田中優介のレビュー一覧

  • 地雷を踏むな―大人のための危機突破術―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    私自身は、あえて地雷を踏んで、雨降って地固まる、を、実践する派なのですが、当然、超上下関係など、踏まない、いや踏めない地雷も数多く存在します。そんな危機突破術を学ぶことのできる本で、社会人になる前の学生さんにもお勧めです。


    P31 上司には、YES! BUTで臨む。

    P34 モードの違いによる衝突を回避

    P48 「効率性の加減」というギャップ

    現在は昔と比べて様々な手続きやインフラの
    利便性が高くなり、スピードが早く、
    ペーパーレスになっていて、
    ある意味、効率性が美徳のように見られる
    時代になりつつある。

    しかし、この「効率性」も行き過ぎると
    早いだけの「即席」になってしまい、
    ここに年配者は不満を抱く。

    P50 若い世代が、他者とのコミュニケーションが
    苦手であることが、「報恩の加減」にまるわる
    ギャップの原因でもあるような気がしてならない。

    相手の心に響く感謝の言葉を、うまく伝えられない。
    こちらの嬉しい気持ちを伝える、上手な技法も知らない。
    恩に報いるのが下手なのです。

    「報恩の加減」は「効率性の加減」に次ぐ
    世代間の大きなギャップ。

    P58 好意と厚意は、地雷の原料の火薬

    好意については、
    自分に対して他者が抱くイメージ、
    あるいは相手にとって自分の存在価値が
    どのようなものかを強く認識して
    それを汚さないことを肝に銘じる必要がある。
    例としては、期待を裏切る行為であり、
    「期待を認識して、それに背かないこと」を
    意識する必要性がある。

    厚意については、
    「原点を忘れない」の一語に尽きる。
    ・お金を借りたなら、貸してもらうまでの
     みじめな気持ちを常に思い起こして
     ギャンブルなどを封印する
    ・就職の世話をしてもらったなら、
     無色の自分と現在とを比べて、
     どちらが幸せか常に比較する

    P61 人間関係構築に必要な五つの能力

    1. 開始能力

    自分の周りに良き人間関係を築くためには、
    「この人はキーマンだ」と思った相手と
    親しくなる必要がある。

    相手の第一印象を良くすることが、
    開始能力を高める。

    2. デザイン能力

    相手を引っかけるフックを探す

    3. 維持能力

    人間関係の維持に気を付けるべきことは、
    「ギブ・アンド・テイク」
    「シチュエーション」→「位置・立場・境遇」
    人間関係は日々刻々と変化する。
    位置の高低の様に、低い方が低姿勢で臨む。

    人間関係が劣化する原因は、
    「自分の劣化」「相手の劣化」「必要性の劣化」

    4. 修復能力

    ガス抜きや止血、傷口の消毒

    5. 収束能力

    おさまりをつけて終わらせる。
    お付き合いした年数と同じ時間をかけてお別れする

    P80 要注意人物を見分ける五つの眼鏡

    1. 言うことに一貫性がない
    2. 違和感のある言動が多い
    3. 他者の尊厳を重んじない
    4. 権利のサイクルを回す
    5. 向上心を失っている

    P91 SNSで炎上しないためのチェック

    ・サ:差別に関わる発言や映像
    ・ギ:業務を妨げる発言や映像
    ・ヒ:誹謗中傷する発言(根拠なく)
    ・シ:私生活の自由を侵害する発言や映像
    ・メ:名誉を毀損する発言や映像
    ・キ:機密を漏洩する発言や映像

    p108 困った人

    こちらの言うことを聞いている途中で、
    頭に浮かんだ疑問に意識を奪われて、
    話を聞くのがおろそかになり、
    言われていることを十分に理解できなくなってしまう人。

