筆者は最優秀新人賞を当作でゲット、脂がのりtきってのデビュー作だろうか。
意欲はビンビン伝わってくる展開だが、どうも粗削りして意欲がカラ滑りしている印象。
設定が「妻子を失い、酒乱の日々の中で自分を見つめなおしていく、そして巻き込まれた犯罪と対峙してアメリカが抱えている最重要問題の一つ―人種差別と対
...続きを読む峙する」と思われるがなんか脆弱。酒浸りの日々でこうも捜査をサクサク賭して行けるだろうかとまず疑問。中盤過ぎるとヘイトスピーチ、ネオナチ、黒魔術とカルト色が強まって行き、些か『大丈夫、こんな混迷で❓』と危ぶんでしまった。
ラストに向けての盛り上がりは手に汗レベルでなかなか、洞窟の雰囲気は臨場感あった。
何度も繰り返される黒人少年の屍体描写~被害者に共通知るキーワード”同人種、同年齢、肘の骨折”から焦点が絞られて行くのはカルト色と相まっていかにも「今」のアメリカを体現する犯罪集団、人物の存在を思わせる・・蓋を開けるとハハァ~ン
原題”The Good Detective"を「刑事失格」と単純に結び付ける意図が面白くなかった。
舞台となったジョージア州は全米でも居人種間カップルが多いらしいだけにあちこちで火種が尽きぬと。それだけにこの問題に着手しやすいとの執筆動機は買える。