シッダールタ・ムカジーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『病の皇帝「がん」に挑む』(文庫版は『がんー4000年の歴史』)や『遺伝子 ‐ 親密なる人類史‐』の著者シッダールタ・ムカジーが医学の歴史について書いた本。TEDブックスという形式で、本としては短い。特に彼の他の二冊の本と比べると驚くほど短い。それはたぶんよいことだ。
本書は他の科学と比べて不確かな部分がまだまだ多い医学について「医学の法則」を探って、紹介するもの。その法則とは、
1. 鋭い直感は信頼性の低い検査にまさる
2. 正常値からは規則がわかり、異常値からは法則がわかる
3. どんなに完全な医療検査にも人間のバイアスはついてまわる
まとめると「事前知識、特異な症例、バイアス。この3つの医学の法則がどれも人間の知識の限界や制約に関わっていることは示唆的」だということ。お医者さんであれば、実感を持ってその通りというのかな。医学もますます統計学が重要な分野になっているということだろうか。Evidence Based Medicineというものと現場の医療との関係にまつわるお話でもあるかもしれない。 -
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医学における判断材料
一部、ご紹介します。
・検査の弱点を克服するには、しっかりとした「事前知識」(直観)が必要だ。
・基準値(大多数がおさまる一般的な範囲)からは、規則性がわかる。
異常値からは、より深い法則を掴むためのきっかけが得られる。
・あらゆる理論は、それが誤りだと証明される可能性を持っている。予測や観測によって誤りだと証明されることが、担保されている理論や命題のみが、「科学的」だと判断される。そのような「反証可能」な推論ができない場合は、科学的な理論とは看做されない。
・あらゆる科学は、人間のバイアスの影響を受けずにはいられない。たとえ、大容量の機械にデータを収集・貯蔵させ、自ら操作するよう学習させたとしても、最後にそのデータを観察し、解釈し、その使い道を決めるのは人間だ。