塙幸枝のレビュー一覧

  • スクリーンのなかの障害

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    「シナリオ的にどう扱われてきたか」に留まらず、それを演じる人やスクリーンを見つめる我々観客まで射程を広げた一冊で、めちゃくちゃ面白かった。

    わからない→わかる
    できない→できる
    の心地よさに個別の経験や構造的な問題が覆い隠されてしまう点は確かに、、という感じ。

    障害者個人ではなく社会の側の問題としても捉える在り方は、最近観たドイツ映画「ぼくとパパ、約束の週末」にすごい重なるなと思って読んでいた。

    いわゆる当事者キャスティングがなぜ必要なのかってとてもとても腑に落ちるので、映画の作り手も観客もみんなにおすすめ

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    2024年12月23日
  • スクリーンのなかの障害

    Posted by ブクログ

    映画で描かれる「障害」がどのように描かれてきたか、それによってどのような視点や問題点を浮き彫りにしてきたかを検証し、今後どのような視点から論じることができるのかについて書かれた一冊。

    「障害者は保護される者、障害は個人の問題である」という前提で捉えられる医学モデルと、「障害は個人の問題ではなく、障害者にとって不利益をもたらす社会的システムの瑕疵が問題である」と捉える社会モデルの二つの軸をもとに、映画がどのようなまなざしで作られたかを分析している。

    また、「分かりあうこと」や「共生」という言葉が包括する暴力性や、覆い隠してしまうことについても書かれている。

    健常者から見えるもの、感じたもの

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    2025年11月22日
  • スクリーンのなかの障害

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    代表的な映画で障害者がどのように描かれているかを説明した本である。博士論文の一部というようにしている。レインマンでは障害と特殊能力が描かれている。「コーダ あいのうた」さえ見たことがないので、ほんの僅かのことしか具体的には理解できていない。しかし、障害児教育ということでは映画を見せながら議論させることが教育的効果があると思われる。

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    2025年05月22日