森洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「芸術新潮」2013年3月号は豪華な特集号だった。ブリューゲルの作品40数点がカラーで一挙掲載、そこに森洋子先生の解説がついていた。ページを繰るたびに、いまも新たな発見がある。
その文中には、ブリューゲルの季節画をテーマにした著書を「準備中」とあった。そして待つこと10年、ようやく本書が出た。600ページ、圧巻。
ブリューゲルの季節画の連作はもとは6点あったようだが、現在残るのは≪暗い日≫、≪干草の収穫≫、≪穀物の収穫≫、≪牛群の帰り≫、≪雪中の狩人≫の5点。制作年は1565年。それまでブリューゲルは、都市部の民衆の生活を描いていたが、ブリュッセルに居を構えてからは、周辺の農村に出かけて、その