ボンテンペッリのレビュー一覧

  • 鏡の前のチェス盤

    Posted by ブクログ

    タイトルからも想像されるようにキャロルの『鏡の国のアリス』的おはなし。挿し絵も可愛く読みやすいです。私的イタリア文学のブームが再び到来しつつある。

    0
    2018年11月01日
  • 鏡の前のチェス盤

    Posted by ブクログ

    悪さをして閉じ込められた少年が、物置でチェス盤と大きな鏡に触ってはいけませんと言われながらお仕置き中。当然の如く鏡の世界のパラレルワールドに突入。そこはチェスの駒が動いていて、少年の住んでいる世界なんてのは、我々を必死こいて真似してかろうじて体裁を保っているそうです。その人達をさらに見下す存在も登場。そうですね、猫の額のような限られた世界で足を引っ張り合うよりも、もっと広い世の中に目を向け、グローバルな視点をもちたまえよ、そういうことなんですね。電車で鞄ぶつけ合っての場所取りはみっともない、そうですね。

    0
    2018年08月03日
  • 鏡の前のチェス盤

    Posted by ブクログ

    20世紀イタリアの小説家ボンテンペッリ(1878-1960)による児童文学作品、1922年。ボンテンペッリは、未来派のマリネッティ、形而上絵画のジョルジョ・デ・キリコ、メタ演劇のピランデッロなど、20世紀イタリアの前衛運動の影響の中で創作し、のちに「魔術的リアリズム」と称される幻想的な作品を多く発表することになる。

    鏡というモチーフには底知れぬところがある。それは鏡によって生起する二種の区別のイメージから来るように思われる。

    ■第一の区別、形而上学的区別或いは超越的・存在的区別

    第一に、個体とその像とに重ねられる階層的区別・対比・隔絶のイメージである。例えば、現実/幻想、現/夢、実/虚、

    0
    2018年05月27日