ステファン・セジクのレビュー一覧

サンストーン vol.1

ステファン・セジク / 上田香子

BDSM（ボンデージSM）のプレイメイトとしての「恋愛抜きのセックス」を一切否定しないまま、プレイメイトを好きになっちゃった2人の恋を「友達を好きになっちゃった両片想いレズビアンラブストーリー」として描き切っている。
セックス描写はかなりエロティックだけど、BDSMというプレイにおいて（安全のためにも）かなりきちんと信頼と同意のプロセスが確立されているのは、セックスについて考える上で興味深い。SMといっても痛めつけるよりは、支配/被支配のロールプレイがメインなので怖くないです。
もっと大人のドロドロしたセクシードラマかと思ったら、やってるプレイはどエロいけど、2人の恋はまるで思春期のようなすれ違い&モダモダでカワイイ。エロ美しい絵と衣装も楽しめます。

サンストーン vol.1

ステファン・セジク / 上田香子

クロアチアの「ホットなレズビアンのボンテージ・セックス」を描いたコミック、色遣いからコマ割り全てに至るまで普段読んでいる漫画と全く違ってとても新鮮。

サンストーン vol.2

ステファン・セジク / 上田香子

とても、おもしろい。1巻もそうだったんだけど、百合のBDSMという過激なモチーフとアメコミならでのダイナミックな構図かつ美麗な絵で、吉田秋生なみの繊細な感情表現をしているのがフレッシュに感じる。

2巻は前巻と比べてBDSMというテーマ性が前面に出てくる。登場人物がBDSMに対してある種の中毒状態になる描写や、BDSMが物理的に危険であるという話が興味深かった。自分にとっては完全に異世界なんだけど、感情描写がていねいで登場人物に寄り添っているので、読んでいていつのまにか感情移入しちゃっているんだよなあ。このマンガがきっかけでBDSMに目覚める人もいるのではないだろうか。

おまけの絵も、二次創作感が強くいちいち楽しい。作者はJRPGが好きなようで、BDSMとオタク文化って意外と相性がいいのかなあと思った。

サンストーン vol.1

ステファン・セジク / 上田香子

エロチックなモチーフだけど、心理描写が繊細でよかった。主人公カップルは、はじめはチャットで知り合ったBDSMのパートナーだったが、そのまま地続きで、すぐに友情が芽生えていくのがおもしろい。ちょっと風変わりな恋愛マンガ。２巻も読んでみよう。

あと、おまけページのアートワークで、ボンデージ衣装を着た登場人物を「JRPGのダメキャラみたい」と書いてるのには笑った。