小国士朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分が描いている「原風景が何か」というところは企画を立てる上でとても大事になる。原風景があるからこそ、企画や着地の方向性が決まるし、流通の手法が見つかり、姿勢も省みることができる。そういうことはなんとなく頭では分かっていても、なかなか整理して言語化できないし、よもや企画して実現させることはもっと難しい。そういう意味では、プロジェクトを企てるときの思考的手順が言語化されているし、実例を持って紹介されているので、とてもおもしろく読めた。書いていること、言葉、過去のプロジェクト、目から鱗なことばかりだった。
多様性とかコンプライアンスとかを意識しすぎて、社会全体が、息苦しく、生きづらくなりつつあるけ -
Posted by ブクログ
読み返しては、アイデアの力にワクワク想像力に薪をくべてくれる、尊敬する恩師の本。
肩書きに収まり切らない「小国士郎」さんという在り方と、数々の「笑える革命」を原風景を元に起こしていく生き方に憧れる。
ーー
ものはいいよう例と自分考察↓
◎「注文の間違える料理店」
- 課題:認知症が否定的に捉えられている、社会から隔離されたり、何もできない人と認識されている、しかし、今後も認知症は増えていく
- 認知症は「間違えてしまう」というネガティブを、ひっくり返すインサイト「まちがえちゃったけど、まぁいっか」の空間作り
◎TAMPON BOOK
- 課 -
Posted by ブクログ
日本ではSDGsで知られている「持続可能な開発」の事例を冬休みに探していました。「持続可能な開発」の特徴は、本業で利益を出しつつ社会課題を解決することです。これが本業の儲けで行う社会貢献活動との違いです。
本書は、社会課題を解決する事業の資金はスポンサー頼みなのでちょっと目的とは異なっていた以外は非常に興味深い内容でした。「注文をまちがえる料理店」はネットで知っていましたが、著者がその企画者だと読み初めて知りました。
やっぱり、メッセージは届かなければ価値無しだし、ストレートにくそ真面目なだけでもうまく届かない。ユーモアのセンスが大事です。アイデア一発の企画ではなく、その見えない裏側では、 -
Posted by ブクログ
昨年『注文をまちがえる料理店のつくりかた』というプロデュースする側としての本を読み、とても共感しました。
こちらは、認知症の当事者…は、料理店で働いた出来事を次の日にはすっかり忘れてしまっているので、サポートするスタッフ、家族、そしてお客さんとして来た方々から見たイベントの様子、認知症のスタッフの方たちの様子について語られています。
このレストランを通して、認知症が特別視するべきものではなく、できないことばかりではない、たとえ間違えてもカリカリする必要はない、間違いも含めて受け入れていくことで、みんなが笑顔になり、丸く収まることもある、ということを教えてくれる。
認知症の方だって、もっと人の -
Posted by ブクログ
こんな素敵なストーリーがあったなんて!
マスコミで話題になったと書いてあったが、この本に出合うまで、全く知らなかった自分を恥じた。
しかもこの本が紹介されていたのは、『デジタル社会のマーケティング』という大学の教科書としても使われそうな、超固くて真面目な本。”デジタル社会”というテーマとは、まるで関係ないことのように思うのだが。
デジタル社会にあっても、ある意味普遍的と言える、人の心に訴えるマーケティングというものに共通するものがあるのだろう。
ピアノを間違えながらも、ご夫婦で演奏される場面は、涙がとまらなかった。難しい演出はいらない。感動はシンプルな中にこそあるのだと。 -
Posted by ブクログ
ニュース番組の特集で見て、気になっていたので読みました。
前半は、この料理店を作った人たち、働いた人たち、お客さんとしてきた人たちの、それぞれに感じたことやエピソード。後半は、仕掛け人である著者がどんなことを考えて、そしてどういう人たちと一緒にこの料理店を作ったのかの紹介でした。
認知症の人であったり、障害を持った人であったり、高齢の人であったり。そういった人たちに対して、社会が少し”寛容”になるということ。「認知症」「高齢者」というようなグルーピングでとらえるのではなく、「○○さん」という個人でとらえるということ。そんな社会は、社会全体にとって生きやすい・過ごしやすいものになるんじゃないか