    あるいは、こちらが話している途中で、
    疑問に思ったことを聞いてしまう人

    困った人へのアドバイス
    ・疑問が浮かんだら書き留めておき、
     まずは相手の話を「最後まで聞き切る」
     という姿勢を持ちましょう

    ・最初に「相手の話の焦点(真意)を掴む」
     ことを意識しましょう

    ・相手の話に「賛同する言葉」を述べた後で
     質問をしてみましょう

    P117 戦法は人を見て変える

    「こちら側の過失の程度と相手によって
     ”折れる””戦う””防ぐ””かわす”の、いずれかを選ぶ」

    「相手の要求レベルを分類して、対応の方法を選ぶ」

    P123 プラスだと思うことのマイナス面を見逃すな

    危機管理の正しい姿は、
    「悲観的に備えて、楽観的に過ごす」

    多くの人が見逃がしなのは、
    「良いこと」「前向きなこと」の
    陰にひそんでいるリスク。

    本人はプラスだと思っている行為で、
    実際に概ねその通りだが、
    実は反作用があって、マイナスもある。

    ・相手の嫌いな人を誉める
    ・派閥に関連した人間関係の明示

    P129 危機を洗い出して想定外を無くす

    ・危機を「天災」と「人災」に分ける
    ・「加害者になる危機」と「被害者になる危機」に分ける

    という2×2のデザインで考え、更に
    ・人に関する危機
    ・物に関する危機
    ・金に関する危機
    ・情報に関する危機
    に分類して何が起こり得るか想像し、
    できる限りの予防策を講じる。

    0
    2020年01月16日
  • 地雷を踏むな―大人のための危機突破術―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    著者は危機管理会社を経営している。魚が何か不祥事をしたときどのように謝るかでその後の対応が大きく変わってくる。どのようなセリフを言えばいいのかきちんとアドバイスしてくれる人は必要だなと思った。

    0
    2024年10月02日
  • 地雷を踏むな―大人のための危機突破術―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    危機管理コンサルタントの著者が説く、「地雷」を踏んだ場合の対処術。

    コンサルタントが絡むような危機管理となると、企業などしか関係ないのかというイメージになる。
    だが、本書は日常的な人間関係でのトラブルも含めた事
    例を解説していく。

    例えばセクハラ、パワハラと感じさせないよう、人間関係をデザインするにはどうしたらいいか。
    借金や離婚を巡って、親しかったはずの人が泥沼の争いに陥るのはなぜか。
    その人がいないところでほめるとよい、などという話も別の本で読んだことがあるが、「好意」や「厚意」が反転するリスクもある行為だというのは、なるほどなあ、と思った。
    あるいは、反社会的勢力に関わってしまった場合どうするかという問題も扱われている。
    今、ターゲットが企業から個人へシフトする傾向にあるというので、その意味でも個人が知っておくとよい内容だとも思った。

    弁護士や警察との付き合い方についての指南もある。
    何かを相談するには、証拠を持っていくといいとのこと。
    地域の防犯協会を通して警察とは関係を持っておくといいという話もあった。

    ところで、本書の中で様々な事例が取り上げられているのだが、世間がかくも「面子」を重視しているのか、と感じた部分があった。
    例えば省庁からの検査を受ける企業が、来た役人が無駄足になったと思わせないように、わざと軽微なミスを残しておくなどという話。
    世の中って、そうやってできているのか…

    0
    2024年08月31日
  • 地雷を踏むな―大人のための危機突破術―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

