七河迦南のレビュー一覧

  • アルバトロスは羽ばたかない
    あちこちに張り巡らされた伏線を徐々に回収し、最後は綺麗にまとまっていた印象。逆に言えばそのために引き伸ばされた作品。1番キモとなる文化祭の事件はそうはならないだろって方向に事が運んだ結果ややこしくなっていた。突き落とした後バレなかったトリック(?)があれならもっと誰にでも出来てしまうなぁと感じた。動...続きを読む
  • 夢と魔法の国のリドル(新潮文庫nex)
     平成28年に新潮社から刊行された『わたしの隣の王国』が文庫化に伴い改題、改稿された作品。

     高校生最後の日に、研修医の彼氏・優と巨大テーマパーク・ハッピーファンタジアにデートに来た主人公の杏那。しかし優とはぐれた杏那はひとり不思議な世界に迷い込んでしまう。そこは一見現実のテーマパークのようでいて...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    児童養護施設を舞台に、子どもたちを巡る日常の謎をテーマにした短編集。六つの物語が最後に収斂するつくりはすごいな、と思いました。鮎川賞受賞作ということは、デビュー作なのでしょうが、解説にもある通り、伏線のはり方や読者を上手に誘導していく書き方は完成度の高さを感じます。「夏季転住」とか伏線でだいたいオチ...続きを読む
  • アルバトロスは羽ばたかない
    学校の屋上から転落事故が起きた。自殺か事件か・・。前著「七つの海を照らす星」での児童養護施設・七海学園をベースにしたミステリー。

    こう来たか!と思わせられる最後。楽しめました。
    ただ、前作同様、自分は人名を覚えるのが不得意なので、すこし理解できてなく読んだため、消化不良な箇所もあった。やっぱり人名...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    児童養護施設・七海学園を舞台としたミステリー。

    同じ主人公での7つの物語があとで繋がってくる、よく考えられた物語。個人的には人名を覚えるのが不得意なので、その緻密な物語設定が理解できず、楽しめてないように思う。
    人名をメモしながら読めばよかった。
  • アルバトロスは羽ばたかない
    やられた。久しぶりに。
    日常の謎的な連作集なのだけど、それがある事件へと繋がる。
    いやはや、この手の作りはわりとありがちなのに、今回は完敗。
  • 七つの海を照らす星
    養護施設「七海学園」の七不思議を巡る短編集。日常の謎。
    特に最初の、端々の不思議な出来事と、不良少女の真相の謎が良かった。一つ分かるとカラクリが全て解けて、あちこちに仕掛けられた伏線と真相の鮮やかさに驚いて。次の話からは(自力で解くことは出来ないけれども)、伏線を見つけることに意識が行って、なんかま...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    総合評価 ★★★★☆
     児童福祉法に基づく児童養護施設である「七海学園」に勤めて2年目になる北沢春奈の視点から描かれる連絡ミステリ。探偵役となるのは児童福祉施設の福祉司である海王さん。七海学園を舞台にした6つの短編と,それらの短編で残された謎をまとめる7つ目の短編からなる。そして,7つ目の短編で3つ...続きを読む
  • アルバトロスは羽ばたかない
    著者のシリーズ前作「七つの海を照らす星」は読んでいないが十分に楽しめた。
    謎の真相部分は、ちょっと強引とも思えるところもあるが、綿密な構成で叙述ミステリとして一級品だと思う。
    本筋は暗くて重い内容だが、構成している「冬」以外の各章は、それぞれ完結した短編ミステリとも云える内容であると同時に、登場人物...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    日常の謎系は好きだが、北村薫さん、はやみねかおるさん、米澤穂信さん等々の、キャラクターと文体とミステリのバランスが絶妙にとれた傑作が出るジャンルなので、読者としてもハードルが高いなと思うことがある。
    今作は、やや走っていると思う部分もあるが、読みやすく、読後には温かみがある。海王さんの口ぐせも、じわ...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    七海という都市が舞台の、七つの連作短編集。
    児童養護施設が舞台となっていて、主人公含め明るいタッチの中に、何か勝手にこちらがいたいたしい感じをもってしまったが、それも想定されているように、子供たちや主人公らが元気だった。
    キャラクターがそれぞれ立っていて、好感があり読みやすい。
    日常の謎ジャンルで、...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    児童養護施設にここまで踏み込んだ内容のものは始めて読んだ。当然ながら、それぞれ抱えているものはあれど、暗くなり過ぎない雰囲気に救われる。ミステリとしても、最後の怒濤の仕掛けにしてやられました。
  • 七つの海を照らす星
    養護施設という特殊状況下で起こる日常の謎を扱った短編集。
    人間が魅力的で引き込まれるからこそ、読者である私も真相に一喜一憂させられた。
  • 七つの海を照らす星
    児童養護施設を舞台にした連作ミステリー
    いわゆる「学園七不思議」もんってヤツですが、一つ一つの話が丁寧に良くできていて、謎解き小説としてよりも、元気をもらえる小説としていいなぁと思える。舞台が舞台だけに少々切ない思いもするんだけど、それを包んで余りある優しさというか人間味が、柔らかく心地よい。

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  • 七つの海を照らす星
    まず、読みやすい。
    繋がりのある短編7つだけど、最後に全編に絡む驚きがある。
    また、一つ一つの謎解きも、ハッとさせられて面白い。
    しかし、最大のハッ は、表紙にあったとは!

    これでやっと、アルバトロスを読める。
  • 七つの海を照らす星
    七海学園という児童養護施設の7つのミステリー。「どんなに似て見えても、その子の苦しみはその子だけのもので、本当にはわからないのかもしれないけれど、あまりにも思い当たる言葉がいっぱいで、学園に今ももう一人の、ううん、もう二人、三人、何人ものわたしがいるような気がして、切ない気持ちになったんだ」
  • 七つの海を照らす星
    ネタバレ注意です!

    「もし、私がこのことを小説に書くんだったら、ペンネームは絶対ローマ字回文になるようにするな。そうしたら冒頭どころか表紙に載るもんね。『最大の伏線は本を開く前から読者の目の前に!』とかってコピーができるわよ」
    にこの物語の全てが集約。
    児童養護施設という社会的テーマをも扱いつつ、...続きを読む
  • 七つの海を照らす星
    児童養護施設を舞台に、学園の七不思議の謎を解くストーリー。主人公の施設職員と子供達との関係には心温まるものがあり、しかもミステリーの部分もしっかりしているという一冊で二度美味しい、いい作品。少し真相の説明がクドいのが難点か。最終話の展開は鮮やか。驚かされた〜。
  • 七つの海を照らす星
    児童養護施設の七不思議を一つずつ追っていくストーリー展開。
    単純な感動ものかと思いきや、しっかりとしたミステリーだった。
    とりわけ最後の意外性は、「やられた!」という爽快感もあって、読み応えがあった。
  • 七つの海を照らす星
    連作短編集。

    児童養護施設「七海学園」での日常を描いたミステリー。

    ミステリーであるが、殺人があるわけでなく、かと言っ
    平凡な日常の謎でもなく、学園七不思議を呼ばれる謎を解明していく。

    一つ一つの短編が面白く人間味ある物語であるうえ、
    最後の章でとっておきのミステリーが炸裂する。





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