ヒラギノシリーズを開発した「書体設計士」の半生を描いた本書。工業高校から浪人をして多摩美に入学。在学中に既に「水のような、空気のような本文書体を作りたい」と志向していたというから、これはもう筋金入りだ。
また平野甲賀、鈴木勉、祖父江慎、石川九楊といった当代をリードするタイプデザイナーの交感が克明に記されていておもしろい。
杉浦康平が平野甲賀に向かって、講演の壇上から「まだあんなくだらないことをしているのか」と罵ったというエピソードには驚いた。嗜好が正反対とはいえ、杉浦さんは完璧主義ゆえに、か