望月市恵のレビュー一覧

  • 魔の山 上
    とにかく長い。退屈。特に何も起きないまま上巻が終わる。ちょこちょこ動きはあるのだけれど。サナトリウムでの様々な人々との交流を通した青年の成長物語、とでもいうのかしら。病気、死、宗教、戦争、いろんなテーマを登場人物を通してひたすら討論していく場面が続く。しんどい。下巻、盛り上がりを見せてきたところで終...続きを読む
  • 魔の山 下
    とてつもなく大作。
    様々な人が入り混じり
    通り過ぎ去っていく…
    そしてハンス青年は変わらず…

    彼の心はどこか空っぽだったのかもしれませんね。
    最終的には強制的に魔の山からは
    去らざるを得なくなり、
    必然的にこの物語は幕を閉じます。
    いつかはやってくるのですよ。
    自主性を持つ日が…

    結局のところセ...続きを読む
  • 魔の山 上
    これは読むのに苦労したなー…
    なぜならば終盤のハンス青年の
    ほのかな思いが成就するときに
    他の言語でしゃべっているのを表現するために
    カタカナ混じりの会話になってるのよ。

    平凡な位置青年であるハンスが
    いとこの療養に付き合いうために
    3週間の期限付きでサナトリウムに
    行くことになったけれども…

    ...続きを読む
  • 魔の山 上
    上巻は3日、下巻は読み終えるのに1ヶ月半もかかってしまった。
    なんと切り口の多い作品。。
    まだ完全には消化しきれていない状態でこの文章を書いている。

    こういった間口の広い作品は、
    フィニッシュをどこに持ってくるかという問題があり、
    巻末の解説でも書かれているように、
    実は作者自身も明確にはそれを決...続きを読む
  • 魔の山 下
    下巻に入ると俄然興味深くなってきた。フリーメーソン会員であるセテムブリーニとイエズス会士のナフタによる論戦は20世紀初頭の時代精神を感じさせるし、そうした形而上学的議論を吹っ飛ばすペーペルコルン氏のわかり易い器の大きさとその退場の仕方は現代的だ。物語は「人間は善意と愛を失わないために、考えを死に従属...続きを読む
  • 魔の山 下
    世界史にも出てくる名著。
    正直かなり長く、読むのがしんどかったが、途中から引き込まれていったことは否定できない。
    非現実的な「魔の山」と主人公の生活ぶりは、とても面白かった。
    最後の急展開には驚いたし、生きて帰ってきていたらいいなと思う。
  • 魔の山 上
    上下巻合わせて1200ページ余りながら、不思議な物語と精神論・宗教論が混ざり合い、非常に難解な物語でした。
    読み進めることが、まさにタイトルのごとく「魔の山」を登ることのようでした。。。

    と冗談はさておき、
    本書は、主人公ハンス・カストルプの結核を中心に、病気という面から「生と死」の考察と、サナト...続きを読む
  • 魔の山 上
    訳もわからず、政治談議などはすべて飛ばすという荒技で読みとおした。
    よく分からないがものすごい衝撃を受け、これこそ生涯の一冊だと心に決めてしまった。
    多分、この本の中に世界があると感じたんだと思う。「mondo libro」だ。
    勢いに乗って、ドイツ語版まで買ってしまった。
    しかし最初の一文を読んで...続きを読む
  • 魔の山 下
    いやー難しい。50%も理解してない気がする。
    抽象化して抽象化しての感想を言うと、
    なんの制限や規範もない中で、
    有意に、豊かに生きることは重労働だなぁと。
    なぜなら自由は人を退廃化させるから。
    無規範は退廃。退廃とは死。
    一元的にならず、総合的に進歩していくこと。偏らないこと。
    それが生きるという...続きを読む
  • 魔の山 上
    アカデミック。
    時間概念や、形式論に関する会話はとても楽しめた。
    内容もきわめて哲学的で、
    人生の書と文句に違わない。

