小島毬奈のレビュー一覧
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国境なき医師団に、助産師として登録し、中近東やアフリカや難民キャンプや難民救助船など勤務を行った著者による「難民救助の活動から見えてきたこと」について。
これは大人にも、中高生にもお勧めです。
著者は、国境なき医師団の活動、その中でも助産師としての活動を通して、各国の特徴や、援助する側とされる側の関係も考えてゆく。
援助する側が上から目線や「与えてやる」になってはいけない。
しかし現地国の情勢によっては一生懸命働くことが評価されないためできることが限られたり、医師の地位が高すぎる国では医師が何もせずに威張っていることもある。
著者から見た各国のスタッフの違いも興味深かった。派遣という制度だと -
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1日1日がもうバタバタですごく大変なんだろうな、というのがまず読み終わった感想。
そして、国際組織の中で自分の意見を言う、必要なものを請求することの大変さ。
欧米主導の支援機構には「できないからやってあげる」「持ってないからあげる」という考えを持った人が多く、その善意が現地の人々に『援助慣れ』を生んでしまうと著者はいう。
技術や知識を現地スタッフに覚えてもらって、継続的に働いてもらうこと。それが一番だけれど、多国籍のボランティアからなる国境なき医師団だから、ひとつの方針にまとめるのが大変!
例えば、レバノン人が時分の意見をごり押しすると、ドイツ人がそれはルールに則ってないと反対し、アメリカ人は -
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中村哲さんの『アフガニスタンの診療所から』や、漫画『コウノドリ』などとの併せ読み推奨。いとうせいこうさんの著書も気になるところ(未読)。
命を守るのも、命を看取るのも命懸け。
自分のお産の時も、微弱陣痛からの胎盤用手剥離やら吸引分娩やらで大変だったけど、もしもそれが難民ボートの上だったり、泥んこまみれの難民キャンプ内だったりしたら、と想像すると恐ろしい。そして、赤ちゃんの腕を骨折させても一切責められないなんて!日本や欧米の医療訴訟のヒステリックな様子と思い合わせると、何という違いかと驚かされる。
本来、産と死は予測不能で、全てをコントロール下に置くことは不可能な出来事のはずだけれど、たぶん、 -
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国境なき医師団について、私の読んだ2冊目の本。
前回は看護師の方の本でしたが今回は助産師さんの書かれた本です。
発展途上国や紛争地域で女性の地位が低いのは何となくしっていましたが、思っていたより悲惨な状況だということを知りました。
難民の問題についても日本では対岸の火事というか、どうしても自分たちの身近な問題とは考えられない傾向にあると思います。
けれどSDGsを目標にするならば、日本ももっとそういう問題を考えなければなりません。治安悪化などの問題もあるとは思いますが、欧米だけに負担を強いるのは無責任だと感じました。
これから主に、難民受け入れに対する問題を考えていきたいと思います。 -
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文章はうまいわけじゃないが、等身大の感じがよかった。
実際経験したひとの言葉とあって考えさせられることもあった。
自然淘汰される命に、蘇生しない指示をだしたり、救えない命と判断したら緊急搬送や輸血は控えるなど、びっくりするような現場の話に、自分はとてもそんな責任や判断できないな、という気持ちもあれば、ひどいなぁ、と思う気持ち色々な思いがでてきた。
ただこういう活動をするには自分のスタンスや考えをしっかりもつものであるから、作者の考え・ポリシーを織り込まれるのはいいことであると思う。
それをいいか、悪いかは読む側では決められない。
現場で活躍する人たりはこうやって体験し考えて、こういうポリシ