     地雷を踏んでるなぁとこの間を振り返っていたら、この本があった。さっそく読んだ。この本は、リスクヘッジの実績と経験の上に書かれているので、たくさんの気づきがあり、とても参考になった。確かに、SNSのない時代は、地雷は固定されたところにあったが、今は地雷は至る所にあり、地雷が変化しているという指摘は確かだ。被害者と思っていたら、知らない間に加害者になっているということが、世論によって巻き起こってしまう。怖い世の中なのだ。
     著者の指摘は、人間関係のデザインがいるということを主張している。会社の上司と部下、友人関係、先輩と後輩、家庭の中でのポジション、人間関係の濃淡のなかで、どのような人間関係デザインを想定するのか。そして、行為によって、その関係が変化する。多様な修正と価値観が生まれることで、衝突する場面が増大している。簡単にラインやSNSで連絡することによって、人間関係が希薄となり、勘違いや誤解が生まれやすくなってきている。
     5章に分かれていて、1章、人間関係という地雷。2章、人間関係構築に必要な5つの能力。3章、エリートはいかにして危機を回避しているか。4章、警察と弁護士は使いよう。第5章、謝罪という名の救急病院。うまい、構成だ。
     第1章では、人間関係で,①モード(雰囲気)の違いというギャップ、②パーソナリティによるギャップ、③「岸」(立場)による見え方のギャップ、④世代間のギャップを上げている。
    「言っていることは間違っていない」「このやり方でずっとやってきた」「知らなかった」「眠らずに一生懸命やっている」「私は悪いことをしていない」「ブレーキが壊れていたのだ」と当事者の意識がズレていることで、炎上してしまう。
     結局、ギブアンドテイクの関係が崩れた時に、どうデザインを変えるのかだ。お金を貸して、と言われて貸した時には、人間関係デザインは変化している。返せと言った時に「俺が苦しいのをわかっていて、なんで催促するんだ」と言われることで、逆恨みされる。そいう時は、貸した方が悪いと思って攻撃してしまう事例が多いようだ。
     第2章では、人間関係に必要な5つの能力。①開始能力。キーマンをきちんと見つける。有効な手土産はお金ではなく、情報。②デザイン能力。③維持能力。④修復能力。バランス感覚。相手のダメージを理解し、相手の痛みをよく理解して、修復する。災い転じて福となす。⑤収束能力。きちんとした手打ちをする。ある意味では、一番重要なことで、燻り続けて、突然爆破されることもある。香川照之の場合は、示談が済んだと思い込んでいたが、それが爆発した時に、当初はノーコメントで逃げちゃったことで燎原の火のように炎上した。とても好きな役者さんだったので残念であるが、これを芸の肥やしにして、再び再復活してほしいと願う。
     人間関係の劣化は、自分自身の劣化。相手の劣化。必要性の劣化があり、劣化に伴ってデザインを変えていく必要がある。
     要注意人物は①言うことに一貫性がない。②違和感のある言動が多い。③他者の尊厳を重んじない。④相手に何かしてあげてときに、きちんとお礼を言ってこない。⑤向上心を失っている。ありゃ。オレだ。困ったもんだ。
     第3章は、トラブル社会では、根回しが必要なのよ。そして、知らず知らずに相手を巻き込むのだ。
    有利な立ち位置は、①太陽を背にする。(正義、大義名分)②風上に立つ。ふーむ。小泉首相のうまさはこの二つを駆使してことだったんだ。
     重要なのは、追い詰めるばかりでなく、相手に逃げ道を作ってやることだ。
     第4章、警察と弁護士は使いよう。たくさんの弁護士に関わってきてことで、弁護士は万能じゃないなぁと思った。専門があるのだ。会社法をあまり知らない人に会社の件を頼んでも負けるのは明らかだ。
     第5章、謝罪。うーん。これが一番難しいなぁ。サンドイッチマンの漫才にも謝罪を面白おかしく言っていたが、謝り方で、かなり違う。土下座すれば、謝罪になるかといえば、ならない。私なんか、座るだけで土下座している。名前だけで、本人はちっとも謝っていないのだ。
     謝罪とは、解毒であり、そのために問診、検査、診断、治療、予後の経過観察。①感知する。危機を招いたと感じたら、真実を正確に調べる。②解析する。③解毒。心に響く謝罪、再発防止策、厳しい処分などによって、許しを得て問題を収束させる。④再生。信頼を取り戻して、業績を回復させる。
     逃走本能と闘争本能があるが、逃げてはならない。他人に頼っても、解決にならない。
    そして、①遅い謝罪。②時間足らずの謝罪。③曖昧にぼかした謝罪。④言い訳や反論混じりの謝罪。⑤嘘と隠蔽混じりの謝罪。⑥贖罪の伴わない謝罪。
    「遺憾、誤解、お騒がせし、知らなかった、邁進するの頭の文字をつなげると イゴオシマイとなる」
    ふーむ。地雷多き時代、どう地雷を踏んでも、生き残っていくのかがこれからの時代なのだ。突き進むしかない。パックンや爆笑問題の太田も、意外と地雷踏んじゃっている。この本を読むべきだ。