    「彼らには三週間ぐらいは一日と同じさ。ここにいると概念が変わってくるからね」

    「祖父のその絵画的な姿を祖父のほんとうの姿と感じ、日常の祖父はいわばかりの姿の祖父、間に合わせに不...続きを読む
  • 魔の山 上
    山頂のサナトリウムで、共に暮らす知人が次々に結核に倒れていく中で、議論し恋愛する現実離れした登場人物たち。
    衣食の心配なくこんなところで人生論ぶちかましているなんて、いいご身分とも思ってしまう。
    ハンス・カストルプがあっという間にスキーが上達したのに驚いた。雪の中の単独行のシーンは幻想的だった。
    ...続きを読む
  • 魔の山 下
    難解。きっと何度読んでも読むたびに新しい訓が得られるに違いない。

    食堂、横臥療法中の音楽鑑賞、ショーシャ夫人の肖像画、は面白い。
    ヨアヒムの死は美しいし悲しい。
    手回しオルガン弾きと生臭坊主とは胡散臭い。
    ハンスは何故下山し戦地に赴き空しくあっけなく散ってしまうのか、その意味がまだ理解できない。
  • 魔の山 上
    山の上の世界と下の世界。
    平凡に育った若者が隔離状態にある山の上で急進的な政治思想や哲学、覆った道徳・宗教、性、友情、死、自然に触れある種の光明を見出すまでの話。青春小説でありながら完璧な教養小説。政治・哲学・宗教についてはやや難解。社会全般に係る普遍的主題を全て盛り込んだ長大な小説は「実際的なファ...続きを読む
  • 魔の山 下
    セテムブリーニとナフタの論戦が所狭しと繰り広げられるが、肝心の登場人物たちの造形は、いささか記号的人物のように感じられて仕方がない。/

    第一に主人公ハンスだが、ショーシャ夫人に心惹かれるが、彼女がいったん山を降りると、手紙のやり取りで恋情をつのらせることもなく、たちどころに夫人を忘却の彼方へと打ち...続きを読む
  • 魔の山 上
    長い上に難しい言葉も多かったので若干読みにくかったです。注のところも多くて読み返すのが大変でした。ですが結末が気になるので下巻も読もうと思います。
  • 魔の山 上
    山上にあるサナトリウムを訪れた青年ハンス・カストルプが自らも結核を患っていることが発覚し、3週間の滞在予定のはずが魔の山にて長い時を過ごす教養小説…なのだが、上巻を読む限りでは主人公は小説内で流れていく時間そのものではと思えてしまう。時間と空間というのは世界の特性ではなく人間の意識の特性によるもので...続きを読む
  • 魔の山 上
    世界史にも出てくる名著。
    とにかく長くて、上巻だけでも読むのに苦労しました。
    ですが、内容は面白いです。
    がんばって下巻も読んでみます。
  • 魔の山 上
    村上春樹のノルウェイの森にでてきたので、購入したと記憶している。
    西洋の宗教観、歴史観等を理解していないためか、登場人物の台詞にまるでついていけなかった。(二年前)
    ので評価はいまいちつけがたい。
  • 魔の山 下
    本当に断片的な読後感をつらつらと書いて、後日また書き直すと思う。

    ・所々に(共感の意味でも反発の意味でも)気に入った言い回しがあったり、自分が好きそうな哲学めいた文章があったのでそこは楽しめた。だが、物語を楽しめた気にはなれなかった。
    ・長編小説を読んで、思い入れのある登場人物がほとんどいなかった...続きを読む
  • 魔の山 上
    学生から職場に勤務するようになる直前、ぼんやりと無気力に陥っているハンス・カストルプは、気晴らしと療養を兼ねて、従兄弟の居る山奥のサナトリウムに滞在することを勧められる。
    魔の山では下界と違った時間が流れ、病人たちが日々独特の生活を送り、その大抵のものは長く留まりすぎて下界に帰るところをなくし、魔の...続きを読む