本当に断片的な読後感をつらつらと書いて、後日また書き直すと思う。
・所々に(共感の意味でも反発の意味でも)気に入った言い回しがあったり、自分が好きそうな哲学めいた文章があったのでそこは楽しめた。だが、物語を楽しめた気にはなれなかった。
・長編小説を読んで、思い入れのある登場人物がほとんどいなかった
...続きを読む小説は初めてかもしれない。しかし、その希薄さが重要な気がした。主人公の希薄化。(普通の定義は難しいが、)主人公が極めて普通に近いということ。
・最後に主人公ハンス・カストルプに山を下らせたものが何だったのかまだ言い切れない。他にも登場人物の行為でわからないことがある。だから、わからないことが多くてとても引っかかる小説なので、この点ではすごく楽しいと言っていい。
・村上春樹が「魔の山」を意識しながら「ノルウェイの森」を書いていたのが、物語の途中にもたびたび思い出された。
・最後の問いかけはずるい。
こんなに適当なことをコメントしていいのか、いや、まずいのだが、このよくわからない読後感を書き出しておきたい気持ちが強いのだった。