上野博のレビュー一覧
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この本は、「来るべき世界と、その世界に適応するために社会が必要とする変化について述べたもの」だという。さらに、「しかしさらに重要なのは、その未来に行き着くために私たち個人が辿るであろう道程について述べていることだ」と言う。
これまでも技術は人間を「拡張」するものであった。馬や自動車、飛行機は人間の足を拡張し、眼鏡や望遠鏡、顕微鏡は目を拡張し、電話は耳を拡張し、ハンマーやドリルは手を拡張し、そしてコンピュータは頭と記憶を拡張してきた。これからの技術も人間を拡張するものであり、それは今までそうだったように大きく生活を変えるものになる。シェアリングエコノミー、自動運転、VR/AR、ナノテク、ウェア -
Posted by ブクログ
テクノロジーがもたらす世界で今後どんなことが起こり得そうか、主にデータによる顧客体験価値の拡張の具体的な姿と今進んでいる取り組みが、日常の消費サービスから医療、移動、スマートシティなど、さまざまな産業が取りあげりている。
分量も多いため、少し読むのに苦労するが、きちんと読めば、自分の知らない産業の未来を知ることができ、それが今後の自分の考え方、ビジネスの捉え方、データの捉え方を変えさせてくれる本である。
印象に残った考え方として、データはプライバシーの範囲内に入れておきたいものから外部で活用してほしいデータまで様々あり、利用シーンに合わせてその使い方も異なる。データをオープンにするほど便利にな -
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Posted by ブクログ
決済市場は二百ヵ国以上で2.5万の銀行が携わるが、国際取引は15の銀行だという。
「決済とは法律上負債を免除する方法」
冒頭の定義紹介で、まず止まる。自分のペースで言葉を噛み締め、物理的にその文章を行ったり来たり。それこそ読書の醍醐味。そんな感情を改めて感じながら、よくよく考える。
なるほど、お金は負債。商品やサービスの対価であり、お金を持つ事で他者の労力を購入する権利を持つのだから。で、先に商品やサービスを受ければ負債が生じるが、お金を払い決済される事で債務は免除されると。で、いつもの癖で思考を広げる。この負債の免除という考えは面白い。お金とは、労働の負債。今あるお金は全て「負債貨幣」で -
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DBSはすごい。MVVを掲げて、いまいちだった2010年から2015年には世界随一のデジタルバンクになった。
事例もいろいろ載っている。
ただ、MVVを掲げて施策を打つだけならどこの経営でもできる。だが、日本の金融機関はそうではない。
だから、この本に欠けているのは実効性を持たせた要因の分析であると感じた。
年功序列も残る日本で、若手がベテランの1on1をすることを、どういうインセンティブ設計や文化があれば成り立たせうるのか?
ベテラン層をリストラせず、いかに新しいことを学んでもらったのか?これはなぜ成り立ったのか?
せめて、訳者あとがきで触れて欲しい。
とはいえ、ここに触れるとコンサル業的に -
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Posted by ブクログ
ネタバレ決済とは、法律上の表現によると「負債を免除する方法」ということになる。それは基本的にリスキーで、誰かがお金や商品を受け取れないかもしれないというリスクをはらんでおり、それ故、手数料は正当化される。
我々の身近にあるものとしてはクレジットカードで、日本と米国では若干事情が異なっているのだろうけど、4コーナーモデルというものが買いせるされる。
クレジットカードの利点は決済の痛みを軽減することである。実験によるとクレジットカードで1ドルを支払う心理的コストは50セントに過ぎない。
ウーバーのアプリはさらにすごくてタクシーを降りた瞬間に支払いが完了している。このようにフィンテックにはフィンテックの -
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決済ビジネスのテクノロジー方面の今後を知りたかったのだけど、読んでみてわかったのは、結局、決済テクノロジーとは、銀行やカード会社がやってたことをデジタルで早く即時にグローバルにやってるだけ(とはいえ、取引処理やクラウドなど技術の発展あってこそだろうけど)で、ビジネス自体は規制のあるなしとネットワーク効果が重要ってことくらいなんだな。現金がなくなることも、多分、当面はない。あと、暗号通貨のテクノロジーも多分いらない。
ヨーロッパはクレジットカードの手数料が規制があって安いというのもへーという感じ。
「決済が武器になるとき 金融制裁と地政学」の章がおもしろかった。国際貿易でも世界の準備通貨とし -
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決済ってのは要はどういう商売なのよっていう主に銀行を中心とした話とか、種類とか、歴史とか、犯罪とか、もろもろまつわる話を詰め込んだ本という印象。
SwiftとかB2Bの話はあんまり興味持てなかったけど、クレジットカード、デビットカード、QR決済、現金決済、電子マネーとかのリテールの話は少し興味を持った。一見手数料がかかってないように見えても、どこかで手数料が発生して決済というビジネスは成り立っているのだということを意識してみるとよいのかも。
クレジットカードは加盟店手数料取るうえに、入会金・年会費取るとかなかなかなやつなんだなと認識を新たにした。 -
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Posted by ブクログ
こういう世界が来るのかもしれないなあと思いながら読みました。
ここに書いてあることを真に受けすぎないほうが良いのかな、と。
とはいえ、こういう世界が来ないとも限らない。
そうなったときに、地域金融機関が世の中に提供できる価値はなにか?
それを考える切っ掛けになった。
機械が人間の行動を分析してフリクションをゼロにする世界が来るか否かはわかりませんが、フィンテック企業と協働していくことは、今後の金融機関には避けられないでしょう。
本筋とは逸れるが、第一原理の思考というものをこの本で初めて知った。
自社の方向性を考えるときに、積極的に使っていきたい考え方。
「うちの会社をイチから立ち上げると -
Posted by ブクログ
かつて、銀行は支店網が競争力の最大の源泉になっていた。ユーザーへのタッチポイント(ディストリビューション/デリバリ)が支店(bank1.0)からATM(bank2.0)、そしてモバイル(bank3.0)へ。現在は4.0への移行期にある。4.0はユビキタスで組み込み型。インビジブルな銀行を意識させないサービスとなる。ゼロフリクションでリアルタイム。最適な人に最適な場面で適切なアドバイスをする為にビッグデータとAIによるレコメンドが大事になる。4.0は日本だとこれからになる分、具体的なサービスイメージがまだわかなかった。。。銀行業のこれまでとこれからがよく理解できた。が、難解で長編なので読み切るの
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