小島希世子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
雇用問題・農業界の問題・そして人の心の問題。
農作業という仕事が改善へ向けた一つの道になる。
本書では、小島さんの農業への憧れ、ホームレスの出会いや農起業に繋がる大学生活、ホームレス農園やオンライン販売事業の立上げ、契機となったビジネスコンテスト、ニートの受け入れ開始、成功事例や失敗事例等、小島さんの幼少期から農園の現在までつづられている。
本に出てくる一言一言が、社会や組織・コミュニティでの人との関わり方について深く考えさせられる。
農業・福祉・経営、どの分野の人が読んでも得られるものがあるんじゃないかと思う。
失礼かもしれないけど、でも良い意味で、小島さんはロジカルに熟考して方向性を定めてから行動するタイプよりも、まず直感的に動いてみて、その結果をもとにネクストステップを決めていくタイプで、少し親近感がわいた。
よく言われるのが、うつ病の症状改善や再発予防には、規則正しい生活と適度な運動が必要だという事(うつ病以外でも、健康関連全般でいわれていることだと思いますが、今はうつ病に絞って話を進めます)。規則正しい生活には、時計ホルモンとよばれるメラトニンの分泌が重要なんだけど、このメラトニンは太陽の光を浴びることで分泌されるらしい。また、運動をすることでセロトニンという神経伝達物質が脳内で分泌されたり、乳酸ってゆう疲労物質の堆積防止、海馬の委縮の防止といった効果が生まれる。
外で体を使っておこなう農作業は、仕事をしながらこうしたメンタル改善ができる可能性が高くて、
雇用や精神面で苦悩を抱えている人たちに良い解決策を提示できるものだったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は地方の教員一家に生まれ、身近に農がある環境から農に憧れ、食の安全と守ることを目標に活動し、農で起業されたというユニークな経歴を持つ女性。農業界の悩みである人材不足と就業意欲が高く体力もあるが定住地がないために仕事に就けずにいるホームレスを結びつけ、手に職を与え農業家にするというユニークな取組みも行なっている。以下、読書より得られたこと。
・社会的に人が転落していく過程はカフカの階段(上段から労働→家族→住居→金銭で構成)と呼ばれ、一番下から転落して這い上がるときにはとてつもない壁となる。
・ホームレスは住所がないため社会保障に関わる公的サービスが受けられない。
・若者ホームレスが脱ホームレスとなるために必要なことは住まい、仕事、居場所、つながり。
・現在の日本では転落した場合、セーフティーネットがあまり整備されておらず、またあまり機能もしていないため復帰が非常に厳しくなる。
・トラウマを少しでも持ってそうな人を注意するときは、ダメというのではなく、そうやるよりこうやったほうがいいよというような形でする。本人の性格や考え方は絶対に責めないことがポイント。
・本当にやりたいことを満足にやるために大切な判断基準はできるかできないかではなく、やるかやらないか。
・起業したい等、新たに何かにチャレンジしたい人は自分が求める情報が集まりそうな場で積極的に意見や考え方を発信すると良い。
・仕事の三つのものさしは自分が自分でいられる仕事、人にありがとうと感謝される仕事、経済的に成り立つ仕事。
ホームレスやニートを取り巻く環境についての説明箇所は出処がきちんとしたデータを使用しており、非常に学びとなった。