ジョン・J・ミアシャイマーのレビュー一覧
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ネタバレ「フルコースのディナーをワインとともにガッツリいただきました」という読後感です。辞書並みに分厚い本で、読むのを躊躇しましたが、この「新装完全版」には「中国は平和的に台頭できるか?」が追記されているとのことで、思い切って挑戦。発行年は、2019年ですが、歴史を振り返りつつ(日本についても詳述)、いまにも通じる内容です。
「オフェンシィブ・リアリズム」を主張される著者の要点は、おおよそ以下の3点。①国家を超えて全世界の安全を守る中心的な権威がなく、②どの国もある程度の攻撃的な軍事力を持ち、③国家同士は夫々が何を考え何をしようとしているかを完全に把握できない、なかでは、大国は生き残りのために覇 -
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Posted by ブクログ
国際関係のアナーキー性に着目し国家間の競争に焦点を当てて分析する「リアリズム」の立場に立つ本書。著者は、自説を「オフェンシヴ・リアリズム」と称し、大国がパワーを求めることを前提にその理論を展開する。その理論では国家がパワーを求めるのは生来備わった性質ではなく、アナーキーな国際システムによる構造的なものだとする。そのシステムの下で大国の目標は自国の生存を脅かす脅威を取り除いた地域覇権国になることであり、近代以降にこの目標を唯一達成した国はアメリカ合衆国だけであるとする。
本書の一番の読みどころは、最終章の中国の台頭に関する分析だろう。それまでに近代以降の欧州、米国、日本に対して用いてきた分析枠組 -
Posted by ブクログ
3
執筆にとりかかったのは1991年末
ソ連が崩壊した直後
終えたのは、ほぼ10年後だった
冷戦の終わりは、大国間戦争が存在せず、バランス・オブ・パワーのような概念が意味を失う新しい時代の始まりだと広く信じられていたから
リアリズムは世界の動きについて、今後も重要な示唆を与え続けるものであることを論じた。
ただし私は、本書の大部分を、ハンス・モーゲンソーやケネス・ウォルツのような著名なリアリストたちの議論とは大きく異る、独自の国際政治の理論を提唱することに費やした。
4
アメリカがアフガニスタンだけでなく、イラクにおいて負け戦にはまってしまったことが明らかになって
アメリカの「テロと -