    0
    2022年09月09日
  • 地雷を踏むな―大人のための危機突破術―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    最近日本大学の危機管理学部の教授をテレビで頻繁にみかける。同大学は日本で数少ない危機管理に特化した学問体系を持ち、長らく専門家を輩出してきた大学だ。これが報道でも取り上げられる様になってきた事は、それだけ危機管理の重要性が浸透してきた事もそうだが、危機的な状況が社会で多く発生していることを表している。自然災害にサイバー攻撃、バイトテロに代表される従業員が招く会社の危機的状況。公共交通機関なら命に関わる重大事故、そして会社の経営者や高役職者などが絡んだ会計不正。数え上げたら危機は幾らでも存在する。なぜこれだけ日々のニュースで取り上げられるようになったのか。過去の日本に危機がなかった訳でも無いし、災害やテロなどは以前から発生してきたことだ。それについては情報流通手段の進化が一つ影響要因となっているだろう。これまでは身近な場で見た知った状況を伝達する手段は限られていたが、今はSNSで呟けばあっという間に全国レベルの話題になる。更に誰でも発信できる事は、有る事無い事、情報の精度を下げながら特定の難しい発信源が幾らでも発生する。同時に無責任と言われかねない投稿などが多発し、それを更に誹謗中傷するなど、最も簡単に人々の対立が発生しやすい状況となっている。誰かの呟きは時に社会に大きな畝りを引き起こし、その結果、大企業といえど簡単に存亡の危機に陥る。災害時の政府の対応然り、事件に巻き込まれたり何らかの騒ぎを起こしてしまった芸能人然り。その後の対応次第で中長期の活動に大きな影響を及ぼす、及ぼし易い時代になっている。だからこそ、何かに「巻き込まれたり、起こってしまったとき」のリスク(危機)への備えが大変重要となっている。
    本書はその様な危機管理を専門とする企業の社長が、自らの経験と知識で、どの様に乗り越えていくかの手法を述べていく内容となっている。勿論、それを読んだからと言って簡単にできるものではない。だから、先ずは知識として身につけて、いざという時にはこうした会社の存在を頼りをスムーズに進めるためのテクニックとして読んでおきたい。
    何より先ずは自分の周りに対応が必要になる可能性のあるリスクが幾つ、どの程度あるかを認識しなければならない。会社へ行く途中で事故に遭う可能性があるなら、それをリスクとして捉えるから損害保険に入る、といった感じに。ただしリスクの把握のレベル感を間違えると、何でもかんでも備えが必要になり、正直大変で生き辛さを感じてしまう。だから先ずは大きなリスクに備えるところから始めたい。会社に居れば大小様々なリスクがある。数字の桁を間違えればそれこそ経営に危機を与える原因となってしまう可能性だってある(私はよくエクセルの計算式で範囲を間違える。だから縦計、横計チェック式を至る所に忍ばせるなど)。
    東日本震災以降、各社が率先して事業継続計画(BCP)を作成した。私も事業会社のIT部門の一員として、事業リスクの識別や、システムの最低限必要な状態でも稼働し続けられるような構成の検討に携わってきた。実際にプランニンし、環境構築も経験させてもらった。それより前には大規模な会計不正事件がアメリカで発生した際の日本版SOX法(当時の呼び名)でリスクコントロールマトリックス(RCM)の作成、フォレンジック環境整備もやってきた。最近は頻発するトラブル一つ一つの原因究明や再発防止プロセスをチェックする役回りも任せてもらっている。偶々、そうした経験の積み重ねが、リスクとその重要度•影響を常に識別しようとする考え方が先行するようになってきた。それは瞬発力や実行力の低下に繋がりかねないものの、一方でそれを無視して進む事の危険性は以前にも増して重大な結果を招きかねない。変化の起伏が激しい時代にありながら、いち早く俊敏に変化に対応しつつも、瞬間的にリスク影響を判断していく能力も強く求められる。バランス感覚がなければ判断を見誤るし、最悪の事態には専門外部企業の力も借りながら、目に見えぬリスク(危機)を管理していく必要がある。その重要性を再認識させてくれる一冊。
    世の中は地雷源だらけなのだから。そして以前なら踏んでも大した爆発に至らなかった地雷は明らかに威力を増しているし、下手すると自分だけでなく組織毎吹き飛ぶような威力を発揮する。この事を常に意識していたい。

    0
    2026年02月11日
  • その対応では会社が傾く―プロが教える危機管理教室―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    なかなかの良い内容だった

