湊雄一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先読み!IT×ビジネス講座 量子コンピューター
著:湊雄一郎 、 酒井麻里子
量子コンピューターでは、スーパーコンピューターで何年もかかるような計算処理を現実的な時間で行えるとされている。そのため、量子コンピューターの実用化によりさまざまな分野でイノベーションが加速することが期待されている。
従来型のコンピューターは、演算を行う半導体のサイズをどんどん微細化することによって回路を増やし、性能を伸ばしてきた。この微細化が限界に近づいており、それを突破するのが量子コンピューターである。
本書は以下の5章から成る。
①量子コンピューターの何がすごいのか
②知れば知るほど面白い「量子」の世界
③量子コンピューターの仕組みを理解する
④活用が期待される産業分野を知ろう
⑤量子コンピューターを体験しよう
量子コンピューターは、私たちが普段使っているコンピューターや、スーパーコンピューターの延長線上であるものではなく、イノベーションの後に違った線上に現れてきたものと言える。
同じ概念で仕組みを捉えようとしても理解が追い付かず、はじめて宇宙やブラックホールの概念を学ぼうとした時と同じようなたくさんの「?」を経る中でぼんやりと外枠が見えてくるような世界でもある。
そもそも「量子」の理解から始めるにしても、これまたよくわからない。わからないまま読み進めて、よくわからず、行ったり来たりする中で脳みそに汗をかきながらくらいついていく。
導入本ならではのきめ細かいフォローがあってなんとか理解が進む。今までの概念や考え方で理解できない分野にこそ、未来や勝ち筋がある。未知を知る入口には大きなわくわくが存在している。
本書はそんなわくわくを増大させてくれる良書。 -
Posted by ブクログ
2023年出版。「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」の著者である湊雄一郎氏を話し手、ITライターの酒井麻里子氏を聞き手とした対話形式の入門書。
対話形式のため、技術詳細は深堀しておらず、「いちばんやさしい」よりもさらに初学者向けで読みやすい。
これまでの量子コンピューターの歴史にも触れられている点が嬉しい。
「いちばんやさしい」の時点では「実用レベルのものは量子アニーリング型」だったのに、その後4年で「量子コンピューターといったらゲート型」の様になっているのに無常さを感じた。
【メモ】
p.78 量子アニーリング型に高い期待が掛けられていた時期もありましたが、特定の計算にしか使えないなど難点も多く、現状では量子ゲート型の開発を進めていく方向にあります。
p.109 実は2010年台後半には、「あと数年で量子コンピューターが実用レベルになる」と期待されていた時期がありました。しかし、当時期待されていた計算方法では想定していたような結果を出すことが出来ず、新たな方法を模索する必要が生じているのです。
p.133 量子コンピューターと従来型のコンピューターで交互に計算しなくてはならないので、結局あまりスピードが上がらないことがわかりました。
p.134 量子コンピューターだけで計算を行えるレベルに達するのは、超電導方式の場合およそ20年後といわれています。 -
Posted by ブクログ
2019年発行の量子コンピュータの入門書。
そもそもの「量子とは何か」から始まり、量子ゲートコンピュータ・量子アニーリングコンピュータの動作原理とその活用方法について、図解でやさしく解説している。
後半ではblueqatやwildqatといったPythonライブラリを使用して、実際の量子コンピューティングのシミュレーションについて解説している。
入門書という建付けのためか、計算アルゴリズムの説明はざっくりとした概要にとどまっており、詳細には触れられていない。
より深く知るにはまた別の教科書を探す必要がある。
発行から6年経過しているが、今はどのくらい状況が変わっているのだろうか... -
Posted by ブクログ
「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」というタイトルのとおり、おそらくいちばんやさしく解説されていると思われる本。
量子力学の知識は一切必要なく読める。
ただし、コンピューターに関する初歩的な基礎知識は必要で、そこの理解がないと従来式コンピューターと量子コンピューターの違いはわからない可能性がある。
個人的には完全なド素人なので、詳細な仕組みは理解できなかったが、なんとなくイメージを掴むことができた。
早い話、従来型コンピューターでは、すごく計算時間がかかるような計算において、ビットの仕組み、演算の仕組みに量子力学的な発想を適用することで、高速化に成功したコンピューターという話かと思われる。
ただ、計算量が膨大で量子コンピューターが必要となるような実サービスが社会にどれだけあるかは懐疑的なので、研究開発のための計算以外において必要とされるケースがどれだけ出てくるのかは疑問に思った。 -
Posted by ブクログ
分かりやすくはあるけれど、結局「そういうものと思ってください」というのが多くて消化不良。
・重ね合わせ(0と1の両方を表せること)ともつれ(初めが1だったら次も1にすることができる)が結局なぜ計算の効率化になるのかが腑に落ちなかったし、量子コンピューターで計算した答えが毎回違うということに混乱した…。
・最後の計算してみようのところで、4つの計算が一度でできるというのはわかったけれど、回転させるHは毎回裏か表か分からないなら、出てきた答えがどの組み合わせによるものかわからないのでは????
とはいえ、量子コンピューターの歴史とこれから期待されることは分かった。
AIと組み合わせて爆速でAIが発達するみたいなイメージがあったけれど、それは間違い。
材料化学計算(これもあんまりピンとこなかったが、EVのバッテリーの性能向上が期待できるらしい)や大量の経路最適化計算(自動運転)に使われることが期待される。
温暖化対策の全体最適化計算したら、量子コンピューターみたいに大量の電力を食いそうなものはやめた方がいいって出るのでは?といじわるなことを思った。