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本や新聞、PCやモバイルなどで毎日、目にする文字。当たり前のように存在しているが、じつは読みやすさや美しさを追求するデザイナーの手によって生み出されている。フォント制作会社「字游工房」の代表にして、書体設計士の著者は、どのように文字作りの道を目指し、歩んできたのか?これまでに制作した文字。その文字に込めた思想。理想の文字。影響を受けた人たちとの交流…。「水のような、空気のような」書体を目指して活動してきた37年間を振り返り、これからの文字作りにつなぐ思いをつづる。
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Posted by ブクログ
フォントを作る人のこだわりや考え方がわかるのはとても良い どんどん新しいフォントが出てくるのもとても楽しい 新聞によって使っているフォントが違うとか、気にしたこともなかった 気づかないこだわりに囲まれている
「水のような、空気のような」本文書体をつくりたい。という言葉がどんどんしみこんできた。 書体設計士という稀な職業の方のエッセイ集。もっと硬派なデザイン指南書を想定して読み始めたのだけれど、著者の生まれ故郷や書体デザインを志すきっかけとなった出来事、出逢い、別れ、これからのことなどが非常にやわらかい...続きを読む語り口でつづられるエッセイであった。文字に対する専門家の考えを読めることはもちろん有り難いのだが、読み物としても味わい深くおもしろい。著者のキャラクター性もあってか茶目っ気があり飾らない言い様はなんだか「信頼できる」と思う。 これから本を読む目がちょっと変わってしまいそうだ。というか、本を読みながら活字に目がいってしまって、「この書体はいい書体だと思うけど、どうかな」と考えてしまった。あとがきに自社の製作物であると書かれており、なんというか、ほっとした。 自分も手を動かしたくなる。
2024/5/15ラジオ深夜便 鳥海修とりのうみ.おさむ ヒラギノや游明朝体を手掛けた 藤沢周平のような市井小説につかえるようなイメージ 教科書体は書き順とめはらいを意識して 大河のような書体を作りたいという希望 ひらがなは日本独自の文字 やりがいのある仕事 さて インタビューがよかったので書...続きを読む籍も読んでみる事にしました ブックデザインは平野甲賀さん 祖父江慎さんも出てくる! 写植時代は写研フォントメインでお世話になってました 石井 秀英 イワタ ゴナとかね ぴぴろなんかは游明朝やヒラギノですね Mac世代だから当然です 時代は違ってもフォントが分かる人には興味深い本です! スティーブ・ジョブズがクール!と叫んだっていうのもいいですよねー(^^) 書家の先生とのやりとりも感心しながら読む 水のような、空気のような書体を産むには 幅広い知識と経験、時間が必要 実技として活かせないしレタリングは苦手だったけど自分が得たものは多いと思う 本文書体は地味だけど奥深い 好きな書体を比べる幸せいい時代ですね 自分は紙の本で気持ちよく読みたい 専門知識愛あふれる内容でした!!
「水のような、空気のような 本文書体を作りたい。」熱い思いを胸に書体づくりを仕事にして37年! それでも自分はまだまだだから、もっと努力しなければというエネルギーは一体どこから来るのか。鳥海さんのように一生をかけて、情熱を持って仕事に取り組んでいる人に憧れます。
ヒラギノや游書体を作った,字游工房の鳥海修の自伝 ●写研 ●小林章もここの出身 ●字游工房
鳥海修「文字を作る仕事」を読む。 「七〇歳になるまで(納得できる)明朝体は書けない」p.234 ヒラギノシリーズを開発した「書体設計士」の半生を描いた本書。工業高校から浪人をして多摩美に入学。在学中に既に「水のような、空気のような本文書体を作りたい」と志向していたというから、これはもう筋金入りだ...続きを読む。 また平野甲賀、鈴木勉、祖父江慎、石川九楊といった当代をリードするタイプデザイナーの交感が克明に記されていておもしろい。 杉浦康平が平野甲賀に向かって、講演の壇上から「まだあんなくだらないことをしているのか」と罵ったというエピソードには驚いた。嗜好が正反対とはいえ、杉浦さんは完璧主義ゆえに、かなり排他的だったのかもしれない。 どこを見ても金太郎飴のような書体ばかりが目に付く現代から見れば、歯に衣着せぬ物言いで各々が競い合ったあの時代は、社会全体が多様でありつつ、そして推進力も持っていたのだろう。 そして「よい書体」を作るには、旨い酒と肴を常に探し求めなければならない……というのは冗談で、たった一本の線を磨く不断の努力が必要だ。いや、であれば逆に息抜きとしての「旨いもの」も必須なのかもしれないな、と思いながら最後までさらりと読んだ。ああ、おいしいお蕎麦とおでんが食べたい。 あの小塚シリーズを作った小塚雅彦さんは「日本人にとって文字は水であり、米である」と言ったらしい。「書体設計士」はけっして気取らないし、目立とうとしない。毎日コツコツと、迂遠に続く地道な作業をひたすらこなしていく。 アーティストやアートディレクターとは友達になれそうにないが、タイポグラファーとは友達になれるかな、と思った。
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