薬師院仁志のレビュー一覧
-
民主主義には、自由を重んじるアメリカ型の自由民主主義と平等を重んじるヨーロッパ型の社会民主主義がある。自由主義は地方分権的になり平等主義は中央集権的になる。日本の左派政党は、社民的な主張をしながら地方分権を説いたりして立場がわかりにくい。等々、ざっくりとシンプルに(新書らしく割り切って)話を整理して...続きを読むPosted by ブクログ
-
私の長年の「日本の翻訳文化・翻訳語」についての関心・疑問に十分答えてくれており、感動しました。それは、柳父章さんの「翻訳語の論理」を知ってからのことですが、これには、大江健三郎さんの「あいまいな日本の私」が一定答えてくれてもいました。
ついては、この著書がその「あいまい主義」をより明確にしてく...続きを読むPosted by 読むコレ -
この本はすごい!!!!日本の国語教師は全員読むべきだ。
・野球のストライクと労働のストライキは英語は同じだが、日本語になると全然違ってしまう。
・動画とは、日本では昔アニメのことだった。
・日本で外来語を翻訳する際につくった造語が独り歩きし、元の意味とは違う独自の意味を帯びるようになっていく。
・『...続きを読むPosted by ブクログ -
めっちゃ鋭い。英語熱への懸念は私も感じていたので、なぜ英語が出来るようになりたいのかを再考したほうがいい。語学習得の道のりを歩くより、日本をよく知ることで真のグローバルな人間になれる。Posted by ブクログ
-
関心が高いテーマだったので、大変興味深く読みました。
文字を発明できなかった日本人は、漢字を輸入した際に、抽象語の殆どを漢語に任せてしまいました。当然、真に理解などできません。
日本語の二重の悲劇は、西洋の概念を翻訳する時に、同じく外来語の漢語に訳すしか方法がなかった事です。
民主主義など、「...続きを読むPosted by ブクログ -
惜しい。
着眼点は良く、取り上げる言葉も社会学者としての専門性と一般人の興味がちょうど重なる領域のものが選ばれていて、そこから日本人の思考の流れの癖のようなもの、そして議論の方向性のようなものに関する考察が提示されるものと期待した。
しかし、内容はほとんどが語義の解説に割かれ、備忘録に集めたメモを集...続きを読むPosted by ブクログ -
薬師院仁志 「英語を学べばバカになる」 2005 光文社新書
刺戟的なタイトルにして手にとってもらおうという魂胆なのだろうが,他の新書と較べてどうも光文社新書は本のタイトルと内容のズレが大きい気がする。本書の趣旨は,英語学習熱や英語公用語論に対する批判。日本人に英語が必要だという主張が妄想である...続きを読むPosted by ブクログ -
日本では,「冷戦終了によって社会主義は終った」みたいな誤解があるが,欧州などでは社会主義は健在。19世紀中ごろから20世紀中ごろまでの社会主義の歴史を見ながら,誤解を正し,誤解の原因を探っていく。
筆者は社会主義を「生産活動が私的なカネ儲けの手段と化さないよう、それを理性的な意思決定の下に統制す...続きを読むPosted by ブクログ -
世間に喧嘩を売ってるようなタイトルですが、
中身は至極真面目に客観的・論理的に語っており、
なるほどと思う点も多々見受けられた。
目から鱗の1冊。
〈目 次〉
第1章 英語をとりまく状況
英語で言えばエラい?/英語=世界標準には根拠がない/国連の公用語/「英語は世界の共通語」は日本の常...続きを読むPosted by ブクログ -
ヨーロッパでの左と右、日本での左と右というのがまるで違っていること、ヨーロッパの民主主義と日本の民主主義って言うのは違うってこと、民主主義は一つじゃないんだよ。
日本とフランスを特に比較して論じるわけではないが、民主主義を学ぶためにはおもしろいものであるし、フランスの民主主義が何を目指しているのか、...続きを読むPosted by ブクログ -
右左を始めとして様々な政治「イズム」ジャーゴンの意味が各国で違うことを検証整理。民主主義のタイプを「米国型自由」と「仏型平等」の2つに大きく分け、仏の建国理念からくる愛国心と普遍主義の強固な結びつきを紹介しつつ、平等観念の薄い日本の現状と左派の破綻迷走による政治的無力を叱咤する。Posted by ブクログ
-
中学時代から自由については考える機会が多い。自由はそれに伴う責任があるわけで、それをどれだけ受け入れられるかにもよる。筆者は(文中では否定しているが)とても平等主義に考えがよっている気がする。Posted by ブクログ
-
フランスの社会のしくみと日本の社会のしくみが対比されていて、戦後左翼の自由主義への標榜が、まったく間違った方向に進んでいってしまった事が良く分る。自由平等は民主主義の目指す基本だが、それは対立する観念であり、左翼は平等と国家主義であることを論理的には目指すものだと力説されている。フランスの現状のみな...続きを読むPosted by ブクログ
-
主に英仏独ソの社会主義運動の展開を論じた本。理論についてはあまり触れていない。
どの国でも、エリートによって上から作られた運動が挫折、妥協、分裂などを経て広がっていった様がよく理解できた。Posted by ブクログ -
日本とフランスとのことだが、その媒体としてのアメリカも絡めての民主主義、保守化、リベラルのあり方について読みやすく書かれていてためになった。
共和という、あまり日本では聞かれない言葉についても例をあげて説明してあり、けっこう理解がしやすかった。Posted by ブクログ -
アメリカ型「自由」フランス型「平等」
自由主義⇒保守である
米国では宗教的自由求める
日本型 小さな政府⇒官から民
=自分の権利と自分の自由
フランスは不自由を求める?
米国は個・フランスは連携Posted by ブクログ -
社会主義と共産主義の違いを説明できる大人ですか?
多種多様になって理解困難な「社会主義」を再確認しよう。
学校の授業でもわかりづらいのでサラッと習う社会主義。再理解。
_____
p31 イギリスから
社会主義の発端はイギリスから。資本主義が初めに始まったのもイギリスで、実践面では労働運動...続きを読むPosted by ブクログ -
西洋のシステムを移植するということと翻訳とは同時であり、その瞬間に誤解は始まっている。そして、私たちは本著者のように何度も何度も鏡を見てはselfreflectionを健気にも続けるのだ。漱石先生が胃痛とともに持ち帰ったコンプレックスは反芻され、「日本」の「近代」との居心地の悪い同床異夢はやがて「宿...続きを読むPosted by ブクログ
-
社会、市民、民主主義、権利…といった用語は翻訳語だが、日本語や漢語の語感にひきずられることで、原語のニュアンスから離れ理解が難しくなってしまう、という話。確かにそうだなと思う。Posted by ブクログ
-
英語かぶれを批判するフランスかぶれ。
論旨以前に、相手を批判するときはデータ持ち出すのに、自分が主張する際には経験や事例をすぐ一般化するのはどうなんだろう。Posted by ブクログ