ジェイムズ・Q・ウィットマンのレビュー一覧

  • ヒトラーのモデルはアメリカだった――法システムによる「純血の追求」

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    ナティスの反ユダヤ政策を進めるための法律、いわゆる「ニュルンベルク法」の検討にあたって、アメリカの人種差別的な法律が真剣に検討され、法案に大きな影響を与えたということを論証している。

    たとえば、フレドリクソンの「人種主義の歴史」を読むと、アメリカや南アメリカの人種主義とナティスの人種主義が、比較対比されながら、論じられていて、「人種主義」がナティスだけのものでないことがわかる。そして、この本を読むと、それがより具体的なものとして、理解できる。

    ナティス・ドイツがアメリカから学んだのは、黒人差別の根拠となる具体的な法律だけではない。

    歴史的に、アメリカは先に住んでいたインディアンを殺戮し

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    2022年07月08日
  • ヒトラーのモデルはアメリカだった――法システムによる「純血の追求」

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    結婚を犯罪にする法理

    ヒトラー率いるナチスによるユダヤ人差別やホロコースト(大量虐殺)と聞くと、ドイツという国の特異な現象だと思いがちだ。しかし実際は他国の思想や制度から影響を受けている。

    本書は、ナチスの反ユダヤ立法(ニュルンベルク法)が米国の法制度にヒントを得ていたという、驚くべき事実を明らかにする。

    米国といえば、自由と民主主義の国であり、第2次世界大戦ではナチスドイツと戦い、打ち負かした国だ。その米国の法律がナチスによる人種迫害・抑圧政策の手本になっていたという。

    本書によれば、ナチスが反ユダヤ立法を設計する際、悩みの種が二つあった。一つは、欧州には互いの合意に基づく異人種間の

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    2019年01月11日
  • ヒトラーのモデルはアメリカだった――法システムによる「純血の追求」

    Posted by ブクログ

    ナチスのニュルンベルク法作成に、アメリカの人種法・移民法が参考となった可能性を示唆する一冊。
    アメリカは異人種区別のパイオニアであり、それをドイツ仕様に差別対象を書き換えることは簡単だったのでしょう。
    入門書とは言えず、少し難い内容です。

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    2018年11月05日