石井暁のレビュー一覧
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2024シーズンのTBSドラマは『不適切にもほどがある』で盛り上がってるけど、ここはやっぱり『VIVANT』!
と、ドラマ好きが集まる宴会にむけて読破。(動機!)
これはネタ元の一つだわ!と疑いようのない内容でお腹いっぱいになった。前半がルポ、中盤からは取材ドキュメンタリーという周回構成。どのくらい真相に迫っているかは確かめようもないが、ミステリーのようにベールが解かれていく様はハラハラする。思わず二度読み。
真偽はともかく、考えるべき点が2つ用意されている。
1.別班はシビリアンコントロールから外れとるよ
2.別班は人権侵害しとるよ
ジャーナリスト視点なので批判的なスタンス(名古屋弁 -
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最近流行ったテレビドラマの中で言及が在った存在の「実際」ということで、2018年に登場した本書に脚光が当てられていた。関心の在る分野でもあるので、本書を入手して紐解いてみた。
ゆっくり読んでみた。「“謎”が更なる“謎”を招じる?」というような側面が在る内容だとも思ったが、興味深く拝読した。
「特定秘密保護法」というモノが在る。2013年に成立して2014年から施行されている。「防衛」「外交」「スパイ活動防止」「テロリズム防止」という4分野の中の特定の項目に関連する情報を「特定秘密」に指定し、その取扱い方を定めて情報漏洩を防止するという主旨であるという。そういうようになると、「特定秘密」に「何が -
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自衛隊に公表されていない組織「別班」についての一冊。別班について記者である著者が、数年にわたる取材経過をまとめ、記事として発表した内容が記されている。自衛隊に公表されていない組織があるということ自体、この本を読んで初めて知った(本著でも紹介されているが自衛隊関係者等が過去の著作で触れたりはしていたようである)ので、大変興味深く読むことができた。ヒューミントは必要だと思うけれど、何故公表してないのか、その点はよく分からなかったし、大変闇が深いような印象付けする形で本著は記されているけれど、本当にそれほど深い理由等があるのかも含めてよく分からなかった。
そういう意味でタイトルである正体という点より -
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日本人って自衛隊が好きだよね。
災害が起こったときには、自衛隊が派遣される。そのことにビックリするほど感謝する。
もちろん、プロフェッショナルな方々への感謝は大事だ。でも、他のエッセンシャルワーカーらへの感謝と比べて、自衛隊へのそれは大きすぎないか?と感じることはよくある。
自衛隊という名称のせいで誤解しがちだけど、自衛隊は立派な戦力だ。
もしコントロールが効かなくなれば、先の大戦時のように、軍部の暴走という結果につながってしまう。
だけど、そのことを真剣に考えている国民はいったいどれくらいいるのだろうか…と思う。
本書は、そんな自衛隊に対して深くメスを切り込む。
取り扱うテーマは自衛隊の -
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本書は、身分を偽装した自衛官に海外でスパイ活動をさせている、陸上自衛隊の非公然秘密情報部隊「別班」の実体に迫ったものである。
「別班」は、ロシア、中国、韓国、東欧などにダミーの民間会社をつくり、民間人として送り込んだ「別班員」に、ヒューミントつまり情報工作活動を展開させている。
日本国内でも、在日朝鮮人を抱き込み、北朝鮮に入国させて情報を送らせる一方、在日本朝鮮人総聯合会にも協力者をつくり、内部で工作活動をさせている。
たしかに、アメリカのDIA(国防情報局)のように、海外にもヒューミントを行う軍事組織は存在する。
しかし、いずれも文民統制(シビリアンコントロール)、あるいは政 -
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自衛隊別班についての取材内容が分かりやすくまとめられており、読みやすかった。取材から報道までがストーリー仕立てに描かれており、緊迫感が伝わってきて面白かった。別班になった人のその後については恐ろしい内容だった。
取材は会食を絡めてが多かったようだが、取材される側からすると、気持ち良く食べたり、飲んだりしてる時に、知られたくない事を聞かれるのは嫌だろうなぁ。「今日の話はなかったことに」って相手から言われても、そう言われた事自体を本に書いちゃったり。相手が質問に答えなかったとしても「おそらくこういうことではないだろうか」という感じに話を進めたり。その結果、命を狙われたりもしてるけど、それでも書くと -
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ネタバレ時間をかけ、難しい素材に挑んだノンフィクション。
自衛隊の諜報防諜機関、「別班」。その任務の特殊性から存在すら公式に認められなかった組織。
首相や防衛大臣すらその存在を知らず、しかも海外においても諜報防諜活動をしている。
同種の組織は各国にあるが、日本の場合、「シビリアンコントロール」原則に明らかに反する。
報道できる質量充分な情報をどのように集めるのか。現役の自衛官に聞いても、OBに聞いても、「知らない」「答えられない」。
最後、「報道するときは48時間前に報せてくれ。あなたを死なせないようにするため、護衛をつけるから」とまで言われた上での報道となった。
労作。 -
Posted by ブクログ
196ページ
800円
12月2日〜12月5日
災害派遣は自衛隊の一面に過ぎず、その本質はあくまでも軍事組織である。非公然の秘密情報組織部隊「別班」は、首相、防衛相にも知らせずに海外展開し情報収集活動を行うという、帝国陸軍の「負の遺伝子」を受け継いでいる武力組織である。5年半の月日をかけて50人以上の話を聞き、その断片をつないで紡いだ一冊。
読みながらずっとVIVANのテーマ曲が頭の中を流れていた。本当にこんな秘密組織が存在するのか?とある種の理想のような気もするが、全くの空想でもないのだろう。政府もあえて知ろうとしない存在があったり、情報がコントロールされていたりするのだろうと疑う心をも