    企業に「感知・解析・解毒・再生」という四つのステップを意識して行動することを提唱
    場当たり的な言動をしてしまわないため

    理論
    感知ー「現場は必ず嘘を言う」「露呈した不具合は氷山の一角」「水平・垂直に事実を調べる」
    解析ー「二つの見えにくい罪がある」「二つのトウソウ本能に留意せよ」「岸の発想を持て」「被害者は社会的な弱者か否か」
    解毒ー「公益を意識して語る」「被害者の気持ちを自ら代弁する」「作用と反作用に留意する」「痛みのバランスをとる」「反省・後悔・懺悔・贖罪」「(被害者は)癒される・腑に落ちる・受け入れる・忘れようとする」「再発防止はフールプルーフとフェイルセーフで」
    再生ー「オーバーシュートを避ける」「予め再出発の策を仕込む」「ステークホルダーへの根回し」

    謝罪会見も法廷も常に解毒を念頭に置くべし
    危機管理に失敗する五つの要因
    ①気が動転して思考停止に陥る
    私もあなたも、人間は誰でもいざという時には、気が動転する生き物
    ②事態の展開の予測を誤る
    展開を予測しておかにいも、後手に回ってしまう
    ③多方面からの助言に惑わされる
    企業が不祥事を起こした時の危機管理でも、様々な助言を真に受けて裏目に出ることがある
    窮地に陥った際、危機の際にこそ助言を精査する必要が高まるが、往々にしてその逆の行動を取ってしまうことが多いことを忘れてはいけない
    ④罪の重さの変化を見落とす
    他者に責任を分ける姿勢を弊社では「他分け」と呼んで企業に注意喚起しています。「他分け」をしても、決して己の責任は軽くなりません。
    数年前ならば被害者として同情されたような案件でも、現在ならば加害者と認定されてしまうことは決して珍しくありません。常に「罪」についての常識をアップデートする必要があります
    ⑤二つのトウソウ本能に支配される
    「闘争」と「逃走」
    危機を素早く「感知」し、現状と展開を「解析」した後に、詳しい説明や謝罪などで「解毒」したうえで、窮状からの「再生」を図る

    危険発生時にまず問うべき五つのポイント
    ①思考停止に陥っていないか。あらゆる可能性を検討しているか
    ②今後の展開を冷静に予想できているか。希望的観測に基づいていないか
    ③寄せられた助言を冷静に評価できているか。鵜呑みにしてはいないか
    ④古い価値観や常識で「罪」を評価していないか。軽視してはいないか。他人のせいにして済ませようとしていないか
    ⑤トウソウ(闘争・逃走)本能に支配されていないか。問題の本質を正視しているか

    成功のための二つの課題
    ①危機管理の理論を習得する
    リスク・コミュニケーションの一つである謝罪会見は、危機管理の四つステップ(感知・解析・解毒・再生)の中の解毒のために行うもの
    細かくいえば、確実に解毒をするためにも「反省・後悔・懺悔・贖罪」という四つのステップがあります。この順番を間違えると解毒はできない
    ②他者(他社)の事例を疑似体験する
    普段から最近発生した他社の事例を取締役会の議題にして、対応の疑似体験をしておくと良いでしょう。自分たちならどんな初動を行い、どの段階で会見を開いて、何を語るのか?Q&P(ポリシー)を議論する

    危機管理に必要な技能
    ①展開の予測力
    弊社は毎週月曜日の午前中に"展開の予測会議"を行っています。この会議では三名の取締役が「楽観論者」「悲観論者」「標準論者」の役割に就いて、感覚的ではなく明確な根拠を示して予測を語ります。そして、時間の経過とともに根拠が崩れないかに注目して、どの予測が正しいかを選択し体制を整えていきます。
    ②人心を掌握する話術
    心構えとしては、「相手の言葉をバットで打ち返さずに、一旦はミットで受け止めてから返す」となります。もしも、反対意見を言う必要があるなら、「YES、BUT」方式にする。たとえば、ムリな提案をされても、「それは出来ません」と言うよりも「良いご提案かと思いますが、私の一存では決められないので少しお時間を下さい」と回答するのです
    ③整理して事務処理をする能力
    "段階的に行動を起こす"
    「現時点で」と断った上で、判明している事実と原因を公表し、同時に今後の調査の予定および次回の情報開示の予定を示す、図を利用した分かりやすい資料を作成


    加被害混合案件は危機管理の鬼門

    危機を網羅するための16分野
    天災と人災の2つに分類する、その二つのそれぞれに加害者と被害者がありこれで4つに分類、その4つをさらに"人""物""金""情報"の四つに分類

