木澤佐登志のレビュー一覧
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新年初めにCESが行われました。報道を見ると今年はAI、AI、AIで、AIをテーマにした企業同士の連携、提携の話題ばかりが目につきました。そもそもはコンシューマー・エレクトロニクス・ショーとして最先端のテレビがお披露目される見本市だったと思うのですが、インターネット、データ、AI,という流れの果ては、いけてる技術を「見る」イベントから、世界中のテクノロジーに「見られている」ことを見せつけられるイベントになっているような気がします。個人をエンパワーするはずのテックの行く末…本書で「規律権力」から「環境管理型権力」へのシフトに触れられた時、ワクワクしなくなったCESを思い出したりしました。このよう
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ネタバレニックランドは民主主義社会に進歩的なものが隆盛になり、右派は今後もリベラルによって衰えていくだろうとして、右派に、新反動主義というネオナチとは一線を画すと同時に差別的な思想を提示し、少数派のリバリタリアンたちには声というアプローチではなく、民主主義から出口〈exit〉し、コーポレーションのような新官房学的な一部の人たちによる会社のような政治をさせる(アメリカの憲法には民主主義がなく創始者たちは民主主義に反対していたことを含みながら)というヒントを与えた(それが、ピーターティールのやっていることだが)。この書を読まずして現在のアメリカ社会への理解は難しいであろう。また、現時点はここまでに留めてお
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「闇の自己啓発」という名の読書会を書籍したものです。課題図書としてあげられているのが以下になります。
『ダークウェブ・アンダーグラウンドー社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』
『幸福な監視国家・中国』
『明日、機会がヒトになるールポ最新科学』
『銀河帝国は必要か?ーロボットと人類の未来』
『現代思想』2019年11月号特集「反出生主義を考える」
『親密性』
本書に登場している方々の博識乱舞にも驚きますし、私があまり読んでこなかった書籍が多く登場しています。なので、あまり中身に寄り添うことはできなかったのですが、なんとかついていくことができたような、できなかったような、、
私にとっては、刺激 -
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社会のはぐれモノであり、論客(知識人)による自己啓発によって「正しさの奴隷」とされた社会へのアンチテーゼ。
Twitterという場で交わされる"議論"とは全く違う互いへの尊重と理性,客観性が兼ね備えられ議論。
社会の闇にこそ、今や将来を考える輝きがある。特に宇宙開発について、光速と物理的な距離において世界が絶対的に"外部"を持ちうる。という考えにどこか救われた。Exitがある。世界は外側に向けて開けているのだと、証明してくれた。
そして「人権のない人間>人型のロボット」と「訪れることがなかった「未来」に対するノスタルジー」どれもが外部にある知恵との接続で -
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この本で「闇の自己啓発」されるかどうかは読み手次第だと思うが、膨大な数の引用と普段用いないような概念の数々で、次に読むべき本との出会いや知識(教養?)の広がりにはなった一冊。
個人的には、ちょうど並行して読んでいる「ホモ・デウス」とリンクしている部分が多く楽しめたと思う。
「読書会」なので、読んだ本に関する感想とそこから連想される様々な作品、概念、思想への言及で、「XXの研究結果から~」みたいな話はあまりない。
あくまで、参加者同士が良くも悪くも勝手に議論しているだけが、いちいち連想が凄すぎるし、なんでそんなこと覚えてるんだろう(褒め言葉)というものが全体に渡っての所感。 -
購入済み
読み応えがあった
ダークウェブ のことをほとんど知らない状態でしたが、興味があったので読んでみました。
前半はなんとかついていけたものの、後半からは内容が難しくなっていったように感じてしまいました。
ダークウェブ の概要から、思想や哲学に至るまで詳述されていて、かなり読み応えがありました。
ダークウェブ 含め、ITジャンルの知識を深めてから、もう一度読んでみたい本だと思いました。
この本の内容がよく理解できる日が来るように、研鑽を積みたいと感じさせられました。 -
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ネタバレ自分のダークェブについてのイメージが、まさにアクセスした途端に個人情報などを抜かれて云々だったので、作中でズバリと言い当てられたのには笑ってしまいました。
ダークウェブの本だから、ペドフィリアとか麻薬とか殺人請負とかそういうサイトの話も出てきてそれもとても興味深かったのですが、前半のダークウェブができた歴史とか背景の話が面白かったです。
匿名性というのは悪いことをする隠れ蓑ではなく、国や政府の監視からの自由、権利を守るための武器であるという考え方に目からウロコというか、あぁそういうことなのかと思いました。(そう思った自分も案外監視慣れしていたというか平和ボケしているというかw)
疚しいことが -
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ネタバレ2025年3月19日、グラビティにてグラ友の東大生が投稿してた。帯に「イーロン・マスクはなぜ火星を目指すのか?」って書いてあり興味増した。
「インターネットを使うなかで闇を見てしまうことはあると思う。インターネット空間でどのようにして私たちはアンダーグラウンドなものに足を取られず、深層を覗かずにどう生きていけるのか、その問題を考えるうえで木澤さんの本書はすごく役に立ちそう。
この本は理論的にならず書いているので、頭を使ったり行間を読んだりする必要がない、議論の交通整理という意味でとても質の高い内容だと思います。
人文学のサイエンスコミュニケーションも大事だと思う。本書を読んでそういうことも考 -
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そのタイトルからしてダークウェブの実態やテクニカルな側面が詳しく解説されているのかと思い手に取りましたが、読後の印象はまったく異なるものでした。最初はダークウェブと聞いて悪の巣窟や無法地帯のイメージが強かったものの、本書を通じてそれだけではない、より複雑な背景や思想があることを知ることができました。
印象的であったのは表現の自由という理念がダークウェブの中核に存在しつつも、オルタナ右翼や新反動主義といった反動的な思想とも結びついていく過程が描かれていた点です。この自由の追求が単なる技術的な枠を超えて、インターネット史や社会思想の転換点として語られている部分には非常に考えさせられました。
一