市川裕のレビュー一覧
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パレスチナ戦争をきっかけにユダヤ人ないしユダヤ教へ関心が高まったので、読んでみることにした。
歴史的な視点で面白かったのは、離散後のユダヤ人は意外にも福の神みたいな存在で、キリスト教化される前のスペイン、オスマン帝国やオランダなどユダヤ人の移住先の国には繁栄と自由があった。20世紀はそれがアメリカで、今現在も半数近くのユダヤ人はアメリカにいる。ユダヤ人が商売上手だったり、学問に長けていたりするのはよく知られているが、各時代にイケてる国を嗅ぎ分ける嗅覚もあるということだ。
最終章で現在のイスラエルについて、シオニズムの形骸化に起因する大イスラエル主義政策を批判して、既成概念を排除し世俗派と -
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世界史を学ぶに連れてナチスはもとよりなぜそこまでユダヤ人が忌み嫌われるのか、に興味が出たので。残念ながら「なぜ?」の部分はあまり掘り下げられておらず「迫害されてきました」という前提で話が進んでしまうので直接の回答は得られなかったものの歴史、宗教、教育、生活といった切り口でユダヤ民族について掘り下げられておりそれはそれで非常に興味深いものがあった。まずわかったことはかなり特殊な歴史を持つ人々だということで考えてみると絶滅させられたり征服民族に隷属や同化させられたり、という民族は沢山いたのかも、だけど民族丸ごと住んでいるところから追い払われた、というのが珍しいケースであるということ。また確たる宗教
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ネタバレ嫌韓とか嫌中とか、あらゆるものを十把一絡げに嫌い・反対と感情的に判断してしまう人がいます。子ども達にはよくよく、ああなってはいけない、物事は大抵多面的なもので、「全ての~」「あらゆる~」という言い方は大体間違いだから、と言い含めていました。
しかしながら、本作を読んで、自分がこれまでいかに自分が避けようと思っていた偏見に陥っていたのかを本作で思い知りました。それは私のユダヤ観です。
一般的なユダヤのイメージとはどんなものでしょうか。金持ち、流浪の民、陰謀、一神教、閉鎖的。私はこのようなイメージでした。
しかし、本書が描くユダヤ世界ははるかに色彩豊かなものでした。つまり、ユダヤと一言 -
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1.この本を一言で表すと?
著者がユダヤ人とユダヤ教について学んできた事をまとめた本。
2.よかった点を3~5つ
・真正のユダヤ人(p4)
→ユダヤ人の定義が複雑で難しいことがわかる。
・ユダヤ人という前提自体、もはや選択肢の一つとなったのが現代である(p50)
→ますますユダヤ人の定義が難しい。
・第二章 信仰から見る
→ユダヤ教自体は非常に厳しい教えであると感じた。
・学ぶことは生きること(p126)
→ユダヤ人が優秀と言われる所以がわかった気がした。
・利子取得の二重基準(p139)
→上手く考えたように思えるが騙された感じもする。
・二極分化するユダヤ社会(p164)
→宗