前作「響きの科学」で、豊富なブリティッシュ・ジョークと共に音楽を主に音響物理学の観点から解説した著者が、今回は心理学や脳科学の知見から、音楽が人の心理や行動に与える影響を面白おかしく説明する一冊。
音楽を愛する人であれば、一度は疑問に感じたりするようなことに対して、ちゃんとした理論的説明が行われて、その疑問が氷解していくさまを体験できるのはやはり楽しい読書体験というほかない。ただ、前作に比べると、多少パワーダウンしているような気もしないではない(主に著者特有のブリティッシュ・ジョークの面白さにおいて)。