草鹿外吉のレビュー一覧

  • 南十字星共和国

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    悪い夢とそれを見た人の話、あるいは誰かの見た悪夢そのもののような短編が揃う。昏く、その悪夢を呼び起こした現実もまた暗い。原書からのアルベルト・マルティーニの挿絵もとても良かった。

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    2021年03月20日
  • 南十字星共和国

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    短編集。革命物はなんだかソローキンの欠片があちこちに見えた。ソローキンに比べると作者による読者への親密さがわかる。それ以外はビョーキもの。今も昔もビョーキの人の普遍さを確認。今の人と違い情報がない分、周りがあれこれ言わない分、安心して内側に籠ることができたようだ。ロシアの人って不器用で無骨?内側に囲いを作っていろんな物を投げ入れてる印象。そしてこじらせる。母親の実家にて、ごちそうを振る舞われてる感じした。作りなれてる料理を心を込めて振る舞う作者。1つ1つが田舎の郷土料理。

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    2019年02月03日
  • 南十字星共和国

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    20世紀初頭のロシアが夢見た、不穏なるユートピア小説。

    南半球に建国された理想国家が、その極端な合理主義によって滅びに至るまでを描きます。
    物語は2906年、南十字星のもとに栄えた共和国の記録として展開されます。完全な平等を目指し、芸術を否定し、感情を管理する未来社会。人々は巨大な地下都市に暮らし、効率に基づいて行動します。だがその極度の合理化が、やがて人々の魂を蝕んでゆくのです。

    革命と暴動、そして謎の疫病によって滅び去る理想郷の顛末には、世紀末ロシアの予言者たる詩人の洞察が光ります。ホーンいわく「ザミャーチンの『われら』やオーウェルの『1984年』に先駆けて、管理社会の闇を描いた」と。

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    2024年11月17日