今年(2024)のGWの大掃除で発掘された本のレビューは大方終わりましたが、その前に娘夫婦が宿泊した時に大慌てでスースケースにしまい込んだ本があり、それらの本のレビュー書きを終了させたく思っています。
記録によれば今から丁度二年前(2022)の今頃に読み終わった本です、コロナ真っ最中で在学勤務が多く就業時間が終わって夜の電話会議が始まる合間に読んでいたような記憶があります。
私が大学生だった30年以上前に映画で見た技術のいくつかは実用化されているものもあります、ここで紹介されているSFの本の中で紹介されていた世界も日本の技術で現実になる例が示されています。レビューを書きながら、それらを振り返ってこれから私が生きている間にそれらを自分でも活用できれば良いなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・技術は安心を生み出すためのものであって、恐怖を与えるための技術開発はこれからの21世紀には不要である、安心を与える技術こそ我々日本人の得意分野ではなかろうか。日本がスペインに侵略されなかったのは偶然ではなく、渡来した鉄砲を見た日本の鍛冶職人が簡単に複製して、さらに彼らのオリジナル以上の改良を可能にし、自分のものにしてしまったから。元々日本人は、一目で問題を発見し課題を解決する能力に長けている、その資質が21世紀にこそ発揮される(p6)
・2018年池井戸氏の小説を下敷きにしたドラマ「下町ロケット」でも自動運転トラクターが登場した。ロボット農業の実現は、決して物語中の絵空事ではなく、すでに複数の農機具メーカが開発、試験販売に踏み切っている。従来我が国のGPSシステムはアメリカの人工衛星に頼っていたが、JAXAが打ち上げた準天頂衛生システム「みちびき」がすでに4機稼動しており、2018年から正式運用が始まっている(p55)
・屋内で農作物を育てるビジネスには、太陽光に代わって人工光源が必要とされる、様々な光源が用いられてきたが、近年ではLED光源の利用が増えている。メリットは、熱を持たないために、植物が接触しても傷めることがないところ、ただ波長の幅が狭く用途によってデメリットになる(p60)
・導入されたものの中で、その後の日本文化に最も大きな影響を与えたのは「漢字」と考えられるが、それ以外で特筆すべきは「仏教」である。法隆寺、四天王寺、奈良の大仏が鋳造されて、新しい思想を我が国に定着させた。これらを今日、外来文化と思う日本人がほとんどいないように、先進的な技術や思想を自分たちの伝統文化と一体化させてしまうところが日本人の特徴である(p72)奈良の大仏は、完成までにほぼ10年、従事した人は延べ260万人(推定人口は700万人)(p74)
・最近の実績で「日の丸土木」の面目躍如と言えるのが、親日国として知られるトルコの「マルマライトンネル」である。ボスポラス海峡を海底で結ぶプロジェクトは「トルコ150年の夢」と呼ばれ、現地で大歓迎された。イスタンブールのヨーロッパ側とアジア側を結ぶ海底トンネルは、オスマン帝国時代のスルタン・アブデュルメジト1世の時代から夢見られていたから(p77)
・超電導構造体を用いた回路では、電気が流れると外からエネルギーが引き込まれ、電気が流れている回廊は温度が下がり、周囲の熱エネルギーを奪う現象が起こる。超電導回路では発熱ではなく、冷却効果が生じる(p109)
・重力の高速伝播は実際の観測でも観測されている、我々の住んでいる地球は、太陽の周囲を時速10万キロ以上の公転速度で運行している、さらに太陽系は天の川銀河の一部として、時速約86万キロ以上(秒速240キロ)で好転している(p149)
・現在、通信技術に使用しているのは「電波」であるが、途中に障害物があれば遮られる。波長の長い「超長波」だとある程度は水中に届くが、周波数が低いため多くの情報は送れない。将来的にはそうした制約を受けない通信技術が求められるはず。そのためには電波以上に伝播性の高い「振動」を使う必要がある。その振動とは、人間のみならず全ての生物が細胞と細胞群から発している振動、すなわち「想念」振動である(p161)現在試作に成功しているのが、想念振動をコンピュータ内の半導体素子で検知し、ソフトウェアを起動させるシステム「SSCAT」である(p161)脳波を読み取るようなヘッドセットを必要としない、想念は人間の身体から空間を自由に伝搬するため、コンピュータ内の検出部まで電線(導線)も必要ない、障害物で絶縁されない(p166)
・潜在意識とは「気が付かぬうちに身につけた強い癖」であり、その「癖」は母国語で教え込まれている。大人は子供に比べて、新しいもの(ゲームなど)に触れるまでの時間が子供より長いので、身体が無意識のうちに「くせ」として、できない・そんなバカな?を連発するが、子供はそうは思わないのでd切る(p176)
・想念センサーは人や生物の思念で素子内の電子分布を変える、その時「こうだ」と明確に思っていない曖昧な思念で向かうのと、「なれ」と思って向かうのとではどちらが強力に作用するだろうか(p177)想念センサーは言葉の意味に反応するのではなく、そこにイメージされる結果の状態を生み出そうとする強い想念、すなわち「思念」が素子の中の電子を動かす。人間の思考も振動である、脳は全身の細胞が発する想念を集約し、増幅する器官なのである。「思考」は、この世界に人が新たに生み出す振動だと言える(p192)
・文字は人の思念を伝えるテクノロジーではあるが、想いを増幅し、力を増すわけではない。想いを増幅できるとしたら、その方法は二つ。1)個人が高度に思いの密度を上げ得た場合、2)同じ想いを持つもの同士が、同じ時、同じことを集中して想いを重ね得た場合である(p203)「想う」とは「現実」を動かす「初動」である(p203)
2022年6月19日読破
2024年6月29日作成