    キョトンとした顔は無実の顔と反応、反論は逆に怪しい

    クレームは6種類
    ①勘違い②ストレス発散③良心的④平均的⑤厳し目⑥法外

    危機管理には四つの戦略
    「折れる」「戦う」「かわす」「防ぐ」
    他者の事例を疑似体験する事が大切
    「折れる」というのは、言い訳や反論を我慢して、謝罪や弁償をすること

    危機の本質を見極める方法は四つ
    ①被害者が社会的な弱者か否かを考える
    ②社会の処罰感情が高い旬な事案か否かを考える
    ③自分の置かれている立場が、加害者の岸に近いか被害者の岸に近いかを考える
    ④期待に反する度合いが、高いか否かを考える

    代表的な失敗の原因は「二つの見えにくい罪」
    一番目は"変化する罪"もう一つは"悪意なき罪"

    情報流出には28パターンある
    原因を7つに分類
    ①情報の入った機器を紛失した。盗まれたものも含む
    ②売名や自己顕示欲を満たすのが目的
    ③興味本位による情報の閲覧が目的
    ④顧客情報をネット上に公開して恥をかかせるのが目的。犯人が現役の社員の場合もあるが、不満を持って辞めた元社員が多い
    ⑤情報を無形資産として入手するのが目的。幹部社員が転職先に手土産として提供するケースが多い
    ⑥順客情報を名簿業者に売却する、または企業を恐喝するのが目的。すなわちお金目当
    ⑦システムの不具合による情報の流出
    それぞれに四つのレベルがある
    ①社会的な弱者のリストで、センシティブな情報あり
    ②社会的な弱者のリストで、センシティブな情報無し
    ③社会的な弱者じゃないリストで、センシティブな情報あり
    ④社会的な弱者じゃないリストで、センシティブな情報無し

    嘘を見抜く方法は、"鳥の目"と"虫の目"を持つことを心がける
    情報を取るには、聴覚と視覚と嗅覚をフル活用
    (1)現場の嘘を見逃していないか
    (2)露見していない問題を見逃していないか
    (3) 全体像を把握しているか
    (4) 現場の細部を把握しているか。実物を見ているか
    (5)一つの視点からのみ見てはいないか
    (6)報告書を鶏呑みにしていないか

    楽観論と標準備と悲観備。この三つの推論と、実際に起きてくる様々な事象とを対比していく。
    そこから、どの論が当たっているかを判断し、未来を予測して対策を練っておく。それが、危機管理を検討する会議の、望ましい進め方です。

    解毒をするには、"反省・後悔・懺悔・贖罪”という四つのステップがあり、順番に全てを網羅する必要がある
    ①反省ー自ら引き起こしたことの影響について深く考えたうえで、どこがいけないかを自ら言語化する
    ②後悔ーなぜ自分がそのようなことをしたのか、心理的な原因を分析して考える
    ③懺悔ー①②を踏まえたうえて、外に向けて語るべき言葉、謝罪の言葉を考える
    ④贖罪ー③だけでは「口先では」との疑念を払うことはできないから、何らかの罰、ペナルティが必要

    謝罪に使ってはいけない言葉
    「誠に遺憾」「誤解」「お騒がせし」「知らなかった」「邁進する」
    悪い謝罪10種
    ①言い訳まじりの謝罪
    ②嘘や隠蔽が含まれた謝罪
    ③遅い謝罪
    ④曖味にボカした他人事のような謝罪
    ⑤役者不足の謝罪
    ⑥足並みが揃わない謝罪
    ⑦詫びる相手の優先順位を間違えた謝罪
    ⑧時間不足の謝罪
    ⑨賠償が先走る謝罪
    ⑩処分が伴わない謝罪

    被害者の視点
    まずは最初のステップとして「癒される」必要がある
    癒されて少し冷静に考えられるようになった後は第二のステップとして「腑に落ちる」が来る必要がある
    第三のステップが「受け入れる」
    四つ目のステップが「忘れようとする」

    再生のステップで留意すべき失敗のパターンは三つあります。
    第一に、事態の沈静化を焦ってオーバーシュートをしてしまう。すなわち発言や行動が大げさになってしまったために、身動きが取れなくなったり、莫大なコストがかかってしまったりすることがあります。
    第二に、早い段階で出口戦略を仕込まないと間に合わなくなってしまう。解毒が終わってから再生の策を打ち出すべきではありますが、どう再生させるかについて解毒を終えてから考えていてはスムーズな再出発ができなくなってしまいます。
    第三に、取引先などのステークホルダーへの情報提供を怠ってしまう。そうすると、不安や動揺から情頼を揺るがし、良い関係でいられなくなることに繋がります。
    この三つの失敗に注意しないと再生が遅れてしまいます。

