七河迦南のレビュー一覧

  • 七つの海を照らす星

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    家庭では暮らせない子どもたちの施設・七海学園で起きる、不可思議な事件の数々。そこで働く保育士2年目の春菜と謎解きを大きく助けてくれた児童福祉司海王。

    第18回鮎川哲也賞受賞作にしてデビュー作ですが、プロ作家の別ペンネームなのでは――?そう疑われたという程の完成度。
    構成から登場人物からミステリまで、すべての完成度が高い。児童福祉に造詣が深くて、かといって子どもたちにも寄り過ぎず、絶妙なバランスで描かれたこの世界、本当に素晴らしかったです。

    扱っている題材は重たいものです。
    それが、海に近い田舎を舞台に、心地いい風を自然を感じつつ繰り広げられ、暗くなり過ぎない。思わず夢中になって読みました。

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    2020年08月08日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    全体を貫く冬の章と、春、夏、初秋、晩秋と続く短編。構成がとても巧みです。解決に至る終盤で思わず声が出ちゃったけど、なんか気持ちいい解決編だった。これは答えを知った上で、もう一度頭から読みたい。

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    2018年09月28日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    ネタバレ

    総合評価 ★★★★★
     前作,「七つの海を照らす星」を読んでから読んでほしい逸品。「七つの星を照らす星」を読まずに,この作品から読んでも十分楽しめるが,最後の衝撃は★2つほど下がってしまうだろう。この作品のキモは,メインとなる物語の語り手である「私」が前作「七つの海を照らす星」の語り手であった「北沢春菜」ではなく,北沢春菜友人の「野中佳音」であるという叙述トリックが使われている点である。そして,七海西高校の屋上から転落して意識不明の重体となっている女性が「鷺宮瞭」ではなく「北沢春菜」なのである。屋上から墜落した女性を「鷺宮瞭」だと誤信させる叙述トリックが仕掛けられている。確かに,読んでいる途中

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    2018年09月28日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    ネタバレ

    まさかの冒頭からのミスリード。すっかり騙された!読み返してみれば、犯人も最初にちゃんと書いてある!読者の先入観と文章表現でここまでできるとは!
    連作短編ミステリーで、日常の謎は先の読めるものもあったけど、前作よりも納得感のいく仕上がり。大枠は転落事故を追う探偵小説。入れ子構造で、辻褄が合わないなと読んでいて若干混乱するのも作者の計算の内だったというわけで…。
    日常パートがなーんだその程度のミスリードか。なら本題の結末もだいたい読めるな、なーんて決して油断してはいけない作品。

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    2018年05月13日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    2018.04.08

    児童養護施設・七海学園シリーズ2作目
    母親に殺されかけた子 スタジアムでの大量失踪事件 寄せ書きを隠す事件 子供の面会を迫る父親 の短編4つと、全体を通しての墜落事件

    トリックが秀逸かつ伏線も各所に丁寧に散りばめられている

    仕掛けありきで話がしょーもないということもないのもイイ

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    2018年04月09日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    良い話だなぁ、悲しい話だなぁ、では終わらない、これはミステリなのだ。    
    短編を連作した長編ミステリ。凄まじい読み応え。    
    ガツンと頭をトンカチで打たれたような衝撃。        

    でも……だけど……しかし……、またいつもの日常の七海学園の日々を読むことができるのか……、切実な問題である。

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    2018年03月15日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    途中から違和感を感じて、視点人物が違っているのではないか、というところまでは思い至るも、最後に現れる光景にはそれ以上の衝撃が待ち受けていた。過酷な環境に生きることを強いられた子供たちの悲痛な叫びと、それに答えようとする大人たちの思いがそれぞれ胸に届いてくる。

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    2017年12月29日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    連作短編集。殺人までは起こらず、いわゆる学園モノの日常の謎作品。正直そんな好きな分野じゃないけど、これ(というか、前作も含めた本シリーズ)は面白い。それぞれの短編集だけでも味わい深いけど、本作に通底する、一番大きな事件にしても、その切なさにやられる。素敵な物語でした。

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    2017年12月25日
  • アルバトロスは羽ばたかない

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    ネタバレ

    昨年末に読んだ「七つの海を照らす星」の続編。
    文化祭の日に起きた校舎屋上からの転落事故の真相を、七海学園に勤めて3年目になる保育士・北沢春菜が追っていく。

    物語は、事件を追う現在の話の間に、その年の春~晩秋に起こった過去の出来事が挟まって語られる構成。
    現在と過去が交互に語られるので、時系列的に混乱し、そこで誰が登場して何を語っていたかがすんなり頭に残らずで、いささかの読みにくさを感じながらの読書。
    それでも真相へと向かう話には引き込まれ、「夏の章」は、なんだか前作でも似たようなトリックがあったぞ、とか、「初秋の章」のアホウドリ(アルバトロス)の挿話には、これは謎解きと関係があるのかしらん、

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    2026年03月20日
  • 七つの海を照らす星

