若山滋のレビュー一覧

  • 漱石まちをゆく 建築家になろうとした作家

    Posted by ブクログ

     そういえば、夏目漱石の千円札がお役御免になった。考えてみれば、金に翻弄され、権威に反発した漱石が、お札になったということ自体が皮肉な話ではあったが、それもおしまい。漱石も肩の荷が下りたのでは。
     私が日本近現代史に興味を持ったそもそもの発端は、夏目漱石の伝記を小学時代に読んだことである。そこから歴史にはまり、現在にいたっている(なぜ文学にはまらなかったのか?いまだに小説を読むのは苦手なのだが)。とにもかくにも、漱石というのは大変興味深い人物なのである。
     著者は、漱石が建築家を志したというエピソードから、漱石の作品を建築という視点から読み解いていく。その結果、漱石が実によく町を見ているとい

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    2009年10月04日