ピエトラ・リボリのレビュー一覧

  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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     本書は、グローバル化する社会を、Tシャツの一生を追うことでわかりやすく可視化したユニークな物語だ。
     グローバル化、とくに市場万能主義が世界にひろまることで、貧困がさらに拡大するという見方がある。反対に、市場拡大・自由貿易こそが世界を貧困から救うのだという見解もあるだろう。しかし、著者が実際にTシャツの一生を追うことで目にしたものは、どちらの主張とも違っていた。
     Tシャツの一生は、いまだに市場原理ではなく、政府による規制や介入・保護などによって決められていた。ほんとうの意味でTシャツが市場と出会うのは、古着としてアフリカに入ってからだ。世界を貧困から救うには、グローバル化する市場経済をどー

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    2014年03月30日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    一枚のTシャツがどこで生まれ,どこで一生を終えるかを追うことによって,グローバル化の現実を描き出した著作。中国産のTシャツの原料である綿花は,実は大半がアメリカのテキサス産であった。そして,アメリカで着古されたTシャツは日本やアフリカの古着市場に送られ,そこで一生を終えているのであった。

    市場経済を「正しい」社会システムと考える著者による本であることをある程度割り引いて考える必要があるが,グローバル化によって貧窮する人びとが生じるのは,市場原理によってではなく,市場競争から除外され,市場に参加することが政治的に抑えられているせいであるという指摘は説得力がある。中国製品が安いのは,市場原理によ

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    2014年02月08日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    Tシャツの一生は、原材料はどこで産まれ、どこで加工され、どこで仕上げられ、どの市場へ、最終的にはどこで一生を終えるのか。長い長い旅だ。ものすごく多くの複雑怪奇な政治的思惑がべっとり絡んでいることに衝撃を受けた。「底辺への競争」は悪なのか、保護主義政策はやめるべきか。いろいろ考えさせられる。全体を通して思ったことは、一度生まれた流れは止めることはできないのではないか、一時的に止めることができても、形を変え、角度を変え再びやってくる、そんな印象を受けた。コスト云々でなく、絶えず、柔軟に変化し市場に対応できる者だけが生き残ることができるのであるから、生きている間は落ち着くことはできないものかもしれな

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    2012年02月18日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    グローバリズムの本は1冊だけ読んでも偏った知識を得るだけ。
    この1冊を読めば、経済と政治のダイナミックな動きを知れる。

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    2009年10月04日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    面白かった。
    しかし、アフリカというと子供の頃ご飯を残すと言われていた、食べられずに死んでいく、というフレーズ。
    終わった話なのかどうか、無知なのは残酷だと思いつつも興味を持てない。
    結局、変われる者だけが生き残れるのは間違いない、のか。

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    2013年02月16日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    主人公が中国の工場で製造された一枚6ドルのTシャツの、経済ドキュメンタリ。


    米テキサス州産の綿で、綿作りのように単純な川上産業が高度なサービス業中心の米国経済で繁栄し続けているのはなぜか。
    筆者は歴史をひもとき、米政府の補助金制度、つまり200年以上にわたり発達してきた綿の生産・販売におけるリスクを緩和する政策が競争優位に影響していると分析する。

    そして綿は遠く海を隔てた中国・上海で糸に紡がれ、布に織られ、Tシャツに縫い上げられる。18世紀に産業が興って以来、繊維・衣料品生産の単純労働は低賃金、長時間労働、粗末な労働環境に耐えて働く労働者が担ってきた。中国は労働者の移動を制限する戸

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    2010年06月27日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    Tシャツというどこの国にでもある商品からグローバル経済を見たという本。
    まず、取材がしっかり頑張りましたという印象を読後に覚えます。

    アメリカ基準のグローバル経済は、アメリカの政策に左右されすぎではないか?と思ったり、中国が肥大化しすぎではないかと思ったりしました。

    これは、ひとつに、繊維産業が労働力集約型なので、技術集約型ならあんまり起こらなかったことが原因でしょう。
    そのためか、アメリカには高度な製造業の集積は残っていません。

    それに、「底辺への競争」とも言うべき、低賃金、低コスト国家へのシフトがもたらした結果でもあります。

    日本語訳のために本の末尾に参考文献の記述が全く無かったこ

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    2009年10月04日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    この本を初めて本屋で見た時は、「どうせそこらの運動家が書いた反グローバリズムの本でしょ〜。」と触れもしませんでした。
    今回、ふと手に取りイントロを読んで面白いと感じ読み始めました。

    本書は今日の世界経済の現状をTシャツというありふれたプロダクトを題材に語る物語です。あくまで学術書ではありません。ただ、その内容は一読に値するものであるのは確かです。

    何よりも、自由貿易や保護貿易、反グローバリゼーションなどの主義主張に捉われることなく客観的に世界経済を描いている点は考えるところの多いものかと思います。物事の両面性や多様性を考えることなく単純化された議論を行う某ロックバンドのボーカルが推薦

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    2009年10月04日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    Tシャツの物語とは、綿花の物語でもあり。さらには古着の物語でもあるのです。副題のせいで「アレ」な感じはするものの、なかなか興味深い本でした。

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    2009年10月04日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

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    アメリカの綿産業は政治的な政策で手厚く守られている。そのテキサスで生産された綿は中国に渡り中国の国営企業でTシャツに織られ、世界中に輸出されている。

    自由貿易とは程遠い構図が明らかとなる一方で、古着産業は明確な自由貿易であった。

    なるほど。

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    2019年07月28日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    Posted by ブクログ

    Tシャツは、アメリカで生産された綿が中国で加工されてアメリカに輸出される。
    価格、生産は自由競争よりも政治による規制で決まる。
    アフリカなどの弱者は、政治的なチカラをつける必要がある。

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    2015年11月30日
  • あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

    Posted by ブクログ

    この本はアメリカの大学教授が
    Tシャツを綿が生えているところから
    売られ、古着となってその後までを
    追い、分析し、まとめた一冊です。

    ただ、何も考えずにMade in Chinaの服を着ていたり
    するのってどうなんだろうなぁって
    考えさせられた一冊です。
    やばい経済学といい、まっとうな経済学といい
    こういった興味を持たせる経済の本というのは
    アメリカで生まれている事が多いような印象を受けます。

    色々思った事はあるのですが
    気になった点を一つだけ。

    アメリカで古着となったTシャツは分類され
    開発途上国で再度利用されます。
    通常の衣服としてだったり、雑巾として
    だったり用途は様々ですが、再利

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    2009年10月04日