    マスコミの大義名分
    ①被害の拡大防止、②再発防止、③ステークホルダーの知る権利を満たす、④良き社会を実現するための権力者の監視
    マスコミは三つの壁に守られている
    公益の壁、引用の壁、反論の機会提供の壁
    「褒め記事は叩き記事の母」

    総じて情報に対する感度を高めるためには「やみくもに情報を扱わない」という点が大切です。
    収集力の感度を高めるには、常に情報を疑ってみることが大切です。そして、その情報の根拠に辿り着く習慣を付けると良いでしょう。
    分析力の感度は、多角的な視点を持つことが重要です。違う立場から見れば全く違う見え方をしていることがあります。
    伝達力の感度は、発する情報の影響や反応(相手にどう受け止められるか)を予測しながら方法と時期を決めることが大切です。
    機密力の感度は、発した情報の流れ方や悪影響を考えながら行うことによって高めていくことができます。

    人間関係を築くには五つの能力
    ①開始する能力(フックを探す)
    ②デザインする能力(距離感)
    ③維持する能力(お礼とか)
    ④修復する能力(最初は聞く、次にお願いする、ダメなら要望する、改めない場合は措置を通告、最後の手段でデザインを変更、段階的に行うのが秘訣)
    ⑤収束させる能力(円満に解消する、付き合った時間と同じ時間を費やして別れる、急いではいけない)

    コミュニケーションにおいて最も難しくて、かつ重要な危機管理の場面
    ①断る②説得する③謝る④叱る⑤共有する
    叱る場合は相手との温度差を解消する

    当事者が複数の場合、"合同で記者会見"という鉄則を記憶しておく

    危機管理のガードを固めるには上下左右のアドバイザーが必要
    上:その道の専門家で、俯瞰して人生の先を見通せる人
    下:イエスマンではなく、フォアザカンパニーで意見を出せる人
    左:違った分野の視点を有し、岡目八目で考え方をアドバイスできる人
    右:弁護士や医療など専門的なサポートができる知識や技術を持った人

    何かをすれば必ず反作用は起きます。したがって、常に反作用を最小限に抑えられるよう考えながら対策を打つ必要があるのです。

    コメント
    「責任の所在を明確にして、私も含めて厳しい処分を行います」。処分という言葉なら、必ずし、離任しなくても済みます。
    経営トップの辞任は、解毒の切り札なので、有効に使うには、タイミングも大切

    A4用紙一枚か二枚程度のQ&Pを作成することを企業に推奨しています。Pはポリシーという意味です。質問に対する回答のポリシーを決めておいて、どんな角度から聞かれても回答がブレないようにするのです。
    作る際のポイント
    * その事案に向き合う基本姿勢を決める
    * その段階で開示して問題ないと判断した情報を箇条書きにする
    * その段階で開示できない情報を盤理したうえで、開示しない理由をまとめておく
    * 次に開示するタイミング、なぜそのタイミングかも含めてまとめておく
    * 予期しない質問、答えに詰まる質問へのスタンスを決めておく

    生存競争のために必要な八つの能力
    1.共感力
    その人にはその人なりの事情がある
    2.通達力
    相手の理解と記憶を手伝いながら語る
    総論から入って各論を語る(又は聞く)
    3.協働力
    共通の課題を示す、問いかけを忘れない
    4.新和力
    苦手な相手とも適切な人間関係を構築する能力
    田中角栄は長けていた
    5.発動力
    自己叱責力の欠如、言葉の鞭を持つ
    6.確動力
    当たり前と思われている事を当たり前に行う能力
    7.論理力
    第1ステップー現状の問題点やニーズの把握
    第2ステップー原因の究明
    第3ステップー対策の立案と実施
    第4ステップー 効果と費用の確認
    第5ステップ ー残された課題の考察
    8.創造力
    他者の意見やアイデアを決して否定せず、欠陥があると思ったら改善案を加えて同調する

    0
    2025年08月17日