広野真嗣のレビュー一覧
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参議院選挙の前に読みたかったのだが、数日遅れてしまった。
日本の政治は責任を取らないし、責任を伴う決定もしない。政治家は国民の大多数の利益のためではなく自分を支持してくれる人の利益のために動く。
コロナとの闘いは3人の首相の下で実施されたが、上に書いたことと違った首相はいなかった。その中で、尾身先生を筆頭に専門家チームは「よくやった」のだと思う。自らの主張のみを前に出せば政府との関係が切れてしまう。そうならないように、ぎりぎりの努力をしたことが、著者の取材からうかがえた。
専門家チームは静かに消されてしまったが、彼らの奮闘がなければ日本のコロナ被害はずっと大きくなったことだろう。論争の残り火は -
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今現在でも新型コロナ新規感染は、引き続き発生はしているが、既にニュースのネタになることはない。私たちの頭からも、あの感染力と致死率の高さに怯えたことが、ウソのようにフェードアウトしているのではないか。
しかし100年に一度と言われるパンデミックへの対応が、日本では極めて不十分で、COVID-19の総括と、国として、また国民として、今後どのような施策と心構えを持つべきなのかは、きちんと総括した上で明らかにしていく必要があると感じたのを覚えている。
そんななかで、新型コロナ発生時から専門家として携わった人たちにフォーカスを当て、私たちが報道で見聞きする表面づらの話ではなく、彼らがどのようにたち振 -
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コロナ禍の3年半、新型コロナウイルス感染症対策分科会などの専門家会議を通して政府に新型コロナ対策を助言し、時には前面に出て毀誉褒貶に晒され、そして表舞台から姿を消した、尾身茂、押谷仁、西浦博の各氏をはじめとした感染症専門家たちに焦点を当て、2020年2月から2022年8月(一部それ以降)までの専門家(科学)と政治とのせめぎ合いを克明に描いたノンフィクション。
専門家の側から見た日本の新型コロナ対応の過程がよくまとめられており、専門家たちと政治家・行政との間にどのような攻防があったのかがよくわかった。
本書は明らかに専門家たちにシンパシーを持った筆致であり、また、オミクロン株が中心となって以降の -
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ネタバレ奔流
コロナ「専門家」はなぜ消されたのか
著者:広野真嗣
発行:2024年1月17日
講談社
3年以上のコロナ騒ぎで、我々一般人が初めてその名を知った人、最も有名になった人、といえば、尾身茂である。もちろん、医師だが、公衆衛生の専門家として、WHOの西太平洋地域事務局長の職務を2期、10年にわたって勤めた人物。選挙で選ばれ、WHOでアジアのトップに君臨。もちろん、次の地位はWHO本部トップの事務局長だが、2006年の選挙に立候補するも敗れている。西太平洋地域事務局長の時には、SARS禍で手腕を発揮した。
そんな尾身は、なんと、初めは外交官を目指し、慶応大の法学部に入ったという。ところが、 -
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未曾有のコロナ禍にあって、「専門家」がいかに頑張ったかを取材、「文藝春秋」の連載記事をまとめたもの。
それでかあ。なんか言ってることにまとまりがないなと感じたのは。
本を通して何を言いたいのか、主張がなにかよく分からなかった。
「客観的な」レポートかと思えば、相当偏っている。
そんな読み込むつもりもなくて恐縮だが、多分、専門家の「専門」の部分アゲ、の悪いことの根幹は政治家。それは通ってんのかな。
それでいて、その「専門家」の尾身さんが、総理に感謝していたとサラッと書いてて、だから何と思って前後読み返してみたが、それ以上何もなく。
専門家は、「コロナ感染絶対悪」を抑えることしか考えてない