イブン・バットゥータの「大世界旅行記」やマルコ・ポーロの「東方見聞録」を読んだような気分になる。世界の網羅感が強い。
- WEBとモシモシの普及で、世界の風俗も2.0時代に入り、日本のブルセラ・テレクラ・出会い系後の変化に似たものが、世界中で起きてて、人身売買や児童買春などの犯罪感が薄れつある。らしい。そうだろうと思う。
- 自由恋愛ってなんなんだろうな。どうして金銭の授受があるんだろう?持つものが施す、はあるよな。でもぼくには、どうしてもそこが埋まらないのだ。この本でもそこが埋まらなかった。
- 「やりたいことは、すぐやるべし」日本と同じように、何処の国も規制が厳しくなりどんどん自由が奪われてゆく(良いことか悪いことかはわからんが)。体験したいと思い立ったが吉日、早めに手を打て。と著者は言う。これは何もエロに限らず旅行に限らずだ。いいことでも悪いことでも、人為か自然かに関わらず、いつ門が閉まるかわからない。
それを強く感じた。
- 何箇所か恋愛に近いところまで進んでる告白があり、これはなかなかに来るものがあった、なんというか羨ましいというか。さらに、あらためて性風俗と自由恋愛は地続きなのを感じた。
- 売春の自由のあるドイツ周辺の Frei Koerper Kulter は、70年代に妄想されたSFの世界だ。安全な自由恋愛としての売春。日本でも警察が決めなければ法的には可能だと思うが、警察が法の運用を決める国では無理だろうなぁ。
- トルコ風呂をパラダイス・スパと呼ぶのはいいセンスだと思った。もうスチームもないわけだし、こっちのほうがイイんじゃないかな、呼び名として。
- 国ごとの1ページまとめがある(治安や金額など)のが、良い。欲を言えば何処までが法的にリーガルで、どこまでが容認なのかも追記してほしかった。
- あとがきに「世界中の性に対する共通の意識(を感じた)」とあるが、それが何なのかわからなかった。書くと小説的作家的にならざるを得ないだろうけど、それも知りたかったところ。それが書いてあったら☆5だ