上野博のレビュー一覧
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世界最高のデジタル銀行となったDBSの変革についてまとめられた本。DBSは元々シンガポール開発銀行という政府系金融機関であり、シンガポールが金融都市として発展した後の役割は薄く顧客評判も良くなかった。しかし、2010年以降CEOピユシュ・グプタのもとで数々の改革を成し遂げていく。アジアウェーブ・デジタルウェーブ・サステナビリティウェーブと3つの戦略ウェーブを進め、シンガポール内のみならずアジア・世界でも戦える銀行へと生まれ変わった。DX推進の際、専門チームを作ってそこから広めるのではなく、全部署単位で徹底したデジタル変革を行った点は特に日本企業は見習うべきであると思う。
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Posted by ブクログ
実務上学びになる点がたくさん。
顧客志向、カスタマージャーニー、データ分析、APIとこれまで散々聞いているテーマについて、具体的な事例を紹介してくれるので、これやってみようというアイデアがたくさん思いついた。テーマの概要をなぞるだけの本とか会社のPR本とかは溢れているが、これはなかなかの良作。これをケーススタディにしてチームディスカッションしたら色々アイデア生まれそう。
「バリューチェーン全体で生じるすべての作業を認識し計測し、その作業を排除、移動、最適化して生産性向上、コスト低減、そして顧客満足向上につなげる」(p87)
データ分析と何年も言われているけどなかなか分析切り口が出せずにいた -
Posted by ブクログ
決済に関する見識を広げることができる。
朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。
・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。
・決済の世界が対峙する課題は大きく分けて二つではなかろうか。
一つはマネロン、賄賂、租税回避といった善悪の悪を懲らしめる(決済させない、してもバレる )こと。
もう一つは決済金額、決済スピード、決済頻度、地理的スケールの拡大という難題を叶えながら決済システムの靱性、回復力をも含めて安定させること。
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・ビットコインのよ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者は元マッキンゼーでSWIFTのCEOも努めたゴットフリート・レイブラント氏と、ジャーナリストのナターシャ・デ・テラン氏。
詳しくない分野ですが、たまには、と思って読んでみました。
感想。重厚感あり。一つ一つしっかり解説してくれています。帯の通り「世界を動かすお金の裏側」「支払の歴史・仕組・未来」に400ページほど。
特に、
①便利な決済方法を消費者側は無料で使えていると思っているかもしれないけど、巡り巡って商品価格に転嫁されて、しっかり負担してるよという指摘や、
②クレジットカードビジネスの奥深さ、
は面白かったです。
文量多くてだいぶ読み飛ばしました。
備忘録。
・決済と -
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Posted by ブクログ
日々行われている決済の裏側は壮大な世界と様々な思惑があることがわかった。
仕事で海外送金することがあるのでSWIFTの成立ちや信用状の面倒さは納得。
支払方法は国ごとに好みが異なることは興味深い。
そもそも決済とは、
負債を免除する方法。
決済の特性は、
リスク、流動性、慣習により影響を受ける。
非接触型、無摩擦決済は支払の心理的ハードルを下げるもしくは無くしてしまう。
決済の意味するもの、
現金という現物からデータへ移行することで勝者総取りの可能性がでてきた。
決済データ、技術は安全保障上武器にもなる。
決済方法の進化を見ると決済データが巨大テック企業に一極集中することは危うい。
他 -
Posted by ブクログ
強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難しい。一番効率の良いのは、日常で疑問が生じた都度、当該部分を参照するという読み方になろうが、索引がついていないのと、書き振りが冗長なので辞書的な使用がしにくいのが残念。
ともあれ本書を読むにつけ感じるのは「国家のような権力主体が決済システム(≒通貨、金融)を成立させるのではなく、決済システムこそがそれを持つ主体に権 -