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    児童養護施設·七海学園には"七不思議"がある。死んだはずの少女。行きどまりの階段から消えた少女…。新人保育士が児童たちと向き合う中で謎が解かれていく良質のミステリー短編集。1話ごとの人間ドラマが心を揺らす。最後の謎が…。
    「七つの海を照らす星」(2008)七河迦南
    #読書好きな人と繋がりたい

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    2026年03月07日
  • 七つの海を照らす星

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    全ての謎がそこに集約される感じになるとは!
    そうかそういう伏線があったのかー!
    ノーマークの人物だった!
    最後に会うけどお互いに気づかないままなの良いな。
    どこかで幸せになってるで答えは合ってるし。

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    2026年02月27日
  • 七つの海を照らす星

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    学園を舞台に日常の謎を追うスタイルだが、背景の特殊さと描写の細かさが相まってとても興味深く読み進められた。終章で綺麗に繋がり読後感も良かった。二話目がとても印象的

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    2026年02月18日
  • わたしがいなくなった世界に

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    前作をまったく覚えていない…
    読み返したらなおよかったかも
    途中まで何の話か全然分からなくてしんどかったけど、最終話で色々と繋がっていく感覚は懐かしかった

    高校の演劇の話は、何のことか今でもよく分からない

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    2026年02月11日
  • 刹那の夏

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    ミステリー短編集。
    どの話も現実世界を舞台にしているようでズレている、不思議な世界観。そしてダーク。
    表題作の「刹那の夏」はレトロな雰囲気と田舎の子供たちの様子がなんだか懐かしくて好き。

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    2026年02月07日
  • わたしがいなくなった世界に

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    ネタバレ

    前作までの説明がほとんど無いため、この本だけ読んでも楽しめるのか?
    特に刹那の夏は上下巻と言えるくらいです

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    2026年01月30日
  • 刹那の夏

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    被災地にボランティアとして滞在中、その滞在先の若者から「死んだ伯父の残したボトルシップ」を見せられる。ボトルシップの謎のため、残された日記をもとに伯父の子ども時代を紐解いていく─

    表題作のうつくしさと残酷さ、奇跡的、いや悪魔的な偶然を下地にした真相の凄まじいこと!
    "奇跡の道"を駆ける後ろ姿、水満ちる岩屋のなかで見つめ合うふたり、その枠外の残酷さをまぶたの裏に想像して、うつくしさに悶絶する。
    短編集でぜんぶ楽しめたけど、「刹那の夏」は幻想的な文章で描かれる子どもたちのひと夏にどっぷり浸かれる名作。

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    2026年01月19日
  • わたしがいなくなった世界に

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    ネタバレ

    待ってました。お帰りなさいの作家さん。とても言葉を大事にしていて、安定の回文にシンメトリー。今回は小説の人称「わたし」に切り込みつつ、ASDにも焦点を当てる。
    一作に詰め込みすぎなくらいのボリューム満点の連作ぶり。ただ、文章の言い回しは過去作よりもわかりにくい部分があり、読み返すこと幾たびか…。
    人の成長に明るい光と希望を与えてくれる作家さんなので、さらなる作品をたくさん生み出してくれることを切に願う。

    お父さんに見えない鏡の世界について、ちょっとだけ、加納朋子さんのおじいちゃんと孫の話を思い出して、まさかのネタ被りじゃないよねとヒヤヒヤしてしまった。
    アルバトロスは細部を忘れてしまったので

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    2026年01月13日
  • 空耳の森

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    七河迦南「空耳の森」
    子どもたちの過酷な現実と幻想的な文章が混じり合い痛切なメッセージがあちこちから響いているような短編集。どれもおもしろいがラストシーンのうつくしさが……現れて駆けていく子どもたちのシーン繰り返し読んじゃった。
    シリーズじゃないふうだけどしれっと七海学園シリーズの登場人物たちがたくさん出てくるので順番に読んだほうがいい。もうこの子どもたちがみんな卒園して大人になるまで読ませてくれ……頼む……みんな健やかに……

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    2026年01月13日
  • 七つの海を照らす星

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    おもしろかった!
    児童養護施設「七海学園」で囁かれる不思議を保育士と児童福祉司が紐解いていく。
    子どもたちの置かれる様々な環境、制度の問題を浮き上がらせながらも、希望の星を指し示すミステリ。
    子どもたちを見守る大人のまなざし、子どもの感情の瑞々しさと時として大人より鋭利で冷めきった視線、それらを幻想的に描写するうつくしさ。
    ラストちょっと泣いたわ。

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    2026年01月11日
  • 刹那の夏

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    久し振りに読めたなぁ〜って思う作家さん。シリーズの新刊も最近出たらしいのでそちらも気になってます。わりと暗めなテーマな作品が多いと感じた短編作品が篇でしたが、この作家さんの独特な作風雰囲気と力量でスルッと読めるお話だったなぁ〜って印象です。作中にスルッと散りばめられた謎や演出に久し振りに流石だなぁ〜って感嘆させらせました。(^_^)b

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    2025年12月20日