塙幸枝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画で描かれる「障害」がどのように描かれてきたか、それによってどのような視点や問題点を浮き彫りにしてきたかを検証し、今後どのような視点から論じることができるのかについて書かれた一冊。
「障害者は保護される者、障害は個人の問題である」という前提で捉えられる医学モデルと、「障害は個人の問題ではなく、障害者にとって不利益をもたらす社会的システムの瑕疵が問題である」と捉える社会モデルの二つの軸をもとに、映画がどのようなまなざしで作られたかを分析している。
また、「分かりあうこと」や「共生」という言葉が包括する暴力性や、覆い隠してしまうことについても書かれている。
健常者から見えるもの、感じたもので作られてきた「障害」が実際に障害を持つ人たちからどう違和感をもって見られているのか、という点が興味深かった。
また、最後の章の健常者が障害者を演じることについて「是非」を問うのではなく「可否」について論じることが、今後の障害を扱った映画を作る上で新たな可能性を開く出発点となるのではないか、という問いかけはとても刺激的だった。
障害、コミニュケーションの分野にあまり詳しくない自分でもわかりやすく書かれている良書。とはいえ一度読んだだけでは「理解」に到底届かないので、もう一度、もう二度、